ロイター通信:ダーイシュはシリアとイラクで戦闘員の再組織、標的の選定、武器の分配、リクルートや宣伝活動を再開している(2025年6月12日)

ロイター通信は、シリア、イラク、米国、欧州の20人以上の安全保障・政治関係者や外交官に取材、ダーイシュ(イスラーム国)が戦闘員の再組織、標的の選定、武器の分配、リクルートや宣伝活動を再開しているとして復活の可能性に警鐘を鳴らしていると伝えた。

記事では、ダーイシュが、シリアとイラクで戦闘員の再活性化を開始しているとしたうえで、外国人戦闘員がシリアに渡航し、武装組織に加わる可能性があることに対し、懸念が高まっているとしている。
また、複数の国の諜報機関は、過去数ヵ月で少数の外国人戦闘員が欧州からシリアに向かうのを初めて確認したが、それがダーイシュによる勧誘か、別組織によるものかは判明していないという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

前政権時代の国防隊司令官の1人ファーディー・サクル:「国防隊の司令官に任命されたのはタダームン区での虐殺の後だった」(2025年6月12日)

2023年4月にダマスカス県タダームン地区で発生した虐殺に関与したとされ、アフマド・シャルア移行期政権の司法当局に拘束された前政権時代の国防隊司令官の1人ファーディー・サクル氏は、『ニューヨーク・タイムズ』の取材に応じ、自身が国防隊の司令官に任命されたのは、虐殺の後だったとして、事件への関与を否定した。

発言は、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員(シャーム自由人イスラーム運動元司令官、シリア解放戦線元司令官)が10日の記者会見で、サクル氏が釈放されたと発表したのを受けたもので、サクル氏は「内務省が私に不利な証拠を持っていたなら、私は今でも現政権とともに働いているはずがない」と容疑を否定、そのうえで「正当な法的手続きを前提に、いかなる司法判断にも従う用意がある」と表明した。

サクル氏はまた、自身がアラウィー派で、国防隊の指揮官であったことで、前政権の支持者を説得し、シャルア移行期政権から離反させないようにする「信頼の裏付け」になっていると述べた。

そのうえで、「革命派が、彼ら(旧政権側)をパートナーとして受け入れるかどうかが、根本的な問題だ…。ファーディー・サクルという名前こそが、紛争の当事者どうしが共存可能かどうかを測る試金石なのだ」と付言した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャルア暫定大統領は2025年政令第88号を施行、前政権時代のテロ法廷で勤務していた67人の判事に対し高等司法評議会が科した罷免処分を実施(2025年6月12日)

法務省はフェイスブックを通じて声明を出し、アフマド・シャルア暫定大統領が2025年政令第88号を施行、前政権時代のテロ法廷で勤務していた67人の判事に対し、高等司法評議会が科した罷免処分の実施が決定されたとしたうえで、高等司法評議会の決定の妥当性を確認した。

**

シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権の司法当局は、テロ法廷の複数の判事らを拘束した。

これらの判事は、司法大臣の呼び出しを受けて業務の進捗確認のために出頭していた。

関係筋によると、逮捕された判事少なくとも18人の身元が確認されており、彼らの資産および財産も差し押さえられた。

さらに情報筋によると、逮捕された判事が拘束中に暴行、侮辱、罵倒などの扱いを受けたという。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジョー・ウィルソン米下院議員はシーザー法に基づくシリアへの制裁の全面解除を定めた法案を提出したと発表(2025年6月12日)

ジョー・ウィルソン米下院議員(共和党)はXを通じて、シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)に基づくシリアへの制裁の全面解除を定めた法案を提出したと発表した。

発表の内容は以下の通り。

シリアへの制裁解除に尽力してくれた米国駐トルコ大使に感謝している。

本日、私はジミー・パネッタ議員、マーリン・スタッツマン議員、ルー・コレア議員、ジャック・バーグマン議員、そしてプラミラ・ジャヤパル議員とともに、超党派の法案を提出した。
この法案は、「シーザー法」とそれに基づくシリアへの制裁を全面的に撤廃するものだ!

(C)青山弘之 All rights reserved.

首都ダマスカスのウマウィーイーン広場で、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員の10日の記者会見に反発する活動家らが戦争犯罪の加害者の責任追及を求めるデモ(2025年6月12日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ウマウィーイーン広場で、シリアでの戦争犯罪の加害者の責任追及を求めるとともに、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員(シャーム自由人イスラーム運動元司令官、シリア解放戦線元司令官)による6月10日の記者会見を、人権侵害の正当化や加害者のイメージ洗浄の試みであるとして非難した。

これと関連して、行方不明者の家族や人権活動家らも、同様の要求を掲げて首都ダマスカスの司法省前で抗議行動を行った。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県アアザーズ市で、治安部隊が「オリーブの枝」地域内のジンディールス町近郊のハーリターン村に帰郷しようとした若い男性1人を逮捕(2025年6月12日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カムハーナ村で正体不明の武装グループが前政権参加の民兵のメンバーと見られる男性1人を銃で撃ち、殺害した。

また、ニーサーフ村で内務省総合治安局が旧シリア軍の准将で、アフマド・シャルア移行期政権による社会復帰手続きを済ませていた男性1人を含む3人を逮捕した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装グループがカフル・ナースィジュ村で人身売買に関与していると見られる男性を自宅前で銃で撃ち殺害した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアアザーズ市で、治安部隊が「オリーブの枝」地域内のジンディールス町近郊のハーリターン村に帰郷しようとした若い男性1人を逮捕した。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スィーラト・ウルヤー村で治安部隊の制止を無視した若い男性2人が撃たれ、1人が死亡した。

また、ニムラト・カルヤー村では、何者かが30歳代の男性を銃で撃ち殺害した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市近郊のシャーティー・アズラクに向かう街道で旅客バスが何者かの銃撃を受け、女性1人が死亡、この女性の夫と子どもたちが負傷した。

これに関して、SANAは13日、内務省治安部隊がシャーティー・アズラクに向かう街道で違法行為を行っていた集団を追跡し、これにより2人が死亡したと伝えた。

シリア人権監視団によると、14日に負傷していた女性1人が新たに死亡、死者数は2人となった。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジッリーン村で内務省総合治安局の車輌を中央委員会傘下の武装グループが襲撃、隊員1人が死亡した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ミスヤーフ市に至る橋(ミスヤーフ橋)近くで2週間前に何者かによって誘拐されていたムフターリーヤ村出身の46歳の男性が遺体で発見された。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で前政権の協力者と見られる男性が、ダイル・ザウル市労働者住宅地区でオートバイに乗った武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市郊外でアラウィー派の25歳の男性が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・テレビ:米国務省はニューヨークの国連におけるシリア常駐代表部の分類を変更し、米国が承認する政府の代表部として扱うこととする(2025年6月12日)

トルコを拠点とするテレビ・チャンネルのシリア・テレビは、情報筋の話として、米国務省がニューヨークの国連におけるシリア常駐代表部の分類を変更し、米国が承認する政府の代表部として扱うことにしたと伝えた。

米政府は4月に国連を通じて、シリア常駐代表部の法的地位を「国連加盟国の代表部」から、「米国が承認していない政府の代表部」に変更すると通知、シリアの外交官に対して発給するビザをG1(米国が承認した政府の外交官に発給されるビザ)からG3(非承認政府の代表に発給されるビザ)に変更することを決定していた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米中央軍は6月10日にシリア北西部で精密爆撃を実施し、シリアを拠点とするダーイシュ(イスラーム国)の幹部の1人のラヒム・ボエフ容疑者を殺害したと発表(2025年6月12日)

米中央軍はXを通じて、6月10日にシリア北西部で精密爆撃を実施し、シリアを拠点とするダーイシュ(イスラーム国)の幹部の1人で、米国および協力国の市民らを狙った対外作戦の立案に関与していたラヒム・ボエフ容疑者を殺害したと発表した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合がシリア民主軍の支援を受けて、11日深夜から12日未明にかけて県北部でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーがいると思われる拠点1ヵ所への空挺作戦を実施、3人を逮捕した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受けて、シュハイル村でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーと見られる男性1人を逮捕した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市で何者かが若い男性1人を銃で撃ち殺害した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アブー・カスラ国防大臣は、シリアを訪れたトルコのギュラク軍参謀総長およびその随行団と首都ダマスカスで会談(2025年6月12日)

SANAによると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、シリアを訪れたトルコのメティン・ギュラク軍参謀総長およびその随行団と首都ダマスカスで会談し、両国の利益に資する共通の関心事および軍事協力の強化について協議した。

アブー・カスラ国防大臣はまた、国防省庁舎でパキスタンのオマル・ハヤート・カーン臨時代理大使およびアーシフ・アクラム・ヌーン顧問と会談した。

**

SANAによると、ヒンド・カバワート社会問題労働大臣が率いる代表団がスイスのジュネーブで開催中の第113回国際労働会議の「社会正義のためのグローバル連合フォーラム」に参加した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はダマスカス郊外県のバイト・ジン村を襲撃、民間人1人を殺害、ハマースの破壊工作員7人を逮捕(2025年6月12日)

内務省はフェイスブックなどを通じて、イスラエル軍がダマスカス郊外県のバイト・ジン村を襲撃、民間人1人を殺害、7人を逮捕したと発表した。

内務省によると、12日未明、戦車、兵員輸送車、歩兵部隊からなるイスラエル軍部隊が、無人偵察機の航空支援を受けてバイト・ジン村に侵入、民家への強制捜索と逮捕を実施し、7人を拘束、また住民に向けて発砲を行い民間人1人を殺害したという。

これを受けて、外務在外居住者省は声明を出し、イスラエルの侵攻を非難、国際社会に対し、イスラエルの度重なる攻撃を止めるための断固とした措置を求めた。

**

シリア人権監視団によると、イスラエル軍の大規模部隊は、無人航空機の航空支援を受けて、多数の軍用車輛を伴い、11日深夜から12日未明にかけてバイト・ジン村に多方面から侵攻し、攻撃目標地点を包囲し、封鎖、拡声器で指名手配者の名前を読み上げ、その後7人を拘束、その際若い男性1人を銃殺した。

イスラエル軍がダマスカス郊外県でこうした大規模な作戦を実施するのは、今回が初めて。

**

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はXを通じて以下の通り発表し、ハマースのメンバーを標的としたものであることを明らかにした。

速報:夜間の特殊作戦で、シリアでハマースのテロ組織の破壊工作員を逮捕。
イスラエル軍第210師団の指揮下にあるアレクサンドロニ旅団第3部隊は昨夜、シリアのバイト・ジン村地域で活動していたハマースのテロ組織の工作員を逮捕する作戦を完了させた。
これは、過去数週間にわたり収集された諜報情報に基づいて実施されたもので、イスラエル軍による精密な夜間作戦の一環として複数の工作員を逮捕、彼らは、イスラエル国民およびイスラエル軍部隊に対する複数のテロ計画を進めようとしていた。
逮捕された工作員は、今後の取り調べのためにイスラエル国内に移送され、軍の第504部隊によって尋問される予定である。
また、作戦地域において、自動小銃、弾倉、さまざまな種類の弾薬などの武器類が発見・押収された。
イスラエル軍は、イスラエル国民およびゴラン高原住民へのあらゆる脅威を排除するための活動を継続している。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊がクードナ村の農地に放火した。

また、四輪駆動車5台からなる部隊がブライカ村に侵入した。

(C)青山弘之 All rights reserved.