米中央軍(CENTCOM)は、11月14日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は6回、ハサカ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、フール町近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。
CENTCOM, November 15, 2015をもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市内各所を空爆した。
また、ARA News(11月14日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がタッル・アブヤド市に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクワイリス航空基地一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を砲撃し、ダーイシュと交戦した。
一方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにラスム・アッブード村、ICARDA周辺の農場地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。
シリア軍はまた、ダーイシュの拠点都市の一つバーブ市一帯で、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がハサカ県西部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地の3カ村を制圧した。
またハサカ市東部郊外では、人民防衛隊主体のシリア民主軍がダーイシュとの戦闘を続けた。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、サフム・ジャウラーン村一帯でアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。
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スワイダー県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がシャアフ丘東部、カスル村、アシュハイブ丘でダーイシュ(イスラーム国)に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がビイル・カスブ地区で、ダーイシュ(イスラーム国)の車列を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がマヒーン町一帯に進軍し、ダーイシュ(イスラーム国)に対して攻撃を行い、同町西部で支配地域を拡大した。
シリア軍はまた、カルヤタイン市、フワーリーン村、マヒーン町南部のダーイシュ拠点を空爆するとともに、シャーイル・ガス採掘所一帯でも作戦を実施し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がハトラ村、マリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はまた、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル、ラサーファ地区でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がシャイフ・マスキーン市一帯に進攻し、ジハード主義武装集団と激しく交戦した。
シリア軍はこの進攻でシャイフ・マスキーン市の一部を制圧し、また同市各所を「樽爆弾」などで空爆・砲撃し続けているという。
一方、ジハード主義武装集団はダルアー市西方のヤードゥーダ村、カフルシャムス町南部のシリア軍拠点を攻撃した。
他方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン町一帯で反体制武装集団と交戦の末、同町北部各所と町内の住宅地区、畜産農場地区、水資源地区を制圧した。
シリア軍はまた、アトマーン村、ガズラーン農場、東ガーリヤ村、ダルアー市ダム街道一帯、マンシヤ地区、警察住宅南部でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がマルジュ・スルターン村一帯、ナシャービーヤ町でジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ハラスター市農場地帯を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の武器弾薬庫などを破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラターミナ町、ラハーヤー村を「樽爆弾」で空爆した。
またロシア軍と思われる戦闘機がムーリク市各所を空爆するなか、同地近郊およびスーラーン市一帯で、シリア軍、国防隊がジュンド・アクサー機構などからなるジハード主義武装集団と交戦した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市南部のズィルバ村、ハーン・トゥーマーン村、ハルサ村、ザイターン村、タッル・ハディーヤ村、ブルカ村一帯に対して50回にわたる空爆を行った。
シリア軍もまたドゥワイル・ザイトゥーン村、ラトヤーン村、バヤーヌーン町、マーイル町などアレッポ市北部一帯を砲撃した。
このほか、戦闘機(所属不明)がフライターン市各所を空爆した。
さらに、ARA News(11月14日付)によると、シャーム戦線はバーシュカウィー村のシリア軍拠点に対して攻撃を加えた。
これに対し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、アレッポ市南部での戦闘に参加していたとされるヒズブッラーの戦闘員3人をアレッポ市北部で捕捉したと発表した。
一方、SANA(11月14日付)によると、シリア軍はマンスーラ村、バルクーム村、カラースィー村、フワイズ村、シュワイフナ村、アレッポ市カルム・マイサル地区、スッカリー地区、サーフール地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
また、イランのアーラム・チャンネルはツイッターの公式アカウントを通じて、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官が、シリア軍によって制圧されたハーディル村を訪問し、イラク人の民兵組織「ヌジャバー運動」の戦闘員を前に演説する写真を公開した。
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ヒムス県では、SANA(11月14日付)によると、シリア郡がジャワーリク村、タルビーサ市、ティールマアッラ村、カフルナーン村などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(11月14日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラトミーン町、ムーリク市、ラターミナ町でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆するとともに、またアブー・ズフール町一帯で特殊作戦を実施し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、13日にパリで発生した同時多発テロと12日にベイルート県南部郊外で発生した同時自爆テロを厳しく非難した。
ナスルッラー書記長は、ベイルート県南部郊外での同時自爆テロに関して、「ダーイシュ(イスラーム国)には未来はない。戦火のなかでも、平和においてもだ。彼らはシリアとイラクにおいて支配地域を喪失している…。ブルジュ・バラージナ地区での爆発事件は彼らに逆効果をもたらすだろう…。イスラエル人とタクフィール主義者はレバノン国内に内戦をもたらそうとしているが、レバノンはこうした脅迫に対して自ら対抗できる」と述べた。
一方、パリでの同時多発テロについては、「我々、ヒズブッラーは、パリでのダーイシュによるテロ攻撃を強く非難する」と述べた。
ナハールネット(11月14日付)などが伝えた。
AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ大尉は声明を出し、13日のパリでの同時多発テロに関して、「各国諜報機関の腕が過激なテロリストを操って自らの犯罪的な意思を実行に移し、シリア国民とフランス国民の信頼を揺るがそうとしている」と主張し、事件の背後に欧米諸国がいると暗に批判した。

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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シリア国内で活動するとされるジハード主義武装集団と「穏健な反体制派」48組織が共同声明を出し、13日のパリでの同時多発テロ事件の犠牲者に対して哀悼の意を示した。
共同声明に参加したのは以下の武装集団:
第101歩兵師団
真理の騎士旅団
第13師団
ハック旅団
ヤルムーク軍
ナスル軍
ザーウィヤ山の鷹旅団
ヒムス解放運動
スルターン・ムラード師団
ムジャーヒディーン軍
シャーム革命家大隊
シリアの呼びかけ師団
イブン・ワリードの末裔旅団
シャーム軍団
アジュナード・シャーム・イスラーム連合
シャーム戦線
アルバイーン大隊
アンサール・イスラーム戦線
アサーラ・ワ・タンミヤ戦線
ヌールッディーン・ザンキー運動
タウヒード軍
第1沿岸師団
アレッポ革命家連合
サラーフッディーン師団
ファトフ旅団
イスラーム軍
フルカーン旅団
アームード・ハウラーン師団
第312師団
ヒムス軍団
シャーム革命家
タルビーサ旅団
ハウラーン自由人連合
ハサカ自由軍旅団
アフバーブ・ウマル旅団
第10沿岸旅団
第16歩兵師団
ラフマーン軍団
「命じられるがままに進め」連合
中部師団
シャーム戦線
スルターン・ムハンマド・ファーティフ旅団
真理の剣連合
ヒムス・スィッディーク旅団
アレッポ革命家連合
部族師団
タファス旅団
第1連隊

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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アサド大統領は、シリアを訪問中のフランス議員・有識者・記者の使節団(ティエリー・マリアーニー議員が代表)とダマスカスで会談し、シリア情勢などへの欧米諸国の対応などについて意見を交わした。
SANA(11月13日付)によると、会談冒頭、アサド大統領は、13日にパリで発生した同時多発テロの犠牲者に対して弔意を示した。
そのうえで、「この事件はレバノンの首都ベイルート南部郊外で12日に発生した連続自爆テロや、シリアをはじめとする中東諸国で過去5年間にわたって続いている一連の出来事と分けることはできず、テロが世界のなかで一体的な拡がりをもって生じており、テロ組織は国境を認めていない」との見方を示した。
アサド大統領はまた、「欧米諸国、とりわけフランスが我々の地域において起きていることに対してとってきた誤った政策、そしてフランスの同盟国の一部によるテロリスト支援を黙認してきたことが、テロ拡大をもたらしてしまった…。テロ支援を兵站面、そして政治面で食い止めるための新たな政策の採用と実質的な措置の実施が重要となっており、それによってテロを根絶しなければならない」と強調した。
これに対して、フランス使節団は、「テロとの戦い」に向け、国際社会、そして中東地域全体が一丸となって努力する必要があると応えるとともに、「テロとの戦い」におけるシリア国民の苦難に同情の意を示した。

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フランス使節団との会談後、アサド大統領は記者団を前に、パリでの連続テロ事件の犠牲者の遺族に弔意を示したうえで、以下のように述べた(https://youtu.be/AS9paY8iGp8):
「昨日(13日)にフランスで起きた事件は、2日前にベイルートで起きた事件と不可分だ。なぜならテロそのものだからだ。我々はテロがどこで置きようと、それを注視せねばならない。シリア、イエメン、リビア、フランスのどこで置きようと、テロとは世界全体に拡がっているからだ」。
「我々は事件について何らの情報も持っていない。だが、問題は実行犯の名前や出身地とは関係ない。我々は3年前から欧州で事件が起きると警鐘を鳴らしてきた…。しかし西欧の高官らは我々が言うことに関心を示さず、我々は脅迫していると主張した。彼らはまた、今年初めのシャルリー・エブド事件からも何も学ばなかった。テロに反対しているという声明を出しても何の意味もない。彼らはテロと戦わねばならず、正しい政策を実施しなければならない」。
(フランスの治安当局がシリアの治安当局にテロとの戦いでの支援を求めてきたか、との問いに対して)「彼ら(フランス)は真剣に対処しさえすれば、我々には彼らとともにテロとの戦いを行う用意がある。我々は、テロとの戦いを真剣に行う者であれば誰とでも協力する用意がある。しかし、フランス政府は今のところ真剣だとは言えない」。
「(フランソワ・オランド大統領は)、自国民の利益のために行動すべきだ。すべてのフランス国民が今日彼に投げかけている質問とは次のようなものだ。過去5年間のフランスの政策はフランス国民に何か良い結果をもたらしたのか? 答えは「いいえ」だ。私が彼に何か頼むとしたら、それはフランス国民のために行動せよ、ということだ。彼がそれを望むのなら、政策を転換しなければならない」。
「(フランスとの)政治的協力関係が行われる前に、治安機関との協力について話すことはできない。フランス政府の政策がテロ支援という枠組みのなかで行われている限り、テロとの戦いに向けた治安機関との協力について話すことはできない」。

AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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オーストリアの首都ウィーンで、シリア紛争解決に向けた米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イランなど「国際シリア支援グループ」(International Syria Support Group (ISSG))の3回目となる会合(ウィーン3会議)が開催され、シリア紛争における停戦プロセスと移行プロセスに関して合意に達した。
会合には、米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イラン、中国、エジプト、フランス、ドイツ、イラク、イタリア、ヨルダン、レバノン、オマーン、カタール、UAE、英国の外相、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表、EU外相、アラブ連盟代表が出席した。
会合後に発表された共同声明によると、会合では、冒頭、パリでの同時多発テロ(13日)、レバノンのベイルート南部郊外での連続自爆テロ(12日)、エジプト・シナイ半島でのロシア旅客機の墜落(10月31日)、トルコのアンカラでの同時爆破テロ(10月10日)の犠牲者に対して黙祷が捧げられるとともに、全参加国がもっとも強い調子でパリでのテロへの非難の意を表明した。
参加国はそのうえで、シリアの紛争解決に向け協議を行い、以下の点を合意した。
1. 2012年6月のジュネーブ合意に沿った停戦と政治プロセスの実現。
2. シリア政府と反体制派が国連の仲介のもとで移行プロセスが開始され次第、参加国はシリア国内での停戦に向けて支援、行動を行う。
3. 国連安保理常任理事国は、国連による停戦監視活動の実施とジュネーブ合意に基づく政治的移行プロセスの支援を定めた決議採択への支援を誓約する。
4. すべての参加国は、自らが支援、ないしは影響力を行使している当事者を停戦させるために可能な措置を講じることを誓約する。
5. 停戦は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そして参加国がテロリストとみなす組織への攻撃・自衛活動には適応されない。
6. 国連の仲介のもと、シリア政府と反体制派の代表による公式な交渉を、2016年1月1日を目処に開催する。
7. 参加国は、6ヶ月以内(2016年5月)を目処に、シリア国内での停戦と、「信頼できる包括的・非宗派主義的な政府を樹立し、新憲法制定の工程を確定」するためのシリア人による移行プロセス開始を実現するための支援を行う。そのうえで、新憲法の規定に従った自由で公正な選挙を18ヶ月以内(2017年5月)を目処に実施する。この選挙は国連の監視下で行われ、犯民を含むすべてのシリア人が参加しなければならない。
8. ヨルダンは、テロリストと認定される集団、個人に関する共通の理解を醸成するための支援を行う。
9. 参加国は、停戦や政治プロセス開始に向けた準備の進捗を確認するため、1ヶ月以内に会合を開く。
なお参加国はこのほかにも、国連安保理決議第2165号に沿ったかたちでシリア国内全土での人道支援の実施について審議するとともに、国連安保理決議第2199号が定めた石油などの違法取引摘発の重要性を確認した。
会合後に発表された共同声明は以下の通り:
Meeting in Vienna on November 14, 2015 as the International Syria Support Group (ISSG), the Arab League, China, Egypt, the EU, France, Germany, Iran, Iraq, Italy, Jordan, Lebanon, Oman, Qatar, Russia, Saudi Arabia, Turkey, United Arab Emirates, the United Kingdom, the United Nations, and the United States to discuss how to accelerate an end to the Syrian conflict. The participants began with a moment of silence for the victims of the heinous terrorist attacks of November 13 in Paris and the recent attacks in Beirut, Iraq, Ankara, and Egypt. The members unanimously condemned in the strongest terms these brutal attacks against innocent civilians and stood with the people of France.
Subsequently, the participants engaged in a constructive dialogue to build upon the progress made in the October 30 gathering. The members of the ISSG expressed a unanimous sense of urgency to end the suffering of the Syrian people, the physical destruction of Syria, the destabilization of the region, and the resulting increase in terrorists drawn to the fighting in Syria.
The ISSG acknowledged the close linkage between a ceasefire and a parallel political process pursuant to the 2012 Geneva Communique, and that both initiatives should move ahead expeditiously. They stated their commitment to ensure a Syrian-led and Syrian-owned political transition based on the Geneva Communique in its entirety. The group reached a common understanding on several key issues.
The group agreed to support and work to implement a nationwide ceasefire in Syria to come into effect as soon as the representatives of the Syrian government and the opposition have begun initial steps towards the transition under UN auspices on the basis of the Geneva Communique. The five Permanent Members of the UN Security Council pledged to support a UNSC resolution to empower a UN-endorsed ceasefire monitoring mission in those parts of the country where monitors would not come under threat of attacks from terrorists, and to support a political transition process in accordance with the Geneva Communique.
All members of the ISSG also pledged as individual countries and supporters of various belligerents to take all possible steps to require adherence to the ceasefire by these groups or individuals they support, supply or influence. The ceasefire would not apply to offensive or defensive actions against Da’esh or Nusra or any other group the ISSG agrees to deem terrorist
The participants welcomed UN Secretary General Ban’s statement that he has ordered the UN to accelerate planning for supporting the implementation of a nationwide ceasefire. The group agreed that the UN should lead the effort, in consultation with interested parties, to determine the requirements and modalities of a ceasefire.
The ISSG expressed willingness to take immediate steps to encourage confidence-building measures that would contribute to the viability of the political process and to pave the way for the nationwide ceasefire. In this context, and pursuant to clause 5 of the Vienna Communique, the ISSG discussed the need to take steps to ensure expeditious humanitarian access throughout the territory of Syria pursuant to UNSCR 2165 and called for the granting of the UN’s pending requests for humanitarian deliveries. The ISSG expressed concern for the plight of refugees and internally displaced persons and the imperative of building conditions for their safe return in accordance with the norms of international humanitarian law and taking into account the interests of host countries. The resolution of the refugee issue is important to the final settlement of the Syrian conflict. The ISSG also reaffirmed the devastating effects of the use of indiscriminate weapons on the civilian population and humanitarian access, as stated in UNSCR 2139. The ISSG agreed to press the parties to end immediately any use of such indiscriminate weapons.
The ISSG reaffirmed the importance of abiding by all relevant UN Security Council resolutions, including UNSCR 2199 on stopping the illegal trade in oil, antiquities and hostages, from which terrorists benefit.
Pursuant to the 2012 Geneva Communique, incorporated by reference in the Vienna statement of October 30, and in U.N. Security Council Resolution 2118, the ISSG agreed on the need to convene Syrian government and opposition representatives in formal negotiations under UN auspices, as soon as possible, with a target date of January 1. The group welcomed efforts, working with United Nations Special Envoy for Syria Staffan de Mistura and others, to bring together the broadest possible spectrum of the opposition, chosen by Syrians, who will decide their negotiating representatives and define their negotiating positions, so as to enable the political process to begin. All the parties to the political process should adhere to the guiding principles identified at the October 30 meeting, including a commitment to Syria’s unity, independence, territorial integrity, and non-sectarian character; to ensuring that State institutions remain intact; and to protecting the rights of all Syrians, regardless of ethnicity or religious denomination. ISSG members agreed that these principles are fundamental.
The ISSG members reaffirmed their support for the transition process contained in the 2012 Geneva Communique. In this respect they affirmed their support for a ceasefire as described above and for a Syrian-led process that will, within a target of six months, establish credible, inclusive and non-sectarian governance, and set a schedule and process for drafting a new constitution. Free and fair elections would be held pursuant to the new constitution within 18 months. These elections must be administered under UN supervision to the satisfaction of the governance and to the highest international standards of transparency and accountability, with all Syrians, including the diaspora, eligible to participate.
Regarding the fight against terrorism, and pursuant to clause 6 of the Vienna Communique, the ISSG reiterated that Da’esh, Nusra, and other terrorist groups, as designated by the UN Security Council, and further, as agreed by the participants and endorsed by the UN Security Council, must be defeated. The Hashemite Kingdom of Jordan agreed to help develop among intelligence and military community representatives a common understanding of groups and individuals for possible determination as terrorists, with a target of completion by the beginning of the political process under UN auspices.
The participants expect to meet in approximately one month in order to review progress towards implementation of a ceasefire and the beginning of the political process.
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なおウィーン3会議に先立って、フランスのフランソワ・オランド外務大臣は、13日夜のパリでの同時多発テロ事件を受けるかたちで「ウィーン会議の目的の一つは、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための国際的な協調関係をいかに強化するかを具体的に検討することにある」と述べ、同テロを実行したとされるダーイシュに対する「テロとの戦い」の必要を強調した。
また、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ウィーン3会議に先立って行われたジョン・ケリー米国務長官との会談後、「ダーイシュやシャームの民のヌスラ戦線を打ち負かすために我々がさらなる措置を講じないことは正当化し得ない」と述べた。
ケリー国務長官も、「我々がこれらの者たち(ダーイシュ)に言うことができるのは、彼らがやることによって、我々はみな、彼らとの戦いや制裁への決意を強めている、ということだ」と述べた。
さらに、欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、パリでの同時多発テロ事件によって「ウィーン3会議は別の意味を持つにいたった」と述べるとともに、ベイルートでの12日のテロ、シナイ半島でのロシア機墜落、アンカラでの爆破テロなどにより、「過去数週間で我々みなが痛み、恐怖、衝撃に苛まれている」と弔意を示した。
一方、イランのハサン・ロウハーニー大統領の西欧諸国歴訪に同行するとの理由で、ウィーン3会議への出席を見合わせていたモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、ロウハーニー大統領のフランス訪問の中止を受けるかたちで、ウィーン3会議に参加することを決定した。
また、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、13日に米国との間で、シリアでの紛争における「テロ組織」を認定するためのリスト案を交わしたことを明らかにした。
『ハヤート』(11月15日付)などが伝えた。
AFP, November 14, 2015、AP, November 14, 2015、ARA News, November 14, 2015、Champress, November 14, 2015、al-Hayat, November 15, 2015、Iraqi News, November 14, 2015、Kull-na Shuraka’, November 14, 2015、al-Mada Press, November 14, 2015、Naharnet, November 14, 2015、NNA, November 14, 2015、Reuters, November 14, 2015、SANA, November 14, 2015、UPI, November 14, 2015などをもとに作成。
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