ブリンケン米国務長官はシリアでの新型コロナウイルス感染症の治療にかかる医薬品、機器にかかる制裁を解除したと発表(2021年6月29日)

アントニー・ブリンケン米国務長官は報道声明を出し、米国がシリアでの新型コロナウイルス感染症の治療にかかる医薬品、機器にかかる制裁を解除したと発表した。

また、シリア領内と周辺諸国の国内避難民(IDPs)やシリア難民に対して4億3600万ドルの追加の人道支援を行い、このうち9900万ドルを新型コロナウイルス感染症対策に充てることを明らかにした。

国務省が発表した。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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シャーム解放機構はジュヌード・シャームにイドリブ県からの退去を要請しているとの情報を否定(2021年6月29日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の広報関係局は、チェチェン人やレバノン人戦闘員から構成されるジュヌード・シャーム(ムスリム・アブー・ワリード・シーシャーニーが指導)に対して、イドリブ県から退去を要請し、そのための猶予を与えているとの情報が流れていることに関して、声明を出し、いきさつを明らかにした。

声明によると、シャーム解放機構は数ヶ月にわたり、治安案件にかかる犯罪者や指名手配者に対する治安作戦を続けているが、その過程で、一部犯罪者・指名手配者が、ジュヌード・シャームをはじめとする複数の小規模な組織に身を隠しおり、シャーム解放機構は、事態に対処するため、これらの組織の司令官と連絡をとり、犯罪者の引き渡しや処罰に協力するよう要請したという。

そのうえで、ジュヌード・シャームはこの要請に応じたと主張、追放を要請しているとの情報に根拠はないと強調した。

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シャーム解放機構の広報関係局長のタキーッディーン・​ウマル氏は、クルド民族主義系の複数のメディアが、イドリブ県でレバノン人記者とモーリタニア人記者の2人が拘束されていると報じていることに関して、これを否定した。

AFP, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市とシャーム解放機構支配下のイドリブ市でロシアがダルアー市の反体制武装集団元メンバーに個人で所有する武器の引き渡しを求めていることに抗議するデモ(2021年6月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市で、ロシア軍が6月23日からシリア政府との和解に応じたダルアー市在住の反体制武装集団の元メンバーらに対して、個人で所有する武器(小銃、機関銃など約200丁)の引き渡しを求めて、同市ダルアー・バラド地区とマハッタ地区にいたる街道を封鎖していることに抗議するデモが行われ、数十人が参加した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市でも同様のデモが発生した。

AFP, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県のフール・キャンプでイラク難民1人がダーイシュ・メンバーと思われるグループに銃で撃たれて死亡(2021年6月29日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第1区で、イラク難民1人がダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われるグループに銃で撃たれて死亡した。

AFP, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍は声明を出し、6月29日にウマル油田にある米主導の有志連合の基地が「イランの民兵」の砲撃を受けたことに関して、「我が軍の前線基地」が狙われたと発表(2021年6月29日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、国内最大のウマル油田に設置されている米主導の有志連合に対する「イランの民兵」の砲撃に関して声明を出した。

声明の内容は以下の通り。

北・東シリア現地時間の昨晩7時45分、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いのため、ダイル・ザウル県ウマル油田地区に設置されている我が部隊の前線軍事基地複数カ所が危険なロケット弾攻撃に晒されたが、物的被害を受けるにとどまった。
我が部隊は周辺地区において複数の予防的作戦を実施し、テロ組織ダーイシュのセルがいかなる活動を行うことも阻止した。

ANHA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍はラッカ県、アレッポ県、ハサカ県各所を砲撃(2021年6月29日)

ラッカ県では、ANHA(6月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、トルコが占領するタッル・アブヤド市近郊に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のビール・キータク村、アリーダ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(6月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバカ村などを砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市近郊のタルヒーン村で部族どうしが撃ち合いとなり、2人が死亡した。

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ハサカ県では、SANA(6月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町一帯を砲撃した。

AFP, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で37人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で45人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で45人(2021年6月29日)

保健省は政府支配地域で新たに37人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者9人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、6月29日現在の同地での感染者数は計25,479人、うち死亡したのは1,873人、回復したのは21,817人となった。

SANA(6月29日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月29日に新たに45人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、41人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡5人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡1人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡11人、アフリーン郡24人、アアザーズ郡2人。

これにより、同地での感染者数は計25,615人、うち回復したのは22,456人、死亡したのは709人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1609580165913535

AFP, June 29, 2021、ACU, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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ロシア国防省は「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件、シリア政府は36件、トルコは25件と発表(2021年6月29日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県20件、ラタキア県8件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を25件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 29, 2021、ANHA, June 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2021、Reuters, June 29, 2021、SANA, June 29, 2021、SOHR, June 29, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民291人と国内避難民(IDPs)334人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は679,394人、2019年以降帰還したIDPsは91,221人に(2021年6月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月29日付)を公開し、6月28日に難民291人(うち女性88人、子供148人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民291人(うち女性88人、子供148人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は679,394人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者284,146人(うち女性85,402人、子ども144,639人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,762,712人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は908,674人(うち女性272,678人、子供463,130人)となった。

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一方、国内避難民334人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは332人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は2人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は91,221人(うち女性34,130人、子供32,397人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,359,817人(うち女性416,689人、子供676,163人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2021をもとに作成。

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