シリア国民連合暫定政府代表団のシリアへの入国をめぐって、国民連合が現地で戦闘に従事する「穏健な反体制派」、アル=カーイダ系組織を含むイスラーム過激派と対立(2015年11月11日)

『ハヤート』(11月12日付)は、欧米諸国が「穏健な反体制派」とみなしているシャーム戦線が管理するとされるアレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所で11日、シリア革命反体制勢力国民連立アフマド・トゥウマ暫定内閣の代表団が、シリア領内に入ろうとしたところを阻止されたと伝えた。

これに関して、シャーム戦線は11日に声明を出し、トゥウマ暫定政府代表団が、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の覆面戦闘員とともに突如としてバーブ・サラーマ国境通行所に現れたため、通過を阻止したと発表した。

しかし、シャーム自由人イスラーム運動は、この覆面戦闘員との関係を否定、国境に留め置かれた使節団は、通行所を足早に去っていったという。

バーブ・サラーマ国境通行所を管理する国境管理局はシャーム戦線傘下の組織がその警護にあたっている。

これに対して、トゥウマ暫定首相は11日に声明を出し、「シャーム戦線に属さない無規律の武装集団が使節団の…シリア領への進入を阻止した」として覆面武装集団を非難する一方、「トルコ側の便宜にもかかわらず…暫定政府による正式な政策に従わず、国境管理局との調整を行わないとの主張は、馬鹿げた言い訳で…、国境通行所を占拠しようとする者の発想だ」と述べ、シャーム戦線をも暗に批判した。

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一方、シリア国内で活動する反体制武装集団27組織は共同声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、アフマド・トゥウマ暫定首相の信任を撤回し、彼を処罰するよう要求した。

また、27組織は共同声明で、バーブ・サラーマ国境通行所での一件に関してトゥウマ暫定首相が出した声明に対するシリア革命反体制勢力国民連立の立場を明示するよう要求した。

共同声明に参加したのは以下の組織:

シャーム自由人イスラーム運動

アジュナード・シャーム・イスラーム連合

シャーム革命家

イスラーム軍

ラフマーン軍団

シャーム戦線

シャーム軍

第16歩兵師団

ヒムス軍団

ファトフ旅団

アンサール・シャーム大隊

真理の剣連合

アムード・ハウラーン師団

部族師団

第1連隊

ハック旅団

第312師団

ヒムス解放運動

アジュナード・シャーム

タルビーサ旅団

真理の騎士旅団

ムジャーヒディーン軍

ザーウィヤ山の鷹旅団

第13師団

第101歩兵師団

第1海外師団

第10沿岸旅団

声明はシャーム戦線のツイッターの公式アカウントを通じて拡散された。

Kull-na Shuraka', November 12, 2015
Kull-na Shuraka’, November 12, 2015

 

AFP, November 12, 2015、AP, November 12, 2015、ARA News, November 12, 2015、Champress, November 12, 2015、al-Hayat, November 13, 2015、Iraqi News, November 12, 2015、Kull-na Shuraka’, November 12, 2015、al-Mada Press, November 12, 2015、Naharnet, November 12, 2015、NNA, November 12, 2015、Reuters, November 12, 2015、SANA, November 12, 2015、UPI, November 12, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は、シリア民主軍が展開するハサカ県フール町一帯で8回の爆撃を実施(2015年11月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月11日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して48回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回、フール町近郊(8回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 12, 2015などをもとに作成。

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駐ヨルダン・シリア代理大使「ヨルダンのシリア人避難民キャンプ訪問を計画していたが、安全上の理由で中止」(2015年11月11日)

駐ヨルダン代理大使のアイマン・アッルーシュ氏はヨルダンのラジオ局とのインタビューで、ヨルダン領内のシリア人避難民キャンプの訪問を計画していたが、「安全上の理由によって、ヨルダン治安当局から訪問中止を忠告された」ことを明らかにした。

ARA News(11月11日付)が伝えた。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市バーブ市などアレッポ県各所を爆撃(2015年11月11日)

アレッポ県では、SANA(11月11日付)によると、シリア軍がアルバイド村、ダイル・ハーフィル市、アイン・ジャマージマ村、スィーン村、ジュッブ・ガブシャ村、ワディーア村、バーブ市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、SANAは、シリア軍がダーイシュによる包囲解除に成功したクワイリス航空基地および航空士官学校一帯の写真複数点を公開した。

SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015
SANA, November 11, 2015

ARA News(11月12日付)によると、ジャラーブルス市南部で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、バフラト・ハーヌーティーヤ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月11日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャフラ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月11日付)は、現地の複数の消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)が数日前に、マヤーディーン市で、シャームの民のヌスラ戦線や「自由シリア軍」の元司令官複数名を処刑したと伝えた。

処刑されたのは、ヌスラ戦線のメンバーの一人バッサーム・ムハンマド・ジャウワード氏ら。

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ヒムス県では、SANA(11月11日付)によると、シリア軍がマヒーン町、ウンム・サフリージュ村、シャンダーヒーヤ村、ジャバーブ・ハマド村、ウンク・ハワー村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(11月11日付)によると、スクーク村郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員7人と人民防衛隊戦闘員1人が死亡した。

また、ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(11月12日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員がアイン・イーサー市郊外のスカイルー村にある西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ本部で自爆ベルトを爆破させ、隊員数十人が死傷した。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、November 12, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、November 12, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市南部などでシリア軍がアル=カーイダ系のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などとの戦闘を続ける(2015年11月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外一帯で、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦を続けた。

また、数日前にダーイシュ(イスラーム国)が奇襲したシャイフ・ナッジャール市一帯のほか、ハーディル村、マハッル村では、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団とシリア軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)、ヒズブッラー戦闘員が交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月11日付)によると、ロシア軍の航空支援を受けたシリア軍がハーディル村に突入を試みたが、シャーム自由人イスラーム運動がこれを撃退したという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が、ガマーム村一帯でジハード主義武装集団と激しく交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、マンスーラ村一帯に対してシリア軍が激しい砲撃を加えた。

一方、SANA(11月11日付)によると、シリア軍がマアーン村一帯でシャーム自由人イスラーム運動などのジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、カフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、アトシャーン村、ラハーヤー村、カフルヌブーダ町でシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍やジュンド・アクサー機構の拠点を空爆・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市各所を地対地ミサイルなどで攻撃した。

またダマスカス・ヒムス街道(国際幹線道路)に面してバイルーヌー病院東部一帯、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯などで、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

シリア軍はさらに、ダーライヤー市に対して7回にわたり空爆を実施した。

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イドリブ県では、SANA(11月11日付)によると、シリア軍がフバイト村でファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月11日付)によると、シリア軍がハラーリーヤ村、マフラス・ディーク村、フーシュ・ザバーディー村、アーミリーヤ村、アイン・フサイン村でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月11日付)によると、シリア軍が、シャイフ・フサイン丘、ウンム・ワラド村近郊の丘陵地帯、ダルアー市内各所でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Durar al-Shamiya, November 11, 2015
al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会と変革解放戦線がロシア外務省高官と会談し、政治的解決に向けた反体制派の糾合などで合意(2015年11月11日)

シリア国内やエジプトで活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会とロシアで活動する変革解放戦線は共同声明を出し、11月9、10日にロシア外務省高官と会談し、紛争解決への対応をめぐって複数の点で意見の一致を見たと発表した。

ロシア外務省高官との会談は、9日に民主的変革諸勢力国民調整委員会の代表団と、10日に変革解放戦線の代表団との間で行われ、ジュネーブ合意に基づく危機の政治的解決に向けた反体制派の糾合、多元的民主的政体への転換、紛争和解に向けた政治プロセスと並行した「テロとの戦い」について意見が一致したという。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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カーライル米空軍大将「ロシア軍と1日2回、ホットラインを通じて交信を行っている」(2015年11月11日)

『ハヤート』(11月12日付)によると、有志連合の空爆を指揮する米空軍司令官の一人ハーバート・カーライル空軍大将は、シリア領空での空爆に関して、ロシア軍と1日2回、ホットラインを通じて交信を行っていると述べた。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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