トルコ領内でのサウジアラビア領事館による著名ジャーナリスト拘束への疑惑が強まるなか、トルコの庇護を受けるイドリブ県の反体制派は親サウジの反体制派への抗議デモを呼びかける(2018年10月4日)

ドゥラル・シャーミーヤ(10月4日付)は、トルコの影響下にあるイドリブ県やハマー県北部、そして同国の実質占領下にあるアレッポ県北部で活動を続ける活動家・組織が、5日午後に「交渉委員会は我々を代表していない」と銘打ったデモを呼びかけている、と伝えた。

交渉委員会とは、ジュネーブ会議での反体制派の代表組織として、サウジアラビアの肝煎りで2015年末に結成された最高交渉委員会のこと。

デモでは、アサド政権の打倒、ロシアに懐柔された最高交渉委員会の拒否などが訴えられる予定だという。

al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018

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なお、トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は3日、トルコ国内で2日に失踪した米国在住のサウジアラビア人ジャーナリストのジャマール・ハシュークジー(Jamal Khashoggi)氏に関して、記者団に対して「我々が得ている情報によると、サウジアラビア国籍のこの人物は現在も(イスタンブールのサウジアラビア)領事館にいる」と述べた。

カリン報道官によると、トルコ外務省と警察当局が事件について調査を行っているほか、トルコ政府もサウジアラビア政府高官に連絡をとっているという。

カシュークジー氏は2日、婚姻届を提出するために必要な書類を受け取るためにイスタンブールのサウジアラビア領事館を訪れて以降消息を経ったままで、婚約者(トルコ人)は3日朝から、領事館施設の前でカシュークジー氏を待っているという。

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Naharnet, Octoer 4, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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