クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ゴラン高原のハドル村で、イスラエル軍機がヒズブッラー・メンバーと地元の人民諸委員会メンバーが乗った車を空爆し、ヒズブッラー・メンバー3人と人民諸委員会メンバー2人が死亡した。
マナール・チャンネル(7月29日付)は、この空爆に関して、イスラエル軍偵察機がハドル村入口で車を攻撃し、国防諸委員会(人民諸委員会)のメンバー2人が死亡したと伝えた。
ハドル村は、ゴラン高原の兵力引き離し線上、クナイトラ市の北約10キロに位置する村で、ドゥルーズ派が多く暮らしている。
イスラエル軍報道官はこの攻撃に関するコメントを今のところ差し控えている。
一方、シリア・アラブ・テレビ(7月29日付)は、軍消息筋の話として、イスラエル軍機が、シリア・レバノン国境地帯にあるPFLP-GC(パレスチナ人民解放戦線総司令部派)の拠点の一つを空爆した、と伝えた。
また、SANA(7月29日付)は、シャームの民のヌスラ戦線などのタクフィール主義組織へ支援の一環として、イスラエル軍機がハドル村近郊で自動車1台とシリア・レバノン国境地帯のPFLP-GC拠点を空爆したと伝えた。
SANAによると、ハドル村近郊への空爆は午前10時45分頃に行われ、シリア軍とともにヌスラ戦線と対決してきたハドル村住民3人が死亡し、またPFLP-GC拠点に対する空爆は、午後3時15分頃に行われ、PFLP-GCメンバー6人が負傷したという。
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シリア人権監視団によると、イスラエル軍による攻撃の直後、ハドル村近郊のハムリーヤ丘一帯で、シリア軍、国防隊が、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(7月29日付)によると、ジャバーター・ハシャブ村、ハミーディーヤ村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, July 29, 2015、AP, July 29, 2015、ARA News, July 29, 2015、Champress, July 29, 2015、al-Hayat, July 30, 2015、Iraqi News, July 29, 2015、Kull-na Shuraka’, July 29, 2015、al-Mada Press, July 29, 2015、Naharnet, July 29, 2015、NNA, July 29, 2015、Qanat al-Manar, July 28, 2015、Reuters, July 29, 2015、SANA, July 29, 2015、UPI, July 29, 2015などをもとに作成。
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