ドイツのスパーン保健大臣はシリアのWHO執行理事会入りを「嬉しくない」としつつ、主権国家間の協力は必要との見方を示す(2021年6月2日)

ドイツのジェンス・スパーン保健大臣は、世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関である世界保健総会(WHA)第74回総会(5月24日~6月1日)で、シリアが執行理事会の理事国に選出したことに関して「この決定についてまったく嬉しくない」と述べた。

しかし、スパーン保健大臣は「リアルポリティクスの欠陥だ」としつつ「国民の健康問題や健康管理においては次のような問いがなされる。「協力が可能にならない時、我々は誰を罰しているのか?、我々は体制と国民のどちらを罰しているのか?」と付言し、主権国家間の協力が必要だとの見方も示した。

AP(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機、シリア軍ヘリコプターがダーイシュを狙って爆撃(2021年6月2日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ダイル・ザウル県シューラー村近郊の砂漠地帯、ヒムス県スフナ市近郊の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って110回以上の爆撃を実施した。

また、シリア軍ヘリコプターも同地で「樽爆弾」4発を投下した。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2021年6月2日)

アレッポ県では、ANHA(6月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジャラーブルス市でシリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の司令官の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、司令官が重傷を負った。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県マンビジュ市での抗議デモを受け、シリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会は徴兵制を停止すると発表(2021年6月2日)

アレッポ県では、ANHA(6月2日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、5月31日から続いていた住民による徴兵制反対のデモへの対応を協議うするため、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会、北・東シリア自治局傘下のマンビジュ民政評議会(マンビジュ市および同市郊外民主民政評議会)、地元の名士や部族長が会合を開いた。

会合後、マンビジュ軍事評議会のムハンマド・アブー・アーディル司令官は、北・東シリア自治局の代表、地元の名士や部族長の立ち会いのもとに声明を発表し、徴兵制を停止すると宣言する一方、今回のデモでの逮捕者を解放するとともに、デモ参加者への発砲の背景を調査する委員会を設置することを明らかにした。

アブー・アーディル司令官が読み上げた声明の内容は以下の通り。

https://youtu.be/1z6wZNoVtX0

我々は、マンビジュ市およびその郊外において困難な状況下で暮らしている。人民の正当な要求を求めて街頭に出た住民のなかに死傷者が出てしまったこの2日間の我らの町での遺憾な出来事を受け、みなが殉教者が流した血、マンビジュ市と住民の治安と安全のために道義的・人道的責任を負う必要がある。

まず、我々民政評議会、軍事評議会、部族長、名士は最初に自らを慰めたい。マンビジュ市およびその郊外の住民を慰め、彼らが受けた傷のために彼らと寄り添い、負傷者の一刻も早い回復を願う。そして、こうした念に基づき、マンビジュ市およびその近郊のすべての部族と、民政評議会、軍事評議会との拡大会合が開かれた。部族長と名士の希望、提案に応じて、この町の治安と安定、住民の平和、共生を維持し、内乱を生き埋めにし、流血を食い止めたいがために、この会合では以下のことが合意された。
1. マンビジュ市とその近郊における自衛義務活動への取り組みを中断し、これを検討、議論に付す。
2. 最近に事件におけるすべての逮捕者を釈放する。
3. 発砲が行われた背景を調査し、それに関与した者すべてを処罰するための委員会を設置する。

 

アレッポ県では、ANHA(6月2日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、5月31日から続いていた住民による徴兵制反対のデモへの対応を協議うするため、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会、北・東シリア自治局傘下のマンビジュ民政評議会(マンビジュ市および同市郊外民主民政評議会)、地元の名士や部族長が会合を開いた。

会合後、マンビジュ軍事評議会のムハンマド・アブー・アーディル司令官は、北・東シリア自治局の代表、地元の名士や部族長の立ち会いのもとに声明を発表し、徴兵制を停止すると宣言する一方、今回のデモでの逮捕者を解放するとともに、デモ参加者への発砲の背景を調査する委員会を設置することを明らかにした。

アブー・アーディル司令官が読み上げた声明の内容は以下の通り。

https://hawarnews.com/ar/uploads//2021/06/02/111409_byan-mjls-almdny-walaskry-2-6-2021-e280ab28129e280ac-e280abe280ac.jpg

https://youtu.be/1z6wZNoVtX0

我々は、マンビジュ市およびその郊外において困難な状況下で暮らしている。人民の正当な要求を求めて街頭に出た住民のなかに死傷者が出てしまったこの2日間の我らの町での遺憾な出来事を受け、みなが殉教者が流した血、マンビジュ市と住民の治安と安全のために道義的・人道的責任を負う必要がある。

まず、我々民政評議会、軍事評議会、部族長、名士は最初に自らを慰めたい。マンビジュ市およびその郊外の住民を慰め、彼らが受けた傷のために彼らと寄り添い、負傷者の一刻も早い回復を願う。そして、こうした念に基づき、マンビジュ市およびその近郊のすべての部族と、民政評議会、軍事評議会との拡大会合が開かれた。部族長と名士の希望、提案に応じて、この町の治安と安定、住民の平和、共生を維持し、内乱を生き埋めにし、流血を食い止めたいがために、この会合では以下のことが合意された。
1. マンビジュ市とその近郊における自衛義務活動への取り組みを中断し、これを検討、議論に付す。
2. 最近に事件におけるすべての逮捕者を釈放する。
3. 発砲が行われた背景を調査し、それに関与した者すべてを処罰するための委員会を設置する。

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北・東シリア自治局は声明を出し、ANHA(6月2日付)によると、マンビジュ市での抗議デモに関して、「シリアの体制、トルコの支援を受ける傭兵、そしてトルコそのものによって、この地域の安定を破壊しようとする動きが続けられている」としたうえで、デモを住民の利益に反する方向へと導いたと非難した。

その一方で、「自治局の社会契約憲章において平和的抗議活動やデモの権利は保障されている」と付言、住民に対して、いかなる当事者が抗議行動に乗じ、治安を見出そうとすることも阻止し、内乱と分断への試みに警戒するよう呼びかけた。

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ラッカ県では、ANHA(6月2日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタブカ市の部族長と名士らが共同声明を出し、マンビジュ市での抗議デモに関して、徴兵制の改正に向けた取り組みが行われるなかでの「外国のアジェンダと結びつい破壊行為」とし、これを非難した。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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ヒムス市ザフラー地区で大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝う音楽祭(2021年6月2日)

ヒムス県では、SANA(6月2日付)によると、ヒムス市ザフラー地区のスィッティーン通りで、人民諸団体と市民団体が、大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝う音楽祭を開催し、多数の住民が参加した。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で30人、北・東シリア自治局支配地域で30人(2021年6月2日)

保健省は政府支配地域で新たに30人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、6月2日現在の同地での感染者数は計24,559人、うち死亡したのは1,778人、回復したのは21,614人となった。

SANA(6月2日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに62人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者11人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、6月2日現在の同地での感染者数は計17,919人、うち死亡したのは732人、回復したのは1,815人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性26人、女性36人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市19人、カーミシュリー市4人、ルマイラーン町1人、ダルバースィーヤ市2人、フール・キャンプ5人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市3人、マンビジュ市3人、ラッカ県のラッカ市14人、タブカ市4人、ダイル・ザウル県4人。

ANHA(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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ロシア国防省によると緊張緩和地帯での停戦違反は38件(2021年6月2日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県17件、ラタキア県13件、アレッポ県4件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 2, 2021、ANHA, June 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 2, 2021、Reuters, June 2, 2021、SANA, June 2, 2021、SOHR, June 2, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民317人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は671,209人に(2021年6月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月2日付)を公開し、6月1日に難民317人(うち女性96人、子供162人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民317人(うち女性96人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は671,209人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者275,961人(うち女性82,947人、子ども140,468人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,754,006人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は900,489人(うち女性270,223人、子供458,959人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は87,528人(うち女性32,405人、子供31,817人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,356,124人(うち女性414,964人、子供675,583人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 2, 2021をもとに作成。

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