トルコ軍偵察部隊はアル=カーイダ系組織のシャーム解放機構の護衛を受け、シリア領内に進行、ロジャヴァ支配地域に隣接するアレッポ県ダーラト・イッザ市に入る(2017年10月8日)

クッルナー・シュラカー(10月8日付)、ANHA(10月8日付)が複数の活動家の話として伝えたところによると、トルコ軍部隊(偵察部隊)が、イドリブ県のアティマ村に開設されている国境通行所を経由して、シリア領内に入り、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の拠点都市の一つアレッポ県のダーラト・イッザ市に入った。

トルコ軍部隊は3台の車輌に分乗して、シリア領内に進入、シャーム解放機構の武装した車輌複数輌がこれを護衛するかたちで随行した。

フェイスブックで公開された映像(https://www.facebook.com/100010433896954/videos/502145910143201/)には、トルコ軍部隊に随行するシャーム解放機構の車輌に黒旗が写っている。

Facebook, October 8, 2017

Facebook, October 8, 2017



イドリブ県情勢に詳しい複数の信頼できる消息筋によると、トルコはシャーム解放機構の代表と6日に会合を持ち、シャーム解放機構はトルコ軍にアフリーン市一帯とダーラト・イッザ市一帯、イドリブ県の拠点複数カ所を引き渡すことに同意したという。

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なお、アレッポ市西方に位置するダーラト・イッザ市は西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区(北シリア民主連邦アフリーン地域)に隣接しており、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)の渉外委員会のダーラー・ムスタファー委員長は、シャーム解放機構を随行してトルコ軍がイドリブ県、アレッポ県に進攻したことに関して、「クルド人が地中海に到達するのを阻み、アフリーン地区を包囲するのが真の狙いだ」と批判した。

Basnews(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2017、ANHA, October 8, 2017、AP, October 8, 2017、ARA News, October 8, 2017、Basnews , October 8, 2017、Champress, October 8, 2017、al-Hayat, October 9, 2017、Kull-na Shuraka’, October 8, 2017、al-Mada Press, October 8, 2017、Naharnet, October 8, 2017、NNA, October 8, 2017、Reuters, October 8, 2017、SANA, October 8, 2017、UPI, October 8, 2017などをもとに作成。