トルコ軍がアレッポ県アフリーン市一帯を爆撃し、民間人ら8人が死亡、反体制武装集団がロジャヴァの支配下にあった複数カ村を新たに制圧(2018年2月9日)

アレッポ県では、ANHA(2月9日付)によると、トルコ軍がシーヤ町近郊のシャカーター村を爆撃し、民家が倒壊、1人が死亡した。

倒壊した民家には、3~4人が瓦礫の下敷きになったままだという。

トルコ軍はまた、ブルブル町近郊のバルカーシー村を砲撃し、住民3人が負傷、ラージュー町近郊のジャラー村に対しても砲撃を行った。

一方、アナトリア通信(2月8日付)によると、トルコ軍はバーフールーン山(バルサーヤー山南西)を爆撃した。

爆撃は19の標的を狙って行われたという。

シリア人権監視団によると、このの爆撃で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員と民間人合わせて7人が死亡したという。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月9日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団は、シリア民主軍と戦闘の末にジャンディール市近郊サファリーヤ村、ナスリーヤ丘、中ジャクラー村、上ジャクラー村、アシュカーン・アラビー村、ナスリーヤ村、ドゥーカーン村を制圧した。

al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018

ANHA, February 9, 2018

なお、トルコ軍の発表によると、1月20日の「オリーブの枝」作戦開始宣言以降、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員1,065人を殲滅したという。

一方、シリア人権監視団によると、これまでに民間人70人、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員135人、トルコ軍兵士22人、トルコ軍の支援を受ける武装集団戦闘員158人が死亡している。

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イドリブ県では、SANA(2月9日付)によると、トルコ軍がアティマ村の避難民キャンプに砲台を設置し、ジャンディールス市近郊のカスタル・ハドラー村、カスタル・ムクダード村、ダイル・サワーン村、アフジャラ村、シャルカーン村を砲撃した。

SANA, February 9, 2018

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アナトリア通信(2月8日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員約500人が乗った車列が、同民政局の支配地域であるシリア北東部からシリア政府支配地域を経由し、アレッポ県アフリーン市一帯に入った。

AFP, February 9, 2018、ANHA, February 9, 2018、Anadolu Ajansı, February 9, 2018、AP, February 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2018、al-Hayat, February 10, 2018、Reuters, February 9, 2018、SANA, February 9, 2018、UPI, February 9, 2018などをもとに作成。

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