ノルウェーとアイルランドは、バーブ・ハワー国境通行所とヤアルビーヤ国境通行所を経由した越境(クロスボーダー)人道支援の継続を求める決議案を国連安保理に提出(2021年6月26日)

シリア政府への許可を経ないかたちで周辺国からシリアに越境(クロスボーダー)人道支援を行うことを認めた国連安保理決議第2165号(2014年7月14日採択)の有効期間の終了が2021年7月10日に迫るなか、ノルウェーとアイルランドは、イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所に加えて、2020年7月に経由地から除外されたハサカ県のヤアルビーヤ国境通行所を通じた支援を1年延長するとした決議案を安保理に提出した。

AP(6月26日付)などが伝えた。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍は、政府側の諜報機関に買収され司令官暗殺を企てていた兵士4人を逮捕(2021年6月26日)

ラッカ県では、シリア人権監視団が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあり、北・東シリア自治局の「首都」と目されるアイン・イーサー市の複数の消息筋から得た情報によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士4人が、シリア政府側の諜報機関によって買収され、シリア民主軍の司令官らの暗殺を企てていたとした逮捕された。

諜報機関は、4人に対して司令官1人を暗殺する度に3,000米ドルの報酬を与えるとして買収していたという。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局がイラク・クルディスタン地域が欧州使節団の越境を認めなかったことを受け、スィーマルカー国境通行所を閉鎖(2021年6月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局がイラクとの国境を流れるティグリス川西岸にスィーマルカー国境通行所を閉鎖した。

閉鎖は、イラク・クルディスタン自治政府が、ティグリス川東岸のフィーシュハーブール国境通行所を経由してシリア領内の北・東シリア自治局支配地域に入ろうとした欧州使節団の越境を認めなかったことを受けたもの。

イラク・クルディスタン自治政府は6月21日に、フィーシュハーブール国境通行所を経由した往来を規制することを決定していた。

スィーマルカー国境通行所管理局は、その後声明を出し、6月28日に通行所を再開すると発表した。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ドゥマイル市、アドラー市、ダイル・アサーフィール市、カラムーン地方の反体制活動家のうち、シリア人の殺害に関与してなかったことが確認された住民34人が釈放される(2021年6月26日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、当局によって逮捕されていたドゥマイル市、アドラー市、ダイル・アサーフィール市、カラムーン地方の反体制活動家のうち、シリア人の殺害に関与してなかったことが確認された住民34人が釈放された。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県、ラッカ県各所を砲撃、アルーク村揚水所を閉鎖(2021年6月26日)

ハサカ県では、ANHA(6月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府の北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町西のM4高速道路沿線に位置するクーザリーヤ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた、占領下にある県北部のアルーク村揚水所を閉鎖し、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市および同市一帯地域への水道水供給を停止した。

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ラッカ県では、ANHA(6月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、占領下のタッル・アブヤド市近郊にあるシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域内のカズアリー村の穀物サイロ、クーバルラク村、アフィーダクウィー村、バルキータク村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市で、ダイル・ハーフィル市からの国内避難民(IDPs)とシリア国民軍所属のスルターン・ムハンマド・ファーティフ旅団の武装グループが交戦し、後者の戦闘員2人が死亡、複数が負傷した。

一方、トルコ占領下にあるジンディールス町のアザー国内避難民(IDPs)キャンプでは、住民どうしが撃ち合いとなり、3人が死亡した。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアフリーン市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、女児1人を含む住民3人死亡、YPGは関与を否定(2021年6月26日)

アレッポ県では、SANA(6月26日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市のカーワー・ハッダード交差点近く(ジーン・ガソリン・スタンド近く)で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、女児1人を含む住民3人が死亡、複数が負傷した。

シリア人権監視団によると、死亡した3人のうちの1人は、トルコの支援を受ける警察(いわゆる自由警察)の警部1人が死亡した。

死亡した警部はアレッポ県シャワーリガ村出身で、爆発はこの警部を狙ったものだという。

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この爆発に関して、人民防衛隊(YPG)の広報センターはただちに声明を出し、関与を否定した。

ANHA(6月26日付)が伝えた。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で37人(2021年6月26日)

保健省は政府支配地域で新たに37人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、6月26日現在の同地での感染者数は計25,365人、うち死亡したのは1,864人、回復したのは21,791人となった。

SANA(6月26日付)が伝えた。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地が複数のロケット弾を発射し、基地の近くで火災が発生、ダルアー県ではレバノンのヒズブッラー傘下の民兵の司令官が暗殺される(2021年6月26日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地が複数のロケット弾を発射し、基地の近くで火災が発生した。

ロケット弾の標的は不明。

一方、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるサルマー町を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方各所を砲撃した。

 

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村などを砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、ズィヤーラ町一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサイダー町でレバノンのヒズブッラー傘下の民兵組織の司令官1人が、正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

HFL(6月26日付)によると、殺害されたのは、アーリフ・ジャフマーニー司令官。

4月30日にも暗殺未遂に遭っていた。

ジャフマーニー司令官は、反体制武装集団の一つヤルムーク軍のメンバーとして活動していたが、2018年にシリア政府との和解に応じ、ヒズブッラー傘下の民兵組織に加わっていた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を36件(イドリブ県22件、ラタキア県7件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 26, 2021、ANHA, June 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2021、HFL, June 26, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2021、Reuters, June 26, 2021、SANA, June 26, 2021、SOHR, June 26, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民363人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は678,469人に(2021年6月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月26日付)を公開し、6月25日に難民363人(うち女性109人、子供185人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民363人(うち女性109人、子供185人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は678,469人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者283,221人(うち女性85,124人、子ども144,168人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,762,712人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は907,749人(うち女性272,400人、子供462,659人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は90,463人(うち女性33,724人、子供32,304人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,359,059人(うち女性416,283人、子供676,070人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2021をもとに作成。

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