北・東シリア自治局は今年中に支配地での地方選挙を実施するための準備を開始したと発表(2021年6月12日)

北・東シリア自治局はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/smensyria/)を通じて、2021年中に地方選挙を実施するための準備を開始したと発表した。

発表によると、同自治局執行評議会議長府が、ジャズィーラ地域とユーフラテス地域の選挙管理委員会の元メンバーと会合を開いた。

会合は、前回選挙での経験を活かして、新たな選挙の実施を準備することが目的。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1620617464794851

 

AFP, June 19, 2021、ANHA, June 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2021、Reuters, June 19, 2021、SANA, June 19, 2021、SOHR, June 19, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構のウズベク人メンバーがイドリブ博物館の収蔵品を破壊(2021年6月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市のミフラーブ交差点にあるイドリブ博物館に、同組織のウズベク人メンバーが侵入し、展示されていた古代の彫像、壁画、モザイク画複数展を破壊した。

犯行理由は不明だが、同地の自治を委託されているシリア救国内閣の管理下に置かれ地得る博物館運営局からの正式の発表は行われてない。

なお、イドリブ博物館の収蔵品の多くは、シャーム解放機構(当時の組織名はシャームの民のヌスラ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団などからなるファトフ軍がイドリブ県全域を制圧した2015年3月以降、略奪によって散逸している。

博物館周辺は略奪を回避するために厳戒態勢が敷かれているが、一部住民は反体制派が所蔵品を持ち去ったと疑っている。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアフリーン市が砲撃を受け、病院などが被弾、18人が死亡、トルコが報復砲撃を強化(2021年6月12日)

アレッポ県では、ANHA(6月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける「傭兵」(シリア国民軍)がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアキーバ村、バイナ村、フライビカ村を砲撃した。

https://youtu.be/IOrH1xPU6z0

**

一方、トルコの占領下にあるアフリーン市に何者かが迫撃砲弾多数を打ち込んだ。

https://www.youtube.com/watch?v=M4ubb1glxjw

https://www.youtube.com/watch?v=pZ13SigeRtY


ANHAによると、砲撃はシリア政府の支配下にあるヌッブル市、ザフラー町一帯から日没直前に行われ、西オートストラード、トルコ軍特殊部隊が駐留するファイサル・カッドゥール学校、スィヤーサ通り、アフリーン病院、アフリーン市とマーラーティー村を結ぶ街道に砲弾多数が着弾し、7人が死亡、14人が負傷した。

シリア人権監視団は、シリア軍がアレッポ市北東のズィヤーラ村とイッビーン村の拠点複数カ所から砲撃を行ったとしたうえで、女性5人、子供2人、男性医師1人を含む民間人14人、シリア国民軍の司令官1人を含む戦闘員4人の計18人が死亡、少なくとも23人が負傷したと発表、病院などを狙った攻撃を「虐殺」と形容した。

シリア人権監視団が6月13日に発表したところによると、その後死者は21人となった。

内訳は、民間人17人(女性5人、子供4人、医師1人、医療スタッフ1人)、戦闘員3人(スライマーン・シャー師団司令官1人)、警官(いわゆる自由警察)1人。

**

これに対して、トルコ軍とシリア国民軍は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による攻撃と断じ、アキーバ村、バイナ村、フライビカ村に加えて、ズィヤーラ村、スムーカ村、ハルバル村、ワフシーヤ村、アルカミーヤ村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、ダイル・ジャマール村、アウダ国内避難民(IDPs)キャンプ(ズィヤーラ村近郊)一帯に対しても砲撃を行った。

この砲撃により、アキーバ村で12歳の子供が負傷した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍が打ったロケット弾、迫撃砲弾は180発以上に及んだ。

**

しかし、シリア民主軍の広報センターのファルハード・シャーミー・センター長は報道声明を出し、一部メディアがシリア民主軍による攻撃だと伝えたことに関して、迫撃砲が発射された地域にシリア民主軍の部隊は駐留していなかったとして関与を否定、すべての報道機関に信頼できる報道を行うよう呼びかけた。

**

また、ラタキア県のフマイミーム航空基地に設置されているロシア当事者和解調整センターも報道声明を出し、「シリア政府軍はアレッポ県北部のアフリーン市の住宅街を砲撃していない。アフリーン市内ではなく、同市周辺から急進的な勢力によって砲撃が行われた」と発表した。

**

このほか、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、し「総合治安警察」部隊の士官(少尉)1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021、June 13, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県では「人民諸派」がシリア民主軍の車輌を爆破、アレッポ県マンビジュ市では親政府の部族が住民に武器を配給しているとの情報(2021年6月12日)

ハサカ県では、SANA(6月12日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある県東部のウンム・フジャイラ村で、「人民諸派」が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌を狙って即席爆弾を爆発させ、兵士1人を殺害、1人を負傷させた。

**

シリア人権監視団は、信頼できる複数の消息筋の話として、シリア政府支持者らが、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のマンビジュ市や同市一帯の住民に対して武器を配給していると発表した。

同監視団によると、バニー・サアディー部族、ブースルターン部族、ブーブナー部族が、1,000人以上の住民を集め、爆弾、カラシニコフ銃などを提供、教練を行っているという。

マンビジュ市は、5月31日と6月1日の抗議デモ発生で緊張状態が続いている。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県ハッラーブ・ジール村に違法に航空基地を設置し、駐留する米軍部隊の装甲車、貨物車輌の車列がイラクに向かう(2021年6月12日)

ハサカ県では、SANA(6月12日付)がヤアルビーヤ町近郊の(西)スワイディーヤ村の複数の住民の話として伝えたところによると、ハッラーブ・ジール村に違法に航空基地を設置し、駐留する米軍部隊の装甲車、貨物車輌の車列が、同じく違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラク領内に移動した。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ城で大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝う祝典が続く(2021年6月12日)

アレッポ県では、SANA(6月12日付)によると、アレッポ市のアレッポ城内で、観光省がアレッポ県の協力を得て「慈愛と忠誠」と銘打った祝典を開催し、前日に続いて大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝った。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で22人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で67人(2021年6月12日)

保健省は政府支配地域で新たに22人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、6月12日現在の同地での感染者数は計24,789人、うち死亡したのは1,808人、回復したのは21,668人となった。

SANA(6月12日付)が伝えた。

**

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月12日に新たに67人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、124人が完治し、1人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡6人、ハーリム郡24人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡9人、バーブ郡0人、アフリーン郡11人、アアザーズ郡12人。

これにより、同地での感染者数は計24,676人、うち回復したのは21,354人、死亡したのは692人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1597675747103977/

AFP, June 12, 2021、ACU, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県に対するシリア軍・ロシア軍の攻撃で2人死亡(2021年6月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカフルラーター村を砲撃、砲弾が民間の車輌を直撃し、乗っていた男性1人が死亡、3人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、マアッルザーフ町にあるトルコ軍拠点の外壁に対して攻撃を加える一方、バイニーン村近郊の森林地帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるムアスラーン村にある親ロシア民兵(シリア軍第5軍団)の拠点を砲撃し、複数の負傷者が出た。

また「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるカフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市およびその一帯を砲撃した。

これに対して、ロシア軍戦闘機は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方東部のマンタフ村、サルジャ村、ルイワハ村、バイニーン村に対して爆撃を行い、マンタフ村で女性1人が死亡、1人が負傷、サルジャ村で7人が負傷した。

なお、SANA(6月12日付)は、トルコ軍とその支援を受ける「傭兵」(「決戦」作戦司令室)が、シリア政府支配地と反体制派支配地の境界に位置するタッル・マンスール村とその周辺を砲撃し、農地に被害が出たと伝えた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村、ナーウール・ジューリーン村、アイン・ハマーム村、アイン・スライムー村、バラカ村、バフサ村を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるキンサッバー町一帯を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるインヒル市で住民1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県17件、ラタキア県8件、アレッポ県4件、ハマー県9件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は17件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民276人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は674,197人に(2021年6月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月12日付)を公開し、6月11日に難民276人(うち女性83人、子供141人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民276人(うち女性83人、子供141人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は674,197人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者278,949人(うち女性83,843人、子ども141,990人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,755,749人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は903,477人(うち女性271,119人、子供460,481人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は88,554人(うち女性32,794人、子供31,973人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,357,150人(うち女性415,353人、子供675,739人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 12, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.