『エルサレム・ポスト』(7月23日付)は、イスラエル政府高官の話として、イスラエルが23日、ゴラン高原の停戦ラインから100キロ以上離れたシリア領内でのイランの部隊の駐留を維持するとのロシア側の申し出を拒否した、と伝えた。
この高官は匿名を条件に、「この問題はベンヤミン・ネタニヤフ首相と、(23日にイスラエルを訪問した)セルゲイ・ラブロフ外務大臣を団長とするロシア使節団との会合で話題となった…。ネタニヤフ首相は、「イランが国境から100キロ以上の地域で地位を確保することを認めない」と伝えたという。
ネタニヤフ首相はまた、ロシア側に対して、シリア国内でのイスラエル軍の活動の自由と、シリアからの長距離攻撃兵器の排除を要求したという。
これに関して、タイムズ・オブ・イスラエル(7月24日付)は、イスラエル匿名消息筋の話として、イスラエル側は、イランがシリア国内に軍事拠点を置くことを認めないとの姿勢を強く示し、シリアからのすべての長距離ミサイルの撤去、誘導式ミサイル生産施設の閉鎖、これらの兵器を防衛するための防空システムの撤去、イランの武器密輸を阻止するための国境封鎖、をロシア側に提案したと伝えた。
AFP, July 23, 2018、ANHA, July 23, 2018、AP, July 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 23, 2018、al-Hayat, July 24, 2018、The Jerusalem Post, July 23, 2018、Reuters, July 23, 2018、SANA, July 23, 2018、The Times of Israel, July 24, 2018、UPI, July 23, 2018などをもとに作成。
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