シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点バーブ市を再び爆撃し、住民30人以上が死亡、ダーイシュはハサカ市南部で5回にわたり自爆攻撃(2015年7月13日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月13日付)によると、シリア軍ヘリコプターがダーイシュ(イスラーム国)主要拠点の一つバーブ市に「樽爆弾」8発を投下し、住民35人が死亡、50人以上が負傷した。

シリア人権監視団によると、死亡したのは女性6人、子供1人を含む16人、また40人以上が負傷し、10人が行方不明となっているという。

「樽爆弾」による空爆は、バーブ市内のスィナーア学校、ウマル・モスク、ジャバル病院、灯油市場などが位置する住宅街に対して行われたという。

一方、SANA(7月13日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ダーイシュ(イスラーム国)バラカ州広報局が12日晩、ハサカ市南部郊外のアフダース刑務所をシリア軍との交戦の末に制圧したと発表した。

声明によると、ダーイシュは、ハサカ市南東部のファッラーハ地区のシリア軍拠点を爆弾を積んだ自動車3台で自爆攻撃を行い、またパノラマ交差点地区のシリア軍拠点に対しても車1台を特攻させたほか、アズィーズィーヤ地区では西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に対して爆弾を積んだ自動車1台で自爆攻撃を行った。

クッルナー・シュラカー(7月13日付)によると、ダーイシュはこれら5回におよぶ自爆攻撃などで、シリア軍、国防隊の支配下にあったヴィーラート・ハムル地区を制圧したという。

なお、ハサカ市内ではこのほかにも、東ヌシューワ地区、マディーナ・リヤーディーヤ地区一帯、SADCOP地区、工業学校、東グワイラーン地区、アガーワート地区などでダーイシュとシリア人、国防隊、人民防衛隊が交戦した。

ARA News(7月13日付)によると、これに対してシリア軍がアフダース刑務所一帯のダーイシュ拠点を複数回にわたり空爆した。

他方、SANA(7月13日付)によると、ミールビーヤ連隊(第121連隊)基地一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の車列を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市周辺に展開するシリア軍拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が攻撃し、両者が交戦した。

またクッルナー・シュラカー(7月13日付)は、タドムル市西部でのダーイシュとの戦闘でシリア軍のユースフ・マフムード・ハサン大佐とワスィーム・イブラーヒーム・マンスール中佐が死亡したと伝えた。

一方、SANA(7月13日付)によると、シリア軍がタドムル市とワーディー・アブヤド・ダム一帯を結ぶ三角地帯西部、柑橘農園一帯、グナイマート村、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、アブー・ジャリース村、シャンダーヒーヤ村、ジャハーブ・ハマド村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、ダーイシュ(イスラーム国)ハマー州広報局が、戦闘員養成のための第6期教練コースが修了したと発表し、修了式の写真を公開した。

Kull-na Shuraka', July 13, 2015

Kull-na Shuraka’, July 13, 2015

一方、SANA(7月13日付)によると、クライブ・サウル村、ティバーラト・ディーバ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月13日付)によると、ジャフラ村、バクジャジー農園(ダイル・ザウル航空基地近郊)をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、7月13日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、ハサカ市近郊(2回)、アレッポ市市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, July 13, 2015、AP, July 13, 2015、ARA News, July 13, 2015、Champress, July 13, 2015、al-Hayat, July 14, 2015、Iraqi News, July 13, 2015、Kull-na Shuraka’, July 13, 2015、al-Mada Press, July 13, 2015、Naharnet, July 13, 2015、NNA, July 13, 2015、Reuters, July 13, 2015、SANA, July 13, 2015、UPI, July 13, 2015などをもとに作成。

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