トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がラッカ県北部のアリーダ村を砲撃し、シリア軍兵士1人死亡(2021年6月30日)

ラッカ県では、ANHA(7月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が6月30日深夜、トルコが占領するタッル・アブヤド市西に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のアリーダ村を砲撃し、シリア軍兵士1人が死亡した。

AFP, July 1, 2021、ANHA, July 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2021、Reuters, July 1, 2021、SANA, July 1, 2021、SOHR, July 1, 2021などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣は、トルコのチャヴシュオール外務大臣と会談し、イドリブ県に「非軍事地帯」を設置することを合意したと発表(2021年6月30日)

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、トルコのアンタルヤでメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と会談し、シリア、リビア、アフガニスタン、アルメニア・アゼルバイジャンの情勢などへの対応を協議した。

シリア情勢への対応に関して、ラヴロフ外務大臣は会談後、イドリブ県、ハマー県北西部、アレッポ県東部、ラタキア県北東部からなる緊張緩和地帯第1ゾーンに「非軍事地帯」を設置することを合意したことを明らかにした。

ラヴロフ外務大臣はまた、周辺国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援の経由地をイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所とハサカ県のヤアルビーヤ国境通行所の2カ所に拡大したうえで、その期間を2022年7月10日に延長するとしたノルウェーとアイルランドの国連安保理決議案について拒否するとしたうえで、ロシアは国際機関がシリア政府を通じて人道支援を行うことを求めると述べた。

一方、チャヴシュオール大臣も、アスタナ会議での合意を維持しつつ、新たな合意を交わすためにロシアと取り組んでいると述べた。

また、シリアの統合に脅威を及ぼすすべてのテロリストを掃討する必要があるとしたうえで、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)、その民兵である人民防衛隊(YPG)が依然としてシリ国内で勢力を維持していると非難した。

『シャルク・アウサト』(6月30日付)、デイリー・サバフ(6月30日付)などが伝えた。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、Daily Sabah, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、al-Sharq al-Awsat, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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英国のモートン欧州近隣南北アメリカ担当大臣がイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を視察訪問(2021年6月30日)

英国政府は声明を出し、ウェンディー・モートン欧州近隣南北アメリカ担当大臣が6月29日にイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を訪問し、同地での人道支援物資の搬入状況を視察したと発表した。

視察訪問は、7月10日に周辺諸国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援を認めた安保理決議第2165号が終了するのに合わせたもの。

英国は、米国などとともに、この決議の延長を求めている。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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ブリンケン米国務長官はローマでの国際会議でシリア政策の三つの目標を示す:越境(クロスボーダー)人道支援の期間延長、「テロとの戦い」、停戦維持(2021年6月30日)

『シャルク・アウサト』(6月30日付)は、イタリアのローマで6月29日に開催されたイスラーム過激派との戦闘をめぐる国際会議での非公開審議で、アントニー・ブリンケン米国務長官がシリアにおける米国の三つの目標を示したと伝えた。

同紙が複数筋の話しとして伝えたところによると、三つの目標は、①ロシアとの協議を通じた周辺国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援の期間延長、②ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」、③停戦の維持(米軍や有志連合が各所に部隊を駐留させているユーフラテス川東岸地域での戦闘回避)。

越境人道支援の期間延長について、ブリンケン国務長官は、ロシアが安保理決議第2165号の延長に応じない場合、シリア政府に対してさらなる制裁を課すことを示唆したという。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、al-Sharq al-Awsat, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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アサド大統領のいとこでビジネスマンのマフルーフ氏は新たなビデオ映像を配信、イラン主導による第3の携帯電話会社設立の動きを非難(2021年6月30日)

アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/RamiMakhloufSY/)を通じてビデオを公開し、支持者らに対して「戦争成金」が衰退していると伝える一方、シリア経済に対するイランのヘゲモニーに警戒するよう呼びかけた。

コーランにおける預言者ムーサーとフィルアウンの物語を引用した上で、マフルーフ氏は、支持者らが見たこともないことが起こり、彼らを救い、「戦争成金」は沈没するだろう、と述べた。

https://www.facebook.com/RamiMakhloufSY/posts/356887195789744

マフルーフ氏はまた、一部の「戦争成金」が今年上半期にシリアテル社が420億シリア・ポンドの収益を上げたと主張していることに関して、増収は「人民のポケット」から支払われたものだと批判した。

さらに、政府が、イランへの債務支払いを口実に、イランの主導のもとに第3の携帯電話会社を設立しようとしていると非難、「戦争成金」がこの新規事業を通じてシリアテル社の資産を掌握しようとしていると断じた。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がトルコが占領するタッル・アブヤド市近郊を砲撃(2021年6月30日)

ラッカ県では、ANHA(6月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、トルコが占領するタッル・アブヤド市近郊に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のアリーダ村、カズアリー村の穀物サイロ一帯、クーバルラク村、フッリーヤ村、ジャラン村などを砲撃した。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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シリア経済対外通商省は、湾岸諸国向けの食品を積んだ冷凍トレーラー多数がジャービル通行所で足止めを食っている問題でヨルダン内務省が通関業務を延長することに同意したと発表(2021年6月30日)

経済対外通商省は声明を出し、同省と駐ヨルダン・シリア大使館が、湾岸諸国(サウジアラビアなど)向けの食品を積んだ冷凍トレーラー多数が、ジャービル国境通行所(シリア側はダルアー県ナスィーブ国境通行所)で足止めを食っている問題をめぐって、ヨルダンの関係省庁と協議、ヨルダン内務省がジャービル通行所の通関業務を午後7時半まで延長することに同意したと発表した。

ヨルダンの内務省は、入国時のPCR検査態勢を強化するため、通商省、保健省と調整中だという。

SANA(6月30日付)が伝えた。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で36人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で46人

保健省は政府支配地域で新たに36人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、6月30日現在の同地での感染者数は計25,515人、うち死亡したのは1,876人、回復したのは21,825人となった。

SANA(6月30日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月30日に新たに46人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、36人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡1人、ハーリム郡4人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡15人、アフリーン郡15人、アアザーズ郡3人。

これにより、同地での感染者数は計25,661人、うち回復したのは22,492人、死亡したのは709人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1610085219196363/

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月30日に新たに46人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、36人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡1人、ハーリム郡4人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡15人、アフリーン郡15人、アアザーズ郡3人。

これにより、同地での感染者数は計25,661人、うち回復したのは22,492人、死亡したのは709人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1610085219196363/

AFP, June 30, 2021、ACU, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構がイドリブ市で1月に発生した武器販売店爆破事件に関与したシリア政府の工作員3人を逮捕(2021年6月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の治安部隊(総合治安機関)がフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/GE.SE.SE1/)を通じて、1月18日にイドリブ市のジャラー通りの武器販売店で発生した爆破事件に関与したシリア政府の工作員3人を逮捕したと発表、3人の顔写真を公開した。

https://www.facebook.com/GE.SE.SE1/posts/326833972399798

https://www.facebook.com/GE.SE.SE1/posts/326829715733557

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月30日付)によると、「決戦」作戦司令室が、アーフィス村一帯の支配地への潜入を試みたシリア軍に対して砲撃を加え、これを撃退した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるウンム・ワラド村で反体制武装集団の元メンバー1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県20件、ラタキア県12件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民317人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は679,701人に(2021年6月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月30日付)を公開し、6月29日に難民317人(うち女性92人、子供157人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民317人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は679,701人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者284,453人(うち女性85,494人、子ども144,796人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,766,326人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は908,981人(うち女性272,770人、子供463,287人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は91,221人(うち女性34,130人、子供32,397人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,359,817人(うち女性416,689人、子供676,163人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 30, 2021をもとに作成。

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