シリア民主軍がハサカ県で、トルコとシリア国民軍がアレッポ県で密売目的で遺跡盗掘を続ける(2021年6月23日)

ハサカ県のハーリド・アフムー遺跡博物館局長は、ハサカ市近郊の北・東シリア自治局支配地域内にあるタッル・アブー・バクル遺跡とラジュマーン遺跡の2カ所で、武装グループ(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)が6月21日から違法な発掘作業を行っていると発表した。

アフムー局長によると、両遺跡はこれまでにも盗掘被害に遭っており、シリア民主軍をはじめとする武装グループが、米軍やトルコの傭兵(シリア国民軍)が管理する国境通行所を経由して盗掘した遺跡を密輸しようとしていると非難した。

両遺跡に近いファラーフ村の複数の情報筋によると、武装グループは住民が遺跡に接近できないようにして、盗掘作業を進めているという。
SANA(6月23日付)が伝えた。

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ANHA(6月23日付)は、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍所属の東部自由人連合の「傭兵」が、トルコ占領下のアレッポ県アフリーン郡ジンディールス町近郊のクルバ村にある遺丘を重機などを用いて掘削し、ブラックマーケットや欧州での密売目的とした遺跡の盗掘を続けている伝えた。

盗掘作業では、オリーブの樹木数十本が伐採され、村の墓地も破壊されたという。

またジンディールス町の消息筋によると、同地の「入植者と傭兵」が町内の遺丘で盗掘目的の発掘作業を始めたという。

AFP, June 23, 2021、ANHA, June 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2021、Reuters, June 23, 2021、SANA, June 23, 2021、SOHR, June 23, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がヒムス県東部の砂漠地帯でダーイシュを狙って40回以上の爆撃を実施(2021年6月23日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が県東部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)を狙って40回以上の爆撃を実施した。

一方、ダーイシュはタドムル市近郊の砂漠地帯(ワーディー・アブヤド地区)でシリア軍部隊を要撃し、兵士2人を殺害、7人を負傷させた。

AFP, June 23, 2021、ANHA, June 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2021、Reuters, June 23, 2021、SANA, June 23, 2021、SOHR, June 23, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市郊外、マンビジュ市北東を砲撃(2021年6月23日)

アレッポ県では、ANHA(6月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市郊外、同市近郊のアイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市北東のフーシャリーヤ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフタリーン市近郊のバールーザ村で住民どうしが撃ち合いとなり、1人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市で、シリア国民軍所属のハムザ師団を離反した武装グループが、シリア国民軍憲兵隊や同軍所属の武装集団と交戦し、複数が負傷した。

AFP, June 23, 2021、ANHA, June 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2021、Reuters, June 23, 2021、SANA, June 23, 2021、SOHR, June 23, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県フール・キャンプでイラク人難民1人がダーイシュ・メンバーと思われるグループに銃で撃たれて死亡(2021年6月23日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第3区で、イラク人難民1人がダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われるグループに銃で撃たれて死亡した。

フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるスワイダーン・ジャズィーラ村でオートバイに乗ったダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる2人組が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍兵士1人に発砲し、殺害した。

AFP, June 23, 2021、ANHA, June 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2021、Reuters, June 23, 2021、SANA, June 23, 2021、SOHR, June 23, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で43人、北・東シリア自治局支配地域で39人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で59人(2021年6月23日)

保健省は政府支配地域で新たに43人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者10人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、6月23日現在の同地での感染者数は計25,248人、うち死亡したのは1,855人、回復したのは21,766人となった。

SANA(6月23日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに39人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者3人が完治したと発表した。

これにより、6月23日現在の同地での感染者数は計18,435人、うち死亡したのは761人、回復したのは1,861人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性18人、女性21人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市8人、カーミシュリー市2人、マーリキーヤ(ダイリーク)市5人、ダルバースィーヤ市1人、フール・キャンプ1人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市3人、マンビジュ市2人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)1人、ラッカ県のラッカ市10人、タブカ市6人。

ANHA(6月23日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月23日に新たに59人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、35人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡5人、ハーリム郡20人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡2人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡7人、アフリーン郡12人、アアザーズ郡5人。

これにより、同地での感染者数は計25,367人、うち回復したのは22,204人、死亡したのは707人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1604953513042867/

AFP, June 23, 2021、ACU, June 23, 2021、ANHA, June 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2021、Reuters, June 23, 2021、SANA, June 23, 2021、SOHR, June 23, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県とアレッポ県のトルコ軍拠点を狙って砲撃、女性1人死亡、トルコ軍兵士2人負傷(2021年6月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のカンスフラ村近郊のバドラーン丘にあるトルコ軍の拠点を砲撃し、トルコ軍兵士3人が負傷した。


ザマーン・ワスル(6月23日付)によると、シリア軍はレーザー誘導ミサイルでトルコ軍拠点を狙った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

https://twitter.com/mzmgr941/status/1407266109926039552

シリア軍はまた「決戦」作戦司令室支配下のアーフィス村を砲撃し、子供1人を含む4人が死亡、6人が負傷した。

砲撃は、アーフィス村の墓地で葬儀が行っていた住民を狙って行われたという。

これに対して、トルコ軍と「決戦」作戦司令室は、政府の支配下にあるサラーキブ市一帯のシリア軍拠点、カフルナブル市を砲撃した。

また、サラーキブ市北のM5高速道路沿線一帯では、トルコ軍、「決戦」作戦司令室とシリア軍の間で重火器による砲撃戦が行われ、約1時間にわたって道路が不通となった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のアターリブ市に設置されているトルコ軍の拠点一帯を砲撃し、女性1人が死亡、子供1人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサフム・ジャウラーン村とジッリーン村を結ぶ街道で、シリア政府との和解に応じたムウタッズ・ビッラー旅団の元戦闘員2人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県19件、ラタキア県19件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を28件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 23, 2021、ANHA, June 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2021、Reuters, June 23, 2021、SANA, June 23, 2021、SOHR, June 23, 2021、Zaman al-Wasl, June 23, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民315人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は677,460人に(2021年6月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月23日付)を公開し、6月22日に難民315人(うち女性95人、子供160人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民315人(うち女性95人、子供160人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は677,460人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者282,212人(うち女性84,821人、子ども143,654人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,762,712人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は906,740人(うち女性272,097人、子供462,145人)となった。

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一方、国内避難民313人が新たに帰宅した。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は90,157人(うち女性33,586人、子供32,255人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,358,753人(うち女性416,145人、子供676,021人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2021をもとに作成。

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