サウジアラビアの首都リヤドで22日に開幕した反体制派全体会合(リヤド2会合)は閉幕声明を採択して閉会した。
『ハヤート』(11月24日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(11月23日付)によると、閉幕声明の骨子は以下の通り:
1. 領土の統一性と平和、主権維持に専心することを確認する。シリアが、地方分権の原則に基づく民主的政体の多民族・多文化国家であるよう専念すると表明する。シリア人と国際社会の責任において政治移行プロセスが行われることを強調する。
2. 移行期統治機関にかかるジュネーブ合意(2012年)の文言に従い、交渉における反体制派の姿勢の「限度」を守ることを表明する。
3. 移行期間の開始時に、バッシャール・アサド、政権幹部が権力の座から去ることなしにこのことが実現し得ないことを強調する。
4. 移行期における独裁体制との関係正常化は、政治交渉プロセスのさらなる混乱をもたらすだけでなく、さらなる民間人の犠牲をもたらすことになる。
5. 国連に対し、政治プロセス活性化とジュネーブ会議の再開に向けた措置を講じることを求めるとともに、ジュネーブ合意および関連する諸決定に基づき、国連主催したで統一反体制派代表団とシリア政府代表団による無条件の直接対話を行うことを主唱する。
6. 緊張緩和地帯にかかる合意の効率的で断固とした実施と、政権およびその同盟者による違反の抑止を要求する。この合意は、政治プロセスへの真摯な取り組みが伴われる、公正な政治解決に至らなければ、より深刻なかたちでの紛争の悪化をもたらすことを強調する。
7. あらゆるかたちの過激主義、テロ、地域諸国、諸外国の干渉を拒否、とりわけ、地域の治安と安定を揺るがし、その人口動態的な改編をもたらし、国家テロ、宗派主義的外国人民兵のテロなどのテロを拡散しようとするイランの役割を拒否する。
8. シリア政府による国際法で禁じられた大量破壊兵器の使用を非難する。
9. 最高交渉委員会の組織構造、委員会内の諸組織にかかるリストを承認するとともに、その代表者を指名し、交渉代表団の任務を付託する。
10. シリア政府の代表団との交渉を行う交渉代表団を設置すること、そしてそのメンバーが移行期統治機関およびそこから派生する諸機関に参画する権利を有さないことに合意する。
シリア革命反体制勢力国民連立の副代表のアブドゥルバースィト・ハンムー氏によると、再編される最高交渉委員会の代表団は30人から33人によって構成されるとともに、20日に辞任したリヤード・ヒジャーブ元首相に代わる新たな代表(総合調整役)が選出されるという。
これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ラマダーン広報局長はAFP(11 月23日付)に対して、「カイロ・プラットフォーム」が最高交渉委員会の一部になった」と述べ、「リヤド・プラットフォーム」と「カイロ・プラットフォーム」が糾合したことを明らかにした。
一方、会合への参加を直前に見合わせた「モスクワ・プラットフォーム」の代表を務めるカドリー・ジャミール前副首相は、「代表間の平等が維持された統一代表団の結成をめざすことになり、現在そのための検討がなされている」と述べた。
AFP, November 23, 2017、ANHA, November 23, 2017、AP, November 23, 2017、ARA News, November 23, 2017、Champress, November 23, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 22, 2017、November 23, 2017、al-Hayat, November 24, 2017、al-Mada Press, November 23, 2017、Naharnet, November 23, 2017、NNA, November 23, 2017、Reuters, November 23, 2017、SANA, November 23, 2017、UPI, November 23, 2017などをもとに作成。
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