反体制派系サイトのジスル:北・東シリア自治局が米国の圧力に応じるかたちで大規模な組織改編を準備(2021年6月15日)

反体制派系サイトのジスル(6月15日付)は、独自筋の話として、北・東シリア自治局が米国の圧力に応じるかたちで大規模な組織改編を準備していると伝えた。

変革は、北・東シリア自治局傘下の民政評議会や地元評議会がそれぞれの支配地を分権的に統治を行っている現在のジャズィーラ地方での支配のありようを変革することが目的。

このプロセスには、一部の反体制活動家も参加する見込みだという。

北・東シリア自治局の執行評議会が6月10日に「北・東シリア自治局の社会契約および基本検証を改編するための委員会の枠組み」の承認を発表し、12日に執行評議会議長府が、ジャズィーラ地域とユーフラテス地域の選挙監視委員会元メンバーが会合を開き、2021年中の地方選挙の実施について協議したのも、この動きの一環をなしているという。

AFP, June 19, 2021、ANHA, June 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2021、Jisr, June 15, 2021、Reuters, June 19, 2021、SANA, June 19, 2021、SOHR, June 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの治安当局がシリア領内でダーイシュ・トルコ州のワーリーを逮捕(2021年6月15日)

アナトリア通信(6月15日付)は、トルコの治安当局が、国境近くでダーイシュ(イスラーム国)トルコ州のワーリー(統治者)でアブー・ウサーマ・トゥルキーを名乗る男性(本名:カセム・ギュロル)を逮捕したと伝えた。

同通信社によると、トルコ諜報機関は、アブー・ウサーマがシリアからトルコに潜入し、領内で攻撃を実行しようとしているとの情報を入手し、シリア領内で逮捕に踏み切ったという。

AFP, June 15, 2021、Anadolu Ajansı, June 15, 2021、ANHA, June 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2021、Reuters, June 15, 2021、SANA, June 15, 2021、SOHR, June 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市近郊のファルファラ村住民と国防隊が村に入ろうとした米軍パトロール部隊に投石、退却させる(2021年6月15日)

ハサカ県では、シリア人権監視団が複数の活動家から得た情報によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町北東に位置するファルファラ村で、住民と国防隊が、村に入ろうとした米軍装甲車複数輛と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌1輌からなるパトロール部隊に向けて投石を行うなどして抵抗し、進入を阻止した。

同地では、米軍部隊が連日巡回を行っている。

SANA(6月15日付)によると、住民の抵抗を受けた部隊が退却を余儀なくされた。

**

ハサカ県では、SANA(6月16日付)によると、シリア領内に違法に基地を設置し駐留を続ける米軍が、県内で盗奪した小麦をトレーラー32輌に積んで、ワリード国境通行所からイラク領内に持ち出した。

車列にはシリア民主軍の車輌も同行し、護衛にあたった。
http://www.sana.sy/wp-content/uploads/2021/06/0-129.jpg

AFP, June 15, 2021、ANHA, June 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2021、Reuters, June 15, 2021、SANA, June 15, 2021、SOHR, June 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの占領下にあるアフリーン市近郊で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、2人死亡、4人負傷(2021年6月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のカフルジャンナ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、2人が死亡、4人が負傷した。

SANA(6月15日付)によると、死傷したのは「トルコ体制の傭兵テロリスト」(シリア国民軍戦闘員)。

AFP, June 15, 2021、ANHA, June 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2021、Reuters, June 15, 2021、SANA, June 15, 2021、SOHR, June 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で44人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で153人(2021年6月15日)

保健省は政府支配地域で新たに44人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、6月15日現在の同地での感染者数は計24,904人、うち死亡したのは1,821人、回復したのは21,690人となった。

SANA(6月15日付)が伝えた。

**

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月15日に新たに153人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、33人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡5人、イドリブ郡22人、ハーリム郡68人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡2人、ジャラーブルス郡5人、バーブ郡23人、アフリーン郡11人、アアザーズ郡12人。

これにより、同地での感染者数は計24,941人、うち回復したのは21,642人、死亡したのは692人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1599715370233348/

AFP, June 15, 2021、ACU, June 15, 2021、ANHA, June 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2021、Reuters, June 15, 2021、SANA, June 15, 2021、SOHR, June 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県各所を砲撃し1人死亡(2021年6月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、フライフィル村、マアッルザーフ町、カンスフラ村、ファッティーラ村を砲撃し、マアッルザーフ町では住居に砲弾が直撃し、1人が死亡、複数が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県23件、ラタキア県6件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を15件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 15, 2021、ANHA, June 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 15, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 15, 2021、Reuters, June 15, 2021、SANA, June 15, 2021、SOHR, June 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民317人と国内避難民(IDPs)359人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は675,108人、2019年以降帰還したIDPsは89,170人に(2021年6月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月15日付)を公開し、6月14日に難民317人(うち女性95人、子供162人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民317人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は675,108人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者279,860人(うち女性84,116人、子ども142,255人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,755,749人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は904,388人(うち女性271,392人、子供460,946人)となった。

**

一方、国内避難民359人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは325人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは4人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は4人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は89,170人(うち女性33,126人、子供32,068人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,357,766人(うち女性415,685人、子供675,834人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 15, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.