イスラエルのネタニヤフ首相「安全保障のため、対シリア国境でアル=カーイダと特別な関係を築いている」(2015年11月9日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は訪問先のワシントンDCで、バラク・オバマ米大統領と会談し、シリア情勢への対応などについて意見を交わした。

米国の複数のメディアが伝えたところによると、会談ではシリアの将来についての議論に多くの時間が割かれ、ネタニヤフ首相はオバマ大統領に対して、ゴラン高原の境界地域におけるアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とイスラエルとの「特別な関係」について理解を求めたという。

すなわち、会談のなかで、ネタニヤフ首相は「イスラエルは実際、ヌスラ戦線に属するシリア領内のグループと国境地帯で特別な関係を築いている…。この関係はイスラエルの安全を保障
するためで、ヌスラ戦線の能力を強化することではない」と述べたという。

ネタニヤフ首相はまた、オバマ大統領に対して、シリア紛争の政治的解決に向けた合意形成プロセスに、シリアのアサド政権を参加させるよう求めたという。

さらに、ネタニヤフ首相は「我々はシリア領内からの攻撃に対して寛容ではいられない。我々はイランがゴラン高原で我々に対する戦線を開くことを許さない。我々はシリアからレバノンへの武器の輸送を阻止する」と述べ、シリア情勢および対ヒズブッラー政策におけるイスラエルの「レッド・ライン」を示したという。

ARA News(11月11日付)などが伝えた。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フランスのル・ドリアン国防大臣「フランス軍は8日晩、ダイル・ザウル県郊外にあるダーイシュ(イスラーム国)の石油配給地点を爆撃した」(2015年11月9日)

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン国防大臣は、訪問先のセネガルの首都ダカールで、「我々は昨日(8日)晩、シリアに介入し、イラク・シリア国境のダイル・ザウル県郊外にある石油配給地点を空爆した」ことを明らかにした。

『ハヤート』(11月10日付)などが伝えた。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍は過去3日間にシリア領内で137回の爆撃を実施(2015年11月9日)

ロシア国防省は、ロシア軍が過去3日間で137回出撃し、アレッポ県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ラタキア県、ラッカ県、ハマー県、ヒムス県で、ダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の施設448カ所を破壊したと発表した。

ヒムス県では、カフルヌブーダ町でSu-24M戦闘爆撃機がシャームの民のヌスラ戦線の車輌工場を破壊した。

ラタキア県では、ダウ山で、ヌスラ戦線の迫撃拠点を破壊した。

アレッポ県では、東クワイリス町で、ヌスラ戦線のキャンプを破壊した。

イドリブ県では、ズィルバ村で、Su-34戦闘爆撃機がヌスラ戦線の司令拠点を破壊した。

ラッカ県では、ラッカ市郊外で、Su-34戦闘爆撃機がダーイシュの武器弾薬庫を破壊した。

ヒムス県では、マヒーン町で、ヌスラ戦線の武器弾薬庫を破壊した。

ダマスカス郊外県では、ムガール山近郊で、ダーイシュの武器弾薬庫を破壊した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県ハウラ地方で活動する複数の武装集団が「隊列密集」作戦司令室を新たに結成(2015年11月9日)

ヒムス県ハウラ地方で活動する複数の武装集団はビデオ声明を出し、「隊列密集」作戦司令室の名で新たな連合組織を結成すると発表した。

「隊列密集」作戦司令室に参加したのは、イスラーム軍ワラー・ワ・バラー旅団、アルバード・ブン・サーリヤ大隊、フサイン特殊任務大隊、殉教者アブー・ハッサーン大隊、殉教者シャーディー・カースィム大隊、イバード・ラフマーン大隊、シャーム軍団(アンサール旅団)、ヒムス解放運動(殉教者ムハンマド・サーヒブ大隊)、殉教者アブー・サアド大隊、ウマル・ファールーク大隊、アースィファート旅団(死の中隊大隊)、ハドラー大隊、ハーリド・サイフッラー大隊、ムハージリーン大隊、真理の剣大隊。

AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合はシリア領内で15回の爆撃を実施(2015年11月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して31回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は15回、ハサカ市近郊(3回)、フール町近郊(6回)、ダイル・ザウル市近郊(6回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの外務在外居住者省は米国主導の有志連合がシリア政府の同意を得ずに領内で爆撃を行い、インフラを破壊していると非難(2015年11月9日)

シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長および安保理議長に対して書簡を送り、そのなかで米国が主導する有志連合が、シリア政府の同意を得ずにシリア領内での空爆を継続し、国内のインフラを破壊し続けていると報告した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機は6~8日までの3日間で137回出撃し、448の標的を破壊する一方、シリア軍戦闘機は98回出撃し、反体制武装集団の司令拠点、車輌などを破壊(2015年11月9日)

SANA(11月9日付)によると、ロシア軍は11月6日から8日までの3日間で、137回の出撃を行い、アレッポ県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ラタキア県、ラッカ県、ヒムス県、ハマー県のテロ組織の標的448カ所を破壊した。

ロシア軍の空爆で破壊されたのは、司令拠点78カ所、武器燃料庫31カ所、車輌整備工場11カ所、爆弾製造工場6カ所、拠点・壕などの拠点60カ所。

一方、シリア・アラブ軍報道官は、シリア軍も11月6日から8日までの3日間で98回の出撃を行い、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ハマー県、アレッポ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ラッカ県のテロ組織拠点多数を破壊したと発表した。

シリア軍の空爆で破壊されたのは、ヒムス県カルヤタイン市、タルビーサ市、ダマスカス郊外県東グータ地方、イドリブ県ハーン・シャイフーン県にある反体制武装集団の壕・拠点5カ所と司令拠点3カ所、アレッポ県航空士官学校一帯、ヒムス県シャーイル・ガス採掘所、柑橘園一帯、ジュッブ・ジャッラーフ村東部に展開していた車輌10台、ハマー県カフルズィーター市、ラターミナ町の武器弾薬庫複数カ所、ダルアー県ダルアー市旧税関地区、アトマーン村一帯、ジュライン村東部などの拠点複数カ所と車輌9台。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市南部、ハマー県北部でシリア軍とアル=カーイダ系組織の攻防続く(2015年11月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部のタッル・ハースィル村を空爆する一方、ジハード主義武装集団はバンジーラ山でシリア軍戦車を破壊した。

またアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は、アレッポ市南部郊外のトゥライラート村(ハーディル村近郊)を、シリア軍と交戦の末に制圧した。

なおシャーム自由人イスラーム運動の司令官によると、この村の防衛にあたっていた戦闘員のほとんどは、イラク人民兵からなるアフル・ハック団のメンバーで、うち10人を殺害したという。

一方、クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、ジハード主義武装集団はタッル・マムー村を奪還した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部に位置するマアーン村一帯で、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団とシリア軍、国防隊が激しく交戦した。

マアーン村で双方が砲撃戦を行うなか、シリア軍はバドリーヤ村、ラターミナ町などに対しても空爆を行った。

これに対して、ジハード主義武装集団はムーリク市南部のアッブード検問所に対して重火器で攻撃を加えた。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、サルジャ村、サイヤード村でファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、反体制武装集団がタッル・サフル村および同村南部の穀物サイロを制圧した。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、ダルアー市内で、南部タウヒード旅団の司令官らに対して何者かが銃を乱射し、殉教者ウマリー大隊のイブラーヒーム・ムサーリマ司令官が死亡した。

なお、クッルナー・シュラカー(11月9日付)は、10月以降ダルアー県内で何者かによる暗殺作戦が増加、犠牲となった反体制武装集団の司令官の数が30人にのぼっていると伝えた。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がUNESCO世界文化遺産を擁するブスラー・シャーム市東部地区、アトマーン村、ダルアー市バジャービジャ地区などでシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境近くに設営されている避難民キャンプが攻撃(空爆か砲撃かは不明)を受けた。

クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、ウービーン村の避難民キャンプにロシア軍と思われる戦闘機がクラスター爆弾を投下し、避難民6人が死亡したという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーヒヤト・アサド町各所に迫撃砲弾複数発が着弾する一方、シリア軍はダーライヤー市を地対地ミサイル14発、「樽爆弾」6発で攻撃、また10回以上にわたって空爆を実施した。

またマルジュ・スルターン村一帯では、シリア軍、国防隊がイスラーム軍などのジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ドゥーマー市、サクバー市東部農園地帯で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市で反体制武装集団の拠点に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、November 10, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末シャイフ・アフマド村一帯(アレッポ市)を完全制圧、ダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地に迫る(2015年11月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とロシア軍の戦闘機が、シャイフ・アフマド村一帯を空爆するなか、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系の外国人戦闘員がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同村およびその周辺地域を制圧した。

これにより、シリア軍はダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地まで2キロ強の距離に迫った。

SANA(11月9日付)も、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、シャイフ・アフマド村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同村一帯を完全制圧したと伝えるとともに、シリア軍が、ジャービリーヤ村、マフラサ村、ダクワーナ村、クワイリス航空基地一帯、タッル・アフマル村北部などのダーイシュ拠点を空爆したと報じた。

他方、ARA News(11月9日付)によると、アレッポ市東部のシャイフ・ナッジャール市工業団地地区内のシリア軍拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が奇襲した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊はタドムル市西方のドゥーワ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またロシア軍と思われる戦闘機がカルヤタイン市、マヒーン町、ウンク・ハワー村、フワーリーン村、ウンム・サフリージュ村のダーイシュ拠点などを空爆した。

またシリア政府支配下のウンム・サルジュ村に迫撃砲弾2発が着弾した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がウンク・ハワー村、タドムル市郊外の柑橘園に至る街道、マヒーン町一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がフール町郊外のバフラ・ハーヌーティーヤ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、ARA News(11月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、フール町郊外のバフラト・ハーヌーティーヤ村近郊の複数拠点を制圧した。

また、ARA News(10月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がフール町郊外でのダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、東ブーサ村およびブーサ村を制圧した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。

**

ハマー県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がウカイリバート町でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、November 10, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県の「穏健な反体制派」が新たな武装連合組織「新シリア軍」を結成、「誠実なムジャーヒディーン」との共闘を宣言(2015年11月9日)

自由シリア軍を名乗るアサーラ・ワ・タンミヤ戦線は宣伝ビデオを出し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための新たな武装連合組織「新シリア軍」を結成したと発表、ダーイシュ以外のジハード主義武装集団との共闘の意思を表明した。

Youtube, November 9, 2015
Youtube, November 9, 2015
Youtube, November 9, 2015
Youtube, November 9, 2015

宣伝ビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=ZuQxqC3L8NE)には、シリア国外で米国製の武器の使用訓練を受けたとされる軍服姿の戦闘員の訓練の様子が映し出され、また新シリア軍司令官のハズアル・スィルハーン氏が委任統治時代のシリア国旗を掲げ、以下の通り表明している。

「新シリア軍が発足され、ダーイシュ、そして彼らに忠誠を誓うすべての組織を殲滅するだろう…。新シリア軍はあらゆる近代兵器、特殊兵器の使用について優れた教練を受けており、ダーイシュが我々の手、そして自由シリア軍の手に対してかけている枷を破壊するだろう…。我々は、この軍がアッラーの道のみに沿って、その銃を共通の敵、すなわちダーイシュとその協力者に対して向ける。また新シリア軍の銃は、すべての誠実なるムジャーヒディーンの銃とともにある」。

「新シリア軍」(New Syrian Army)は、米国がトルコでの軍事教練を通じて育成しようとしていた「穏健な反体制派」による武装組織の別称。

一次隊がシャームの民のヌスラ戦線の攻撃で事実上壊滅し、二次隊がヌスラ戦線に装備を譲渡していた「第30(歩兵)師団」も、米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が「新シリア軍」と呼んでいた。

なお新シリア軍の司令官はハズアル・スィルハーン氏が務める。

『ハヤート』(11月10日付)によると、スィルハーン氏は、ダイル・ザウル県で活動する「自由シリア軍」の司令官の一人で、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線に所属するアッラーフ・アクバル大隊の司令官を務めていた。

オリエント・ニュース(11月9日付)によると、スィルハーン氏は2014年7月にダーイシュがダイル・ザウル県で勢力を拡大すると、シリア西部の砂漠地帯に撤退した戦闘員の一人。

ダイル・ザウル県からシリア西部に移動した武装集団のなかには、東部獅子軍を結成し、ダマスカス郊外県のカラムーン地方、ヒムス県カルヤタイン市などでダーイシュに対する武装闘争を開始した者もいる(http://syriaarabspring.info/?p=11749)。

ダマスカス郊外県カラムーン地方で現在も潜伏しているとされる東部獅子軍に関して、スィルハーン氏は「東部獅子軍と新シリア軍は表裏一体で一つの組織をなしている」と述べているという。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Orient News, November 9, 2025、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領の母のアニーサ・マフルーフ氏の最新の写真がネット上で拡散(2015年11月9日)

クッルナー・シュラカー(11月9日付)などは、アサド大統領の母のアニーサ・マフルーフ氏がシリアからベラルーシに避難したとの噂が流れるなか、画家のヤースィル・ハンムード氏と並んで撮影された写真がインターネット上で拡散されていると伝え、その画像を公開した。

写真の撮影場所、時期は不明だという。

Kull-na Shuraka', November 9, 2015
Kull-na Shuraka’, November 9, 2015

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.