米主導の有志連合はハサカ県などで11回の爆撃を実施(2015年11月10日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月10日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して28回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は11回、ハサカ市近郊(2回)、フール町近郊(5回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マーリア市近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 11, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍は過去2日間で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市(アレッポ県)などに対して85回の爆撃を実施(2015年11月10日)

ロシア国防省は、ロシア軍が過去2日間で85回出撃し、アレッポ県、ダマスカス郊外県、ラタキア県、ハマー県、ヒムス県、イドリブ県で、ダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の施設277カ所を破壊したと発表した。

アレッポ県では、ロシア軍の空爆により、シリア軍がクワイリス航空基地に対するダーイシュの包囲解除に成功したという。

ヒムス県では、タドムル市南部で、Su-24M戦闘爆撃機がダーイシュの車輌拠点などを破壊した。

またマヒーン町郊外では、Su-34戦闘爆撃機がシャームの民のヌスラ戦線の武器弾薬庫を破壊した。

ダマスカス郊外県では、ビイル・カサブ地区で、ダーイシュの車輌整備工場などを破壊した。

ハマー県では、Su-24M戦闘爆撃機が、ヌスラ戦線の迫撃拠点を破壊した。

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一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が10日深夜から11日未明にかけて、アレッポ県で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市各所に対して2回の空爆を行った。

またダイル・フール村に対しても空爆は行われたという。

シリア人権監視団によると、ロシア軍はこのほかにも、イドリブ県のマアッラト・ヌウマーン市各所を2回にわたって空爆した。

また、ハマー県では、ロシア軍はラターミナ町、カフルズィーター市各所を空爆した。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領はクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲解除を受け、包囲解除作戦を指揮する「虎」ことスハイル・ハサン大佐らに電話で祝意を伝える(2015年11月10日)

アサド大統領は、シリア軍がアレッポ県アレッポ市東部のクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲解除に成功したことを受け、飛行場司令官のムンズィル・ズィマーム少将と、同飛行場包囲解除作戦を指揮する「虎」ことスハイル・ハサン大佐とそれぞれ電話で会談した。

SANA(11月10日付)によると、アサド大統領は電話で、ズィマーム少将に対して「抵抗、英雄的行為における至上の模範、シリア・アラブ軍の英雄伝の幕開けとしての戦闘」を讃えた。

またアサド大統領はハサン大佐に対しては「包囲解除に貢献したすべての英雄、そしてシリア・アラブ軍のすべての兵士に敬意を表す。彼らは兄弟であり、息子であり、その生命と安全を常に最優先に考えている」と述べたという。

AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

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ラタキア市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し22人が死亡、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)ではシリア軍の爆撃・砲撃で15人が死亡(2015年11月10日)

ラタキア県では、シリア・アラブ・テレビ(11月10日付)によると、ラタキア市の中心街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、住民22人が死亡、62人が負傷した。

迫撃砲弾が着弾したのは、ラタキア市東部のティシュリーン大学に近いマシュルーア・アウカーフ地区とスビーロー駐車場で、シリア治安筋がAFP(11月10日付)に明らかにしたところによると、現場には多くの学生がいたという(https://youtu.be/WiRI-jtlghA)。

一方、クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、反体制武装集団が、シリア軍との激しい戦闘の末、ガマーム村を再び奪還した。

Kull-na Shuraka', November 10, 2015
Kull-na Shuraka’, November 10, 2015

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ダマスカス県では、SANA(11月10日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が住宅街各所に着弾し、住民1人が死亡、5人が負傷した。

シリア人権監視団によると、迫撃砲弾約10発が、ズブラターニー地区、バラームカ地区(大統領橋一帯)、ウマウィーイーン広場(参謀本部近く)、カッサーア地区、ムフイーッディーン地区、ルクン・ディーン区、アダウィー地区に着弾したという。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(11月11日付)によると、ドゥーマー市各所がシリア軍によるクラスター爆弾、迫撃砲弾、ロケット弾での砲撃・迫撃を受け、住民15人が死亡、100人が負傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月10日付)によると、イスラーム軍は、ダマスカス・ヒムス街道(国際幹線道路)一帯に進軍しようとしたシリア軍を撃退した。

またアジュナード・シャーム・イスラーム連合もマルジュ・スルターン村一帯でシリア軍と交戦し、兵士3人を殺害、装備を破壊したという。

一方、SANA(11月10日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯でシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団で交戦し、同村南部の南部のマハーリジュ地区を制圧した。

シリア軍はまた、ハラスター市郊外、ドゥーマー市郊外でもイスラーム軍などと交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、イドリブ市内の工業地区を空爆した。

イドリブ市は、フーア市、カファルヤー町、そしてダマスカス郊外県ザバダーニー市一帯での停戦合意において停戦地域に含まれており、ドゥラル・シャーミーヤ(11月10日付)によると、ロシア軍機がこの停戦合意に違反するのはこれが4度目だという。

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アレッポ県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍が、アレッポ市シャッアール地区、シャイフ・サイード地区、ジャービリーヤ地区、スッカリー地区、アシュラフィーヤ地区、ハーリディーヤ地区、アンサーリー地区、カースティールー地区、ハーディル村でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍がカルアト・マディーク町、ラターミナ町、アトシャーン村、ムーリク市南部のアッブード検問所近くでシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などの反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍がダルアー市アッバースィーヤ地区、アルバイーン地区、マンシヤ地区などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市東部のクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲解除に成功(2015年11月10日)

シリア・アラブ軍総司令部は声明を出し、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市東部のクワイリス航空基地に対するダーイシュ(イスラーム国)の包囲を解除することに成功した、と発表した。

ダーイシュによる包囲は2年にわたって続いていた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、イラン人戦闘員が、ダーイシュ(イスラーム国)による包囲が続くクワイリス航空基地への突入を試み、ダーイシュと交戦した。

なお、シリア人権監視団(11月12日付)によると、クワイリス航空基地包囲解除作戦での犠牲者はダーイシュ60人、ヒズブッラー8人、イラン人戦闘員13人、シリア軍20人だという。

一方、シリア人権監視団は、複数の活動家の話として、ダーイシュの車輌約40輌が戦闘員、武器、弾薬を積載し、ダイル・ザウル県方面からアレッポ県東部方面に向かっていると発表した。

他方、ARA News(10月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市郊外の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点複数カ所を砲撃した。

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ラッカ県では、ARA News(10月10日付)によると、トルコ軍が連日越境砲撃を続けるタッル・アブヤド市郊外でダーイシュ(イスラーム国)も砲撃を行い、住民4人が死亡した。

ダーイシュが砲撃を行ったのは、タッル・アブヤド市の南方約25キロの地点に位置するザフラト・アブド・シャイフ村。

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ハサカ県では、ARA News(10月10日付)によると、フール町一帯でのシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、ダーイシュの司令官の一人アダーイ・ムハンマド・スルターン・ハーヌーティー氏が死亡した。

ハーヌーティー氏は、イラクの現職国会議員ザーヒド・ハーヌーティー氏の兄弟。

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ヒムス県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍がマヒーン町一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(11月10日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県東部郊外に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。

AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

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ロイター通信:ロシアは18ヶ月に期間を限定した「立憲改革プロセス」(移行プロセス)をシリア政府に提案か?(2015年11月10日)

ロイター通信(11月10日付)は、14日にオーストリアの首都ウィーンで再開予定のシリア紛争に関する外相会議に向け、ロシアがシリア政府に対し、18ヶ月に期間を限定した立憲改革プロセスの開始と、その後の大統領選挙の前倒しを骨子とする案を受諾させようとしている、と伝えた。

8項目からなるとされるこの案では、「国民が選出するシリアの大統領は、軍の司令官としての役割を有し、特殊政務、外交政策を統括する」と明記されているという。

紛争解決に向けた政治プロセスに参加する反体制派に関しては、「統一代表団」を発足し、その人選に関してあらかじめ合意しなければならない、と明記しているという。

また「反体制派は、テロリストによる権力掌握を阻止し、シリアの主権、領土保全、そして政治的独立を維持するという目標、さらには国家の世俗的、民主的正確を保持するという理念を共有しなければならない」とも付言しているという。

しかし、これに関して、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は「この情報は現実を一致しない」と述べ、否定した。

AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

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