民主統一党のムスリム党首「シリアのバアス党政権と関係などない…。いわゆる穏健な反体制派はマイノリティに対して極端な見解を持っている」(2015年4月21日)

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、英下院外交委員会の報告書「イラク・クルディスタン地域への英国政府の政策」(2015年1月21日、http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201415/cmselect/cmfaff/564/564.pdf)に関して、『ハヤート』(4月22日付)に書面で「我々の党を不公平なかたちで批判している」と回答した。

アサド政権とつながりがあり、「穏健な反体制派」との協力を完全に拒否する民主統一党への支援は極めた困難だと指摘したこの報告者に関して、ムスリム共同党首は「我々は、シリアのバアス党政権とは直接、間接の関係はない…。我々は2004年のカーミシュリー市での蜂起以来、アサド政権に反対している…。人民防衛隊、女性防衛部隊、民主統一党は、アレッポ県、ハサカ県の支配地域でシリア軍と衝突している」と述べた。

また「民主統一党とクルド民族主義諸政党は、過去も現在も穏健な反体制派と協力する用意がある。しかし、いわゆる穏健な反体制派は、クルド人などのマイノリティに対して極端な見解を持っている。にもかかわらず、我々の党、そして人民防衛隊は、自由シリア軍、ユーフラテスの火山作戦司令室の部隊、ラッカ革命家運動とコバネ(アイン・アラブ)市の防衛戦で協力してきた」と強調した。

一方、英下院報告書がトルコのクルディスタン労働者党(PKK)との関係を懸念材料としてあげたことに関しては「我々の党はシリアの独立した正統で、独立した司令部、意思決定を行っている。我々の党は、イラク・クルディスタン民主党、イラク・クルディスタン愛国同盟、クルディスタン労働者党(PKK)など、中東地域のすべての主要な(クルド民族主義)政党と強力で台頭な関係を維持している…。PKKと組織的な関係はないと我々は英国政府に何度も行ってきた」。

また報告書が「多元主義と人権」の尊重の必要を強調していることについては「報告書はロージュアーヴァー(西クルディスタン)移行期民政局を無視している…。民政局は多元主義と公正の原則に基づいており、アラブ人、クルド人、キリスト教徒、アッシリア教徒、アルメニア教徒といったロージュアーヴァーのすべての社会成員を包摂している」と述べた。

AFP, April 21, 2015、AP, April 21, 2015、ARA News, April 21, 2015、Champress, April 21, 2015、al-Hayat, April 22, 2015、Iraqi News, April 21, 2015、Kull-na Shuraka’, April 21, 2015、al-Mada Press, April 21, 2015、Naharnet, April 21, 2015、NNA, April 21, 2015、Reuters, April 21, 2015、SANA, April 21, 2015、UPI, April 21, 2015などをもとに作成。

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