アサド大統領がシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会が作成した新憲法草案を国民投票にかけることを決定、フランスが自国が推進する「人道回廊」構想をめぐる新安保理決議の採択をめざす(2012年2月15日)

アサド政権の動き

SANA(2月15日付)は、アサド大統領がシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会が作成した新憲法草案を2月26日に国民投票にかけることを決定したと報じた。

Kull-na Shuraka’, February 15, 2012
Kull-na Shuraka’, February 15, 2012

同草案は、157条からなり、現行憲法(1973年憲法)からの主な変更点は以下の通り。

1. バアス党を「社会と国家を指導する党」とした前衛党規定の削除し、 「国家の政治体制は政治的多元主義を原則とする」との文言を明記(第8条)。
2. 「イスラーム教は大統領の宗教である」、「イスラーム法は立法の主要な法源である」という文言に加えて、「国家はすべての宗教を尊重する」との文言を明記(第3条)。
3. 集会、平和的デモ、ストライキ権の保障(第44条)。
4. 大統領(任期7年)の再任を1度に限定(第155条)。
5. 大統領就任資格年齢を34歳(アサド大統領の就任時の年齢)から40歳への引き上げ(第84条)。
6. バアス党が指名する大統領候補の信任投票に代えて、人民議会議員35人以上が推薦する大統領候補の国民投票による大統領選出。

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『クッルナー・シュラカー』(2月15日付)は、ハサカ県アフリーン市近郊にPKK系でアサド政権と協力関係にあるクルド民族主義政党、民主統一党が展開し、自治を行っていることを示す写真を公開した。

反体制勢力の動き

AKI(2月15日付)は、反体制活動家のアンワル・ブンニー氏が、2月26日に信任投票が発表された新憲法草案に関して、「国民の信頼を欠く政府の産物」と非難、また「現状においていかなる信任投票ができるのか、人々が死んでいる。殉教者や犠牲者の票はどこにあるのか」と述べ、拒否の姿勢を示した、と報じた。

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シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民評議会が共同声明を出し、クルド民族主義勢力の共闘を訴えた。

国内の暴力

反体制活動家によると、ヒムス県、ハマー県などで軍・治安部隊による掃討作戦が続き、31人が殺害された。

うち21人は軍・治安部隊兵士で、アレッポ県アタ-リブ市での離反兵との交戦で死亡した、という。

ヒムス県ではヒムス市の石油精製所につながるパイプラインが爆破された。

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反体制活動家らによると、ダマスカス県ではバルザ区で治安部隊が反体制活動家の大規模摘発を実施した。

Kull-na Shuraka’, February 15, 2012
Kull-na Shuraka’, February 15, 2012

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、カマール・ジュンブラート財団のセミナーで講演し、新憲法草案の信任投票発表を「軌跡」と評した。

ジュンブラート党首は「我々は今日、(シリアでの)新憲法の公布と憲法第8条(バアス党を「社会と国家の指導党」と規定する条文)の廃止という「軌跡」を耳にした…。バアス党は自らをすげ替えようとしているが、最善の方法は政権の座を去ることだ」と述べた。

さらに「ターイフ合意は死んだ。我々はスンナ派とシーア派の間の「新たなターイフ合意」、そして新たな和解を必要としている」と付言した。

諸外国の動き

『ハヤート』(2月16日付)が複数の外交筋の話として伝えたところによると、フランスが提案した「人道回廊」構想が、16日に予定されているアラン・ジュペ外務大臣とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とのウィーンでの会合で議論され、安保理での新決議採択がめざされる、という。

同構想は、シリアの人口密集地域とトルコ国境、レバノン国境、ヨルダン国境、地中海岸ないしはシリア国内の空港を結び、人道支援を行い、その警備には「武装した監視団」があたる、というもの。

この動きは、国連総会の対シリア決議案において、①暴力行使が続く現状への責任をアサド政権だけでなく反政府勢力に対しても追求することと、②アラブ連盟決議における行程表が示した日程を削除することを求めたロシアの修正提案が却下されたことを受けたもの。

同決議案は、西側諸国、親米アラブ・イスラーム諸国約70カ国が支持しているが、ロシア、中国、イラク、レバノン、アルジェリア、スーダンは反対するものと思われる。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「我々のパートナーの一部は対話ではなくシリア政府を最初から排除し、シリア政府を孤立させようとしている…。これは間違いだ」と西側諸国を批判、政治的対話に基づく解決の必要を改めて強調した。

またアサド大統領による新憲法草案国民投票の日程発表に関して「一党のヘゲモニーを限定する新憲法は前進だ」と高く評価した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣はフランス・インフォ(2月15日付)に対して、NGOが残忍な虐殺の行われている地域に到達できるような人道回廊が再び安保理に提起されねばならない」と述べた。

またジュペ外務大臣は、フランス、シリアなどの人権団体使節団との会談で、「シリア国民の支援を望む」組織・団体を資金援助するための基金設立することを決定したことを明らかにした。

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米ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官はシリアでの新憲法国民投票の日程発表に関して、「シリア革命への皮肉」と一蹴し、「改革の約束は常に蛮行の後になされている。アサド体制に残された日は限られている」と批判した。

また米国務省高官は、シリアが保有する化学兵器や地対空ミサイルが「テロ集団」の手にわたらないよう米国が「重点的」に監視していると述べた。

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エジプトのムハンマド・アムル外務大臣は、ヒムス市などでの弾圧を「受け入れられない」と非難し、アサド政権に暴力の停止を求めた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア情勢をめぐる米国高官らとの会談に関して、「政治的レベルだけでなく、人道レベルでも」対応する必要があると述べた。

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3月にバグダードで予定されているアラブ連盟首脳会議に関して、イラクの地元消息筋は、イラン、トルコがオブザーバーとして参加する可能性があると報じた。

これに対してイラク政府は、これを否定、また加盟資格凍結中のシリアのアサド大統領以外のアラブ諸国首脳が招待されているのみだと発表した。

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スイス外務省は、ダマスカスのスイス大使館を閉鎖すると発表した。

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アズハル機構のアフマド・タイイブ師は、アラブ諸国に対して、シリア政府の「地獄のような殺人装置」を停止させるよう求めるとともに、シリア軍兵士に対して、民間人への発砲命令を拒否するよう呼びかけた。

AFP, February 15, 2012、Akhbar al-Sharq, February 15, 2012、AKI, February 15, 2012、al-Hayat, February 16, 2012, February 17, 2012、Kull-na Shuraka’, February 15, 2012,
February 17, 2012、Naharnet.com, February 15, 2012、Reuters, February 15,
2012、SANA, February 15, 2012、などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ラタキア市でアサド政権の改革支持、外国の介入拒否、「武装テロ集団」のテロ反対を訴える大規模な集会が組織されるなか、ハリーリー元首相の追悼集会で3月14日勢力指導者らが集結(2012年2月14日)

アサド政権の動き

SANA(2月14日付)によると、ラタキア県ラタキア市でアサド政権の改革支持、外国の介入拒否、「武装テロ集団」のテロ反対を訴える大規模な集会が開催された。

SANA, February 14, 2012
SANA, February 14, 2012

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SANA(2月14日付)は、シリア外務省が国連総会でのナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官の演説に関して、「声明における…新たな言いがかりを断固としてシリアは拒否する」との意思を明示するとともに、「人権高等弁務官はシリアを標的とし、武装集団が行うテロ犯罪行為を無視する一部の国の手先に成り下がった」と非難した、と報じた。

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Kull-na Shuraka’, January 11, 2012
Kull-na Shuraka’, January 11, 2012

『クッルナー・シュラカー』(2月14日付)は、アサド家に近い消息筋の話として、アサド大統領の長男のハーフィズくんは数ヶ月前に既にシリア国外で生活していると報じた。

同報道によると、ハーフィズくんは、1月にアサド大統領がダマスカス県内のウマウィーイーン広場での政権支持集会に参加した際に公開されたアスマー・アフラス婦人らの「ねつ造写真」(1月11日付)にも写っていなかったという。

なおこの写真には、アスマー婦人、長女のザインちゃん、次男のカリームくんの3人が写っている。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のバスマ・カドマーニー報道官は、外交官らが政権を離反しない理由に関して、「人々が家族、親戚、財産への復讐を恐れている。厳格な検閲が行われており、体制の恐怖に怯えている」と解釈し、「国内で離反しない人々は外国からの明確なサインを待っている」と述べ、民衆とのつながりを欠き、動員力を欠く反体制勢力の政治目標を実現するため、民衆ではなく外国の支持が必要だとの見方を示した。

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シリア国民評議会のバスマ・カドマーニー報道官は2月15日に運営委員会がカタールの首都ドーハで会合を開き、ブルハーン・ガルユーン事務局長の後任の選出、ないしは再任を行うと発表した。

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シリア・クルド国民評議会のアブドゥルハキーム・バッシャール代表(シリア・クルド民主党(パールティー)書記長)は声明を出し、シリア内外のクルド人に対して「蜂起」を呼びかけ、アサド政権の「クルド人に対する行為、影響力、そして権威を制限」するよう訴えた。

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シリア国内で「シリア国民民主諸勢力祖国連立」という新たな反体制政治同盟が結成され、発足声明を発表した。

同連立は、アサド政権の打倒、民主的市民国家の建設、国内の安定・平和などをめざす組織で、以下の政党・政治組織が参加している。

自由で民主的なシリアのための「ともに」運動
国民会合
シリア国民ブロック
市民権潮流
シリア左派連立
ジャルマーナー国民民主行動委員会
変革ビジョン
シリア革命左派
シリア革命支援委員会

いずれも無名の組織である。

国内の暴力

シリア人権監視団は、ヒムス県ヒムス市、ハマー県などで軍・治安部隊による反体制武装集団への掃討作戦が続き、少なくとも25人が死亡したと発表した。

同監視団によると、被害の多くはヒムス市で発生したほか、ハマー県での軍・治安部隊と離反兵との戦闘で前者の兵士5人が死亡した、という。

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一方、シリア革命総合委員会は、各地で35人(うちヒムス市で11人)が殺害されたと主張した。

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複数の活動家らによると、ヒムス県ヒムス市バーブ・アムル地区のほか、ラスタン市、ダマスカス郊外県ランクース市、ダルアー県タイバ町で大規模な弾圧が行われているという。

自由シリア軍を名のる反体制武装集団は、ダルアー県ラジャート高原で拘束した士官と兵士を尋問するビデオを公開した。

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SANA(2月14日付)は、ハマー県ハマー市で武装テロ集団の武器庫を発見、大量の武器弾薬を応酬したと報じた。

またヒムス県ヒムス市内各地区で、武装テロ集団が、治安維持部隊の追跡を逃れようとして、住宅地を爆弾で爆破し、治安を混乱させようとしていると報じた。

レバノンの動き

Naharnet.com, February 14, 2012
Naharnet.com, February 14, 2012

ラフィーク・ハリーリー元首相(2005年2月14日暗殺)の命日にあたる14日、ベイルート中心にあるBIELで3月14日勢力が追悼集会を行い、各党指導者が演説を行った。

シリアの反体制勢力への支持の姿勢には若干の温度差が見られた。

追悼集会には、レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表、レバノン・カターイブ党最高党首のアミーン・ジュマイイル元大統領、ファーリス・スアイド3月14日勢力事務局長、ムスタクバル潮流のフアード・スィニューラ元首相、バヒーヤ・ハリーリー議員(S・ハリーリー前首相のおば)らが参列した。

パリに滞在中の次男サアド・ハリーリー前首相は集会には参列せず、巨大スクリーンを通じて演説を行った。

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首と息子で後継者と目されているタイムール・ジュンブラート氏および党の追悼団とともに、R・ハリーリー元首相廟を墓参したが、祝典には参列しなかった。

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レバノン軍団のジャアジャア氏は、「未来は…主権を有し、自由で独立したレバノンに帰属しており、ヴェラーヤテ・ファギーフ(イラン・シリア)枢軸に属していない」と述べ、ヒズブッラーを批判した。

またヒズブッラーが参画しているナジーブ・ミーカーティー内閣を「国内の卑劣な紛争を放置する卑劣な政府」と非難するとともに、「去りつつある者(アサド政権)どもとともに去るだろう」と述べた。

そのうえで、シリアでの反体制運動に関して、「政府および政府機関における一部の者たちが、体制の意思や命令を見たそうと躍起になり…、無実の人々、避難民らを迫害している」と非難、「民主的で自由なシリアの新体制がレバノンの独立をもっとも支援し、二国間の歴史において前政権が綴った暗黒のメージをめくる真の機会を与えるだろう」と述べた。

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レバノン・カターイブ党最高党首のジュマイイル元大統領は演説で、「アラブ諸国での反体制蜂起を支援し、レバノン人が違法な武器によって囚われの身になることを受け入れることが論理的と言えようか?」と述べ、レバノン特別法廷を通じたハリーリー元首相暗殺の真相究明やヒズブッラーなどの武装の必要を「アラブの春」に伴う政治変動と順接的に結びつけようとしたが、シリアでの反体制運動への明言は避け、その介入への慎重な姿勢を暗示した。

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3月14日勢力のスアイド事務局長は、シリア国民評議会のメッセージを代読した。

同メッセージにおいて、シリア国民評議会は「シリアの一部ではない、独立したレバノン」を支持するとしたうえで、レバノン内政干渉を行わないと誓約した。

またレバノンとのより適切な外交関係を構築し、「シャブアー農場から」国境画定を行うとの立場を示した。

これは北部からの国境画定を主張するアサド政権に対抗したスタンスである。

そのうえで「シリアの民主主義はレバノンの民主主義を支持する」として、3月14日勢力の「杉の木革命」への支持を表明した。

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S・ハリーリー前首相は巨大スクリーンを通じて、「私はシリア国民との団結することにおいて責任を負う」と述べ、シリアの反体制運動との連帯を宣言した。

「レバノンは、アラブの春による新たな政治的段階、そしてシリアの政府の終わりの始まりに向かって進んでいる…。シリアでの民主制の確立はレバノンの民主制を強化する」と述べ、シリア国民評議会への協力の意思を示した。

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アドナーン・マンスール外務大臣が自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官と会談し、アラブ連盟外相会合の決議で提起されたアラブ・国連共同平和維持軍の是非について意見を交換した。

会談後、マンスール外務大臣は「レバノンの立場と一致しない危険な文言を含んでいる」と述べ、アラブ連盟外相会合の決議を批判した。

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Naharnet.com(2月14日付)は、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首が、アル=カーイダのアイマン・ザワーヒリー氏によるシリアの反体制運動支持声明に関して、「シリアの諜報機関によって調整された」と断じた。

ジュンブラート党首は、アサド政権がアル=カーイダと国内の反体制運動をリンクさせることで、「テロリスト一味」が国を不安定化させているとの主張を正当化しようとしていると説明した。

諸外国の動き

RT(2月14日付)は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が記者団に対して、「国際社会は反体制勢力が政府との対話に応じないよう煽動するのに少なからぬ努力をしている」と述べ、西側諸国が結成をめざすシリアの友連絡グループに関して、「一方の当事者」の立場を支持しているに過ぎないと批判した、と報じた。

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中国の温家宝首相は中国・EU首脳会談での記者会見で、「中国は、いかなる(紛争)当事者も保護しない。シリア政府も含めて」と述べ、「シリアにおける戦争、混乱の回避が急務」との立場を示した。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長との会談に先立って、アサド政権による反体制勢力の弾圧に対して「厳しい態度」で臨む必要があると非難の意を示した。

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フランス外務省報道官は、2月24日にチュニジアで予定されているシリアの友連絡グループの会合に関して、「可能な限り広範」にグループが結成されることを望むと述べるとともに、関係各国と同グループに関して具体的な調整を行っていることを明らかにした。

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ロイター通信(2月14日付)は、カイロのアラブ外交筋の話として、アラブ連盟外相会議の決議で反体制勢力への政治的・物質的な支援の拡充が確認されたことを受け、「我々はまずは財政、外交面で反体制勢力を支援するが、政府が殺戮を続ければ、民間人の自衛を支援せねばならない」として、武器支援の可能性を示唆した。

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バーレーン通信(2月14日付)は、ダマスカスのバーレーン大使館常駐代表公邸が武装集団が侵入し、個人財産多数を盗んだとバーレーン当局が発表、在マナーマのシリア大使館常駐代表(ファーイザ・イスカンダル女史)に抗議の意を伝えたと報じた。

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『ドゥストゥール』(2月14日付)は、ヨルダンのアブドゥルイラーフ・ハティーブ元外務大臣は、在ダマスカス連盟常駐代表への就任を辞退したと報じた。

AFP, February 14, 2012、Akhbar al-Sharq, February 14, 2012、AKI, February 14, 2012、al-Dustur, February 14, 2012、al-Hayat, February 15, 2012、Kull-na Shuraka’, February 14, 2012、Naharnet.com, February
14, 2012、Reuters, February 14, 2012、SANA, February 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

「国連アラブ加盟国」がアラブ連盟行程表への支持、「シリア政府の国民への人道に対する罪」を停止させるための緊急行動、同問題の国際刑事裁判所への提訴を求める決議案を国連総会に提出(2012年2月13日)

国連総会の動き

エジプト、サウジアラビア、リビア、チュニジアなどからなる「国連アラブ加盟国」は、アラブ連盟行程表への支持、「シリア政府の国民への人道に対する罪」を停止させるための緊急の行動、本問題の国際刑事裁判所への提訴を求める決議案を国連総会に提出した。

SANA, February 13, 2012
SANA, February 13, 2012

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国連総会はこれを受けるかたちで、人権理事会の事実調査委員会報告の内容検討に入った。

シリア、イラン、北朝鮮代表が異議を申し立てたが却下された。

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ナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官は総会で、アサド政権が「民間人保護の誓約を履行することに失敗した」と非難、「シリア軍による犯罪とその規模は、2011年3月以来人道に対する罪が犯されていることを示す」と指摘した上で、国際社会に対して民間人保護のための緊急の行動を呼びかけるとともに、本件を国際刑事裁判所に提訴するよう訴えた。

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サウジアラビアのアブドゥッラー・ムアッリミー国連代表は、シリア国民の叫びに耳を傾け、流血停止と民間人保護のための行動を行うべきだと主張、アラブ・国連共同平和維持軍の発足を呼びかけた。

なおこれと合わせて、ムアッリミー国連代表は、イスラエルの占領を「より深刻なかたちで人権侵害を体現している」といった曖昧な表現で批判し、国際社会への対処を呼びかけることで、自国のダブルスタンダードを包み隠そうとした。

ムアッリミー国連代表は、安保理での対イスラエル非難決議に対して米国が38回にわたって拒否権を発動している事実については、当然のことながら言及しなかった。

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連総会の開催に関して、総会議長が「政治的な理由」で招集したと非難し、「総会で実施されている措置に違反がある」として、招集を取り消すよう求めたが、却下された。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、国連総会で開かれたシリア情勢に関する会合で、アラブ・国連共同平和維持軍の発足・派遣構想に関して、政府と反体制勢力の停戦が先決と述べ、消極的な姿勢を示した。

またチュルキン国連大使は反体制武装集団を統制できない反体制勢力を批判するとともに、平和維持軍の派遣にはアサド政権の承認が必要になるとの見方を示した。

国内の暴力

ヒムス県など各地で軍・治安部隊による反体制武装組織の掃討作戦が継続されたが、反体制勢力、アサド政権双方の被害状況に関するプロパガンダ合戦は若干低調となった。

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ロンドンで活動する反体制組織のシリア人権監視団は、複数の活動家、目撃者らからの情報として、ヒムス県ヒムス市、ラスタン市など各地、ハマー県ハマー市などで軍・治安部隊による掃討作戦が続き、武装反対勢力(離反兵)と激しく交戦、約25人が死亡した。

うち兵士3人がラスタン市で、民間人2人がヒムス市、1人がイドリブ県で、1人がハマー市、1人がダマスカス郊外県マダーヤー町で死亡した、という。

シリア人権監視団によると、ヒムス市での掃討作戦はバーブ・アムル地区、ワアル地区を中心に行われている、という。

またこれらの消息筋によると、ダルアー県ラジャート高原では離反兵に圧力をかけるため、彼らの母4人が逮捕された、という。

一方、シリア人権監視団によるとダルアー県ダーイル町では、アレッポ市での同時自爆テロの犠牲者の葬儀に約10,000人が参列した。

アサド政権の動き

SANA(2月13日付)は、シリア政府高官の話として、シリアがアラブ連盟外相会合の決議を「あからさまな内政干渉と主権への抵触」とみなし、拒否すると報じた。

同報道によると、この高官はまた決議が一部のアラブ諸国のシリアに対する「陰謀計画」の一環をなし、シリアをめぐる問題を「国際問題化し、外国の介入を呼び込むためにアラブ連盟の役割を失わせようとしている」との見方を示した。

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工業省は、「武装テロ集団」による破壊工作によって同省管轄下の各機関が被った被害総額が1,061,000,000,000シリア・リラに達するとの評価を発表した。

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ジダール・ネット(2月13日付)は、治安当局が進歩国民戦線加盟政党のシリア民族社会党党員のマフムード・バッカール氏をダマスカス郊外県シャブアーの自宅で逮捕したと報じた。

同報道によると、バッカール氏は戦線の会合でアサド政権による弾圧を度々非難していた、という。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は、シリアの反体制勢力を後援するジャズィーラ(2月13日付)のインタビューに応え、アラブ連盟外相会合の決議に関して、「シリア政府を絞首刑に処する死刑台への第1歩」と高い評価を下した。

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シリア革命総合委員会は声明を出し、アル=カーイダのアイマン・ザワーヒリー氏の声明に関して、「この声明、そしてアル=カーイダが我々の革命に干渉しようとするあらゆる試みを断固として拒否する」との意思を示した。

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DPA(2月13日付)は、シリア(解放)革命最高軍事評議会のムスタファー・シャイフ准将に電話取材を行い、同准将が「反体制勢力の軍事的指導部統一を妨げるものは何もない。なぜなら我々は政治勢力ではなく、軍事勢力であり、権力や政権を求めて争い合っているわけではないからだ」と述べたと報じた。

また「我々とリヤード・アスアド大佐が率いる自由シリア軍との間には何らの問題もない。単に、組織に関するビジョンや行動のありようをめぐる意見の相違があるだけだ」と付言した。

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自由シリア軍のアブドゥッサラーム・アフマド・アブドゥッラッザーク大尉はアラビーヤ(2月13日付)に対して、アサド政権がイランとロシアの専門家の監督のもと、反体制運動弾圧のために国際的に禁止された有毒ガスを使用していると語った。

だがその真偽は定かでない。

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は党機関誌『アンバー』でアラブ連盟外相会合でのレバノン政府の対応に関して、「シリア国民に対する抑圧を停止させるための政治的、人道的、道徳的責任を敬遠した」と非難した。

イラクの動き

イラク内務省のアフマド・ハッファージー支援軍担当次官は『ハヤート』(2月14日付)に対して、「イラク治安軍は対シリア国境に重点的に展開しており、武装テロ集団のいかなる通過や潜入もない」と述べ、イラクからのテロリスト潜入に関する情報を「イラクの敵が発信した単なる嘘」と断じ、アドナーン・アサディー筆頭次官(ダアワ党)の前言を暗に批判した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はUAEのアブドゥッラー・ブン・サーイド外務大臣とモスクワで会談した。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣はアラブ連盟外相会合の決議案に関して、「このイニシアチブを検討し、アラブ友諸国からいくつかの点に関して説明を待つ」と述べた。

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中国外交部報道官は、定例記者会見で「アラブ連盟に政治的仲介の努力継続を呼びかける…。国連の行動は、シリアの緊張を緩和し、紛争解決のための政治的対話を支持するためになされねばならない」と述べた。

またアラブ連盟の決議に関して、「中国の立場に一致する国際社会のイニシアチブについては北京はそれを支持するだろう」と答えた。

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訪米中のアフメト・ダウトオール外務大臣はヒラリー・クリントン米国務長官と会談し、24日にチュニジアで開催予定の「シリアの友連絡グループ」会合などに関して意見を交わした。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表の報道官は、アラブ・国連合同平和維持軍の派遣を求めたアラブ連盟外相会合の決議に関して、弾圧を即時停止させるための「あらゆるイニシアチブも支持する…。そのなかには国連との協力のもとに現地へのアラブのさらなる展開も含む」と述べた。

またイギリス、フランス、ドイツもアラブ連盟外相会合の決議に関して支持を表明した。

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国連の潘基文事務総長は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長に対して、アラブ・国連共同平和維持軍の発足とシリアの派遣には、安保理の許可が必要だと告知した。

事務総長報道官が声明を通じて明らかにした。

AFP, February 13, 2012、Akhbar al-Sharq, February 13, 2012、Alarabia.net, February 13, 2012、DPA, February 13, 2012、al-Hayat, February 14, 2012、Jidār.net, February 13, 2012、Naharnet.com, February
13, 2012、Reuters, February 13, 2012、SANA, February 13, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アル=カーイダのザワーヒリー指導者がシリアの反体制運動への支持を表明、アラブ連盟緊急外相会合が開催され「アラブ・国連合同平和維持軍」発足に関する決議の採択を安保理に求める閉幕声明を採択(2012年2月12日)

アル=カーイダ

アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリー氏がビデオ映像を声明を配信し、シリアの反体制運動への支持を表明した。

声明でザワーヒリー氏は、「ジハードを行う我らが勇敢なる英雄たちは日々、その力と忍耐…を増し、世俗的・宗派的体制に対する栄光と尊厳のための戦いを行っている」と反体制運動を絶賛し、シリア国民に対して「西側、米国、アラブ諸国政府、トルコ…に依存しない(よう)…。シリア国民よ、「ない袖をふれない」状態にあるアラブ連盟とそれに従属する腐敗した政府に依存するな」と語った。

Naharnet, February 12, 2012
Naharnet, February 12, 2012

また「これらの者ども(アラブ諸国)は、イスラエルに対して聖戦を行う自由で、独立した強力なシリアを望んでもいなければ、イスラエルを承認し、世界システムに迎合するような弱体化した従属的なシリアも望んでいない…。腐敗した(シリアの)政府は動揺を始めた…。蜂起と怒りを継続せよ。イスラームによって政治がなされる独立した名誉ある政府以外を受け入れるな」と述べた。

またトルコ、イラク、ヨルダン、レバノンのイスラーム教徒たちに対して「持ち得るすべのものをもってシリアの同胞を救済する」よう呼びかけた。

ザワーヒリー氏の声明は、反体制運動を支持しているという点で反体制勢力に同調するものと解釈できる一方、「ない袖は振れない」といったワリード・ムアッリム外務大臣の発言を模した点や国際社会の介入を拒否するという点でアサド政権寄りと解釈できる。

しかし、こうした両義的な姿勢は、シリアの将来に関して中長期的なビジョンを有さない西側諸国のスタンスにもっとも質的に近いと評価できよう。

アラブ連盟の動き

al-Hayat, February 13, 2012
al-Hayat, February 13, 2012

アラブ連盟緊急外相会合がカイロで開催され、「アラブ・国連合同平和維持軍」発足を求める決議の採択を安保理に求める閉幕声明(決議)を採択した。

同決議では、このほか、ムハンマド・アフマド・ダービー氏を団長とする連盟監視団の活動を終了を宣言するとともに、現シリア政府代表とのすべての外交協力関係の停止、反体制勢力との連絡経路の確保、政治的物質的支援の拡充、運動統一に向けた支援を決定した。

また1月24日にチュニジアで開催予定の「シリアの友」会議への支持も表明されるとともに、国連総会において、「国連のアラブ諸国加盟国」がアラブ連盟の行程表への支持を求める決議案を提出したことも明記された。

同決議に関して、レバノンはすべての文言への態度を保留し、反対の意思を表明した。

またアルジェリアは、国連総会に関する文言への態度を保留し、シリア問題を国連で議論することへの異議を示した。

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決議の内容は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の会合での発言に沿ったもので、同外相をはじめとするGCC諸国外相は外相外交に先立って会合を開き、対応を審議していた。

シリア情勢に関して、サウード・ファイサル外務大臣は「エスニック・宗派戦争でもゲリラ戦争でもなく、シリア国民に対する集団的粛清であり、人道的、道徳的、宗教的な考慮を欠いた国家による国民の制圧」とアサド政権の暴力のみを一方的に非難した。

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外相会合閉幕後、ユースフ・アフマド連盟大使は、決議内容「全体、そして詳細を拒否する」とのシリアの姿勢を明示し、「シリアが欠席するなかで連盟から出されるあらゆる決議はシリアとは無関係だ」と非難した。

また決議内容が「カタールとサウジアラビアが主導するアラブ諸国政府が、真にスキャンダラスなかたちで、アラブの共同行動、連盟の決定を人質にとり、アラブ集団行動を改ざんしている」と酷評し、国連での外国の介入を求める決議案を廃案に追い込まれた国々の政府の「ヒステリーと混乱」が表れていると述べた。

SANA(2月12日付)が伝えた。

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連盟監視団の停止宣言に関して、ムハンマド・アフマド・ダービー団長は『ハヤート』(2月13日付)に対して「私を解任する権利は彼らにある」としながらも、「誰も私に辞表提出を要請していない」と述べ、GCC諸国の独断主義への不満の意を暗に示した。

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サウジアラビア通信(SPA)(2月12日付)は、シリア外務省高官が「サウジアラビア王国の名で国連総会に対していかなる決議案も提出していない」と述べた。

同報道によると、国連のアラブ加盟諸国が、サウジアラビアの決議案を「国連のアラブ加盟諸国」の名で共同提出するか否かを検討しているに過ぎない、という。

国内の暴力

シリア革命総合委員会によると、ヒムス県ヒムス市、ラスタン市、ダルアー県、イドリブ県、ハサカ県、ダマスカス郊外県で少なくとも24人(うち子供3人、女性3人)が殺害された。

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シリア人権監視団によると、ヒムス県ヒムス市バーブ・アムル地区への軍・治安部隊の砲撃で少なくとも33人が死亡した。また同県ラスタン市では女性1人が、ダルアー県ダルアー市では子供1人が殺害された、という。

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ダマスカス郊外県では、ザバダーニー地元評議会報道官を名のる活動家が、軍・治安部隊が同市を制圧したとの一部情報を否定した。

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SANA(2月12日付)によると、ダマスカス郊外県タッル・クルディー地方で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、テロリスト1人を殺害、6人を逮捕した。

このほか、各地で武装テロ集団を追い詰めて逮捕、大量の武器を押収したという。

一方、同通信社は、ヒムス市カラービース地区で、軍の大佐が武装テロ集団に誘拐された、と報じた。

アサド政権の動き

SANA, February 12, 2012
SANA, February 12, 2012
SANA, February 12, 2012
SANA, February 12, 2012

SANA(2月12日付)は、アサド大統領がシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会メンバーと会談し、同委員会が作成を完了した修正憲法草案を受け取ったと報じた。

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SANA(2月12日付)は、ファイサル・ミクダード外務次官は、内外の記者団を前に。、「来るべき段階で…武装テロ集団への潜伏場所を提供し、財政支援、情報提供を近隣諸国に対して、武装テロ集団メンバーの指導者の引き渡しを求めることになる」と述べた。

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SANA(2月12日付)は、政党問題委員会が、アラブ民主団結党(本部ラッカ県)を新たに認可したと報じた。

レバノンの動き

レバノン在住のシリア人らがベイルートの中国大使館前で、安保理での拒否権発動に抗議するデモを行った。

イラクの動き

エジプトのMENA(2月12日付)は、イラクのアリー・ダッバーグ内閣報道官の話として、3月にバグダードで予定されているアラブ連盟首脳会議にイラクはアサド大統領を招待しないとの方針を決め、そのことがアサド大統領を憤慨させたと報じた。

諸外国の動き

ローマ法皇ベネディクト16世はシリア情勢に関して、「暴力と流血の停止」を呼びかけるとともに、「すべての政府に対して、対話と和平の方途を選択する」よう呼びかけた。

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アナトリア通信(2月12日付)は、ハタイ県のキャンプに避難していた自由将校運動(自由将校旅団)リーダーのフサイン・ハルムーシュ大佐とムスタファー・カースィム氏がシリア当局に引き渡された件に関して、トルコの司法当局が、事件に関与したとされる容疑者5人をスパイ容疑で逮捕したと報じた。

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イスラエル国防軍は、アサド政権が事態を掌握してないとし、シリア情勢に伴ういかなる困難にも対処する容易ができていると発表し、対シリア国境の警戒を強化していることを明らかにした。

AFP, February 12, 2012、al-Hayat, February 13, 2012、Kull-na Shuraka’, February 12, 2012、MENA, February
12, 2012、Naharnet.com, February 12, 2012、Reuters, February 12, 2012、SANA,
February 12, 2012、SPA, February 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国民評議会の使節団がアラブ連盟の事務総長および次長と会談、また同事務総長は国連に対し連盟・国連合同監視団のシリア派遣を要請(2012年2月11日)

SANA, February 12, 2012
SANA, February 12, 2012

国内の暴力

『ハヤート』(2月12日付)によると、ヒムス県ヒムス市バーブ・アムル地区、ダマスカス郊外県ザバダーニー市に対する軍・治安部隊の掃討作戦が続き、25人(うち19人が民間人)が死亡した。

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SANA(2月11日付)によると、武装テロ集団3人が、ダマスカスハーミーシュ軍事病院に勤務する軍医のイーサー・フーリー准将を自宅から連れ出し、暗殺した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・アムル地区での軍・治安部隊の攻撃で民間人9人が殺害された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市マハッタ地区に軍・治安部隊が侵入したが、自由シリア軍の応戦を受け、撤退した、という。

また市民3人が軍・治安部隊の砲撃により死亡した。

一方、ドゥーマー市のカビール・モスクに軍・治安部隊が突入し、礼拝中の市民を逮捕した、という。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムサイフラ町で軍・治安部隊が市民5人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、アレッポ市での前日の自爆テロを受け、市内各所に治安部隊が多数展開し、厳戒態勢をとった。

アサド政権の動き

SANA, February 12, 2012
SANA, February 12, 2012

ダマスカス県ウマイヤ・モスク、聖マリア教会で、10日のアレッポ市での同時自爆テロの犠牲者を追悼する集団礼拝・ミサが行われた。

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『クッルナー・シュラカー』(2月11日付)は、ハサカ県の治安当局と関係があることで知られるH・A氏が、ラアス・アイン市で慈善団体を発足するためクルド人をリクルートしていると報じた。

同報道によると、リクルートされたクルド人の多くは、PKK系の民主統一党の支持者で、月収3,000シリア・リラを約束されているという。

また彼らは自身のIDや戸籍(の写し)をH・A氏に提出しており、これらの情報は、政党結成を計画しているとされるラーミー・マフルーフ氏によって利用される、という。

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シリア政府はチュニジア、リビア両国に対して、72時間以内にダマスカスの両国大使館を閉鎖するよう通告した。両国でのシリア大使館閉鎖に対する対抗措置。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会運営委員会の使節団がアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長および次長と会談し、『ハヤート』(2月12日付)によると、アラブ連盟のイニシアチブ、アラブ・イスラーム諸国による監視団の派遣などについて意見を交換した。

使節団はバスマ・カドマーニー報道官、アフマド・ラマダーン氏、アブドゥルバースィト・スィーダー氏、アディーブ・シーシャクリー氏、ジブル・シャウキー氏からなる。

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2月6日にシリア(解放)革命最高軍事評議会の発足を宣言していたムスタファー・シャイフ准将がシリア国民と国際社会に向けて声明を出し、「シリア解放革命最高軍事評議会は国土解放と殺人・虐殺体制の転覆…のために結成された」とその存在を改めて固持した。

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シリア・ムスリム同胞団のファールーク・タイフール副監督者は、「我らが人民を支援するための国際的介入と措置を必要とするような深刻な人道的虐殺が行われている」と述べ、国際社会に人道的な介入を呼びかけた。

レバノンの動き

アドナーン・マンスール外務大臣はクウェート紙『ラアユ』(2月12日付)に対して、アラブ連盟においてシリアの安定を脅かす決定がなされた場合、沈黙せずにレバノンの立場を明示すると述べた。

マンスール外務大臣は「我々は沈黙しないだろう。率直に意見を述べる権利を持っているがゆえ、偽証者にならない…。レバノンとシリアの治安は絡み合っている。シリアが火に包まれれば、その炎はレバノンに達する」と述べた。

またGCC諸国などが大使を召還した動きに関して、「GCC諸国の問題だ。我々がしたいのは、シリアを助け解決策を見つけ出し、危機を終わらすことであって、ことを複雑にすることではない」と述べ、暗に批判した。

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ナハールネット(2月11日付)などによると、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で10日から続いていたアサド政権反対派住民と支持者住民の衝突は、国会議員らの仲介によって停戦に合意し、国軍が展開、事態は収束した。

仲介を行ったのは、アフマド・カラーミー国務大臣(団結ブロック)、サミール・ジスル議員(ムスタクバル潮流)、マイーン・マルアビー議員(ムスタクバル潮流)。

住民の武器引き渡し、国軍などへの全面協力などで合意した。

衝突では3人が死亡、23人が負傷した。

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ムスタクバル潮流の政治的見解を代弁する『ムスタクバル』(2月11日付)は、シリアからレバノンにヒズブッラーのメンバー2人の遺体が搬送された、と報じた。

同報道によると、遺体は南部県スール市の病院に搬送された、という。

同報道は、ヒズブッラーがアサド政権による反体制運動の掃討作戦に参加しているという宣伝のために流されたと思われる。

イラクの動き

イラクのアドナーン・アサディー内務次官は「イラク人ジハード戦闘員」がイラクからシリアに潜入し武装破壊活動を行っていると述べるとともに、イラク領内からシリアへ武器密輸がなされていることを認めた。

アサディー内務次官は、モスルでは、カラシニコフ銃が一丁100~200ドルだったのが、1,000~1,500ドルになるなど、武器価格が高騰しており、またモスルからルバイア国境を経由して、シリアに武器が密輸されていると指摘した。

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ラマーディー市では、宗教関係者、部族の指導者らが反アサド政権のデモを行い、約500人が集まった。

諸外国の動き

ロバート・フォード在ダマスカス・シリア大使は大使館のフェイスブックのページで、ヒムス市などの「広範な」弾圧の跡が映し出されたとされる衛星写真を公開した。http://www.facebook.com/syria.usembassy#!/photo.php?fbid=10150600575457649&set=pu.48261722648&type=1&theater

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ロバート・ケリー米上院議員(民主党)とマルコ・アントニオ・ルビオ上院議員(民主党)はバラク・オバマ大統領にシリアの民主主義への実質的転換を「物質的・技術的」に支援する決議案を議会に提出した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は国連の潘基文事務総長に、シリア情勢を監視するための連盟・国連合同監視団の派遣を要請した。

『ハヤート』(2月12日付)によると、合同監視団の派遣は、スーダンのダルフール問題などの判例を踏まえると、国連安保理による決議、シリア政府による受け入れ承認、そして派遣団員の安全確保をクリアする必要がある。

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『ハヤート』(2月12日付)など各国メディアは、サウジアラビアが1月22日にアラブ連盟外相会合で採択されたシリア問題に関する行程表への支持を求めるための国連総会決議案を各国に回付した、と報じた。

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アナトリア通信(2月11日付)は、訪米中のトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が、国連に対してシリアでの弾圧の犠牲者への人道支援要請を行うだろうと報じた。

しかし、ダウトオール外務大臣は『ワシントン・ポスト』(2月11日付)に対して、人道支援が「人道回廊」の設置を意味しないと述べ、本格介入には含みを持たせている。

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マリオ・ゼナリ在ダマスカス・ヴァチカン大使は「キリスト教徒は今日までのところ、キリスト教徒だという理由で(弾圧や暴力の)標的となっていない」と述べた。

AFP, February 11, 2012、Akhbar al-Sharq, February 11, 2012、Facebook、al-Hayat, February 12, 2012、Kull-na Shuraka’, February 11, 2012、al-Mustaqbal, February 11, 2012、Naharnet.com, February 11, 2012, February 12, 2012、al-Ra’y, February 12, 2012、Reuters, February 11, 2012、SANA, February 12, 2012、The Washington Post, February 11, 2012、UPI, February 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アレッポ市で軍事情報局施設と治安維持部隊施設を標的とした自爆テロが発生するなか、シリア国民評議会はドーハで大会を開催し「シリアの友連絡グループ」への対応などを審議(2012年2月10日)

国内の暴力

SANA(2月10日付)など内外のメディアによると、アレッポ県アレッポ市で軍事情報局施設と治安維持部隊施設を標的とした自爆テロ(車爆弾)が発生し、民間人と軍人少なくとも28人が死亡し、235人が負傷した。

SANA, February 10, 2012
SANA, February 10, 2012
SANA, February 10, 2012
SANA, February 10, 2012
SANA, February 10, 2012
SANA, February 10, 2012

負傷者のうち15人は子供だという。

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自爆テロを受け、シリア外務省は国連事務総長、同安保理議長、イスラーム諸国会議機構事務局長、アラブ連盟事務局長、国連人権理事会宛てに書簡を送付、そのなかで同テロを「アラブ、西側諸国が支援する」テロリストによって行われたと非難した。

また安保理に対して、「テロ撲滅の責任を果たすべく、これまでの決議を実行するよう」求めるとともに、「テロ集団に資金や武器を供与する者に、これらの犯罪者、テロリストを国際法に従って引き渡す」よう求めた。

バアス党民族指導部も声明を出し、自爆テロが国内で「殺戮、憎悪、犯罪を唱導する者たちが破綻したことの証」だと非難した。

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事件発生を受け、自由シリア軍の軍事評議会メンバーを名のるアーリフ・ハンムード大佐がBBC(2月10日付)に対して、両施設が車爆弾で爆破されたのではなく、自由シリア軍の攻撃によって破壊されたと宣言、またこの攻撃に施設内の兵士らの協力があったと述べた。

しかし自由シリア軍報道官のマーヒル・ヌアイミー少佐はAFP(2月10日付)に対して、「殺人政府はヒムスで我々の子供たちを殺している。アレッポでの爆発は、自らが犯す罪から視線をそらすことが目的だ」と犯行を否定した。

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一方、シリア国民評議会のナージー・タイヤーラ氏も「事件発生からたった5分で爆発が車爆弾によるとシリア政府がどのように知ることができたのか」と疑問を投げかけ、「遺体はすでに用意されていた」とアサド政権の自作自演を断じた。

またシリア革命調整連合、シリア革命総合委員会などの反体制勢力もこぞってアサド政権による自作自演だと断じた。

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『ハヤート』(2月11日付)によると、各地で金曜礼拝後に反体制デモが散発的に発生し、治安部隊の発砲によって、13人が死亡した。

ダマスカス県・ダマスカス郊外県地元調整委員会報道官を自称するムハンマド・シャーミーを名のる人物によると、反体制デモはダマスカス県マイダーン地区、カーブーン区、マッザ区、バルザ区、カダム区で発生したというが、真偽、規模などは定かでない。

SNN, February 10, 2012
SNN, February 10, 2012
SNN, February 10, 2012
SNN, February 10, 2012

またシリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区、ダルアー県ダーイル町、ラタキア県ラタキア市サンクトゥーリー地区などでもデモが発生し、治安部隊が強制排除を試みたという。

これに先だって、反体制活動家はインターネットなどを通じて「ロシアは我々の子供たちを殺している金曜日」と銘打って、反体制デモを呼びかけていた。

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ヒムス県ヒムス市、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県各地では、軍・治安部隊による反体制勢力の掃討作戦が続き、シリア人権監視団によると、ヒムス市で39人が、また全国で合わせて61人が殺害されたという。

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しかし、SANA(2月10日付)は、国内の暴力が武装テロ集団の犯行と報じた。

同通信社によると、ヒムス県では、武装テロ集団がヒムス市のバーブ・アムル地区の家屋多数を爆破した。またワアル地区で武装テロ集団が爆弾を投げ、1人が死亡した。

ダルアー県では、ダーイル町で武装テロ集団の襲撃を受けた治安維持部隊がテロ集団メンバー2人を殺害した。またブスル・ハリール市では武装テロ集団の襲撃で子供1人が殺害された。

ダイル・ザウル県では、ブーカマール市で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、警官1人が死亡、複数が負傷した。またダイル・ザウル市でも数カ所で爆弾が爆発した。

ハマー県では、ハマー市サーブニーヤ地区で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発した。

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『クッルナー・シュラカー』(2月12日付)は、複数の目撃者の話として、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で、共和国護衛隊と第4師団の間で交戦があったと報じた。真偽は定かでない。

アサド政権の動き

ファイサル・ミクダード外務次官は、シリア・アラブ・テレビ(2月10日付)で、「一部の国はいわゆる「シリアの友グループ」を設立しようとしているが、それはシリア敵対国機構を設立し、シリアへの攻撃や陰謀を準備するためのものである」と述べた。

そのうえでシリア国民に対して「このような構想を恐れることはない。なぜならシリアはこの手の(帝国主義的)陰謀に対して、国民の犠牲、強力な軍、確固たる制度、祖国防衛のための市民の結束をもって常に対処してきたからだ」と付言した。

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『クッルナー・シュラカー』(2月10日付)は、ラーミー・マフルーフ氏が政党発足を検討していると報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会はカタールの首都ドーハで大会を開催した。

大会は12日までの予定で、反体制運動の活動方針、アラブ連盟監視団の派遣問題、西側諸国や一部アラブ諸国が発足を目指している「シリアの友連絡グループ」への対応などについて審議するとともに、任期切れとなるブルハーン・ガルユーン事務局長の後任を選出する予定。

評議会幹部らによると、中国が大会の招致を申し出ていたが、評議会はこれを辞退し、カタールでの開催を決定したという。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は訪問中のカタールで世界イスラーム教ウラマー連盟(ユースフ・カラダーウィー代表)が主催する「シリア救済フェスティバル」に出席し、「我々は安保理で拒否権が行使されて以来、シリア政府とロシアが対話を強いるために準備した真の陰謀に直面している」と述べ、アサド政権との対話をあくまでも拒否する姿勢を示した。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、アラブ連盟が審議を予定している監視団の再派遣が「少なくとも現状において真摯とは言えない呼びかけ」と指摘、監視団ではなく、人道・医療機関の派遣が必要であるとの姿勢を示すとともに、国際社会に対して、アサド政権との断交を呼びかけた。

レバノンの動き

ナハールネット(2月10日付)によると、レバノン国軍の戦車、兵員輸送車輌多数が北部県アッカール郡フナイダル村、クナイサ村に展開し、武器密輸の監視にあたった。

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ムスタクバル潮流を指導するサアド・ハリーリー前首相は事務所を通じて声明を出し、アラブ諸国に対して、シリア国民評議会をシリア国民の「正当な代表」として承認するよう呼びかけた。

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AFP(2月10日付)によると、北部県トリポリ市郊外のアビー・サムラにある武器庫近くでシリア人3人が暖を取るために熾していた焚き火の火が引火し爆発、3人が犠牲となった。

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AFP(2月10日付)によると、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区でアサド政権反対派住民と支持者住民が衝突し、5人が負傷した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「リビア・シナリオのシリアへの適用は…国際社会の安定を損ね、国連憲章が定める諸原則を揺るがす」と述べた。

またセルゲイ・リャプコフ外務次官は、反体制勢力も流血が続く状態の責任を負っていると述べるとともに、「シリアの反体制勢力を煽動する西側諸国…、武器を供与する国々も、反体制勢力とともに事態悪化に寄与している」と批判した。

SANA(2月10日付)によると、ロシア外務省は自爆テロへの非難を表明し、暴力の即時停止のための政府と反体制勢力による無条件の対話を呼びかけた。

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SANA(2月10日付)は、イランのアリー・サーレヒー外務大臣が共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師と会談し、「シリアへの圧力はレジスタンスを支持するその姿勢に起因する」と述べ、多方面で現下の危機解消に向けて、シリアを支持するとの意思を表明したと報じた。

イラン国営通信(2月10日付)は、イラン資源省の信頼できる消息筋から得た情報として、誘拐されていたイラン人技術者7人(ヒムス市ジャンダル発電所に勤務)がヒムス市近郊で釈放された、と報じた。7人は、「シリア・シーア派拡大反対運動」を名のる組織に誘拐されていた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は訪問先の米国で記者会見を開き、「国際社会が動かないなかで、連日殺されているシリア人を傍観することはできない」と述べ、「もし国連が動かないのであれば、我々は国際的なフォーラムを作りたい」と述べ、シリアの友連絡グループ構想に対して前向きな姿勢を示した。

アナトリア通信(2月10日付)は、トルコ司法当局が、ハタイ県のキャンプに避難していた自由将校運動(自由将校旅団)リーダーのフサイン・ハルムーシュ大佐とムスタファー・カースィム氏がシリア当局に引き渡された経緯に関する調査を開始したと報じた。

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サウジアラビアのアブドゥッラー国王は、第27回ジャンダリーヤ祭の来賓に対する祝辞で、「事態は吉報ではなかった。なぜなら国連に対する世界全体の信用が揺らいだことは疑いないからだ」と述べ、国連安保理への対シリア安保理決議の否決を批判した。

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イタリア外相は、米国とイタリアが、シリアへの新たな使節団派遣をめざすアラブ連盟の努力を支持することで合意したと述べた。

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パレスチナ人作家・詩人約100人が共同声明を出し、シリア国民との連帯を表明するとともに、アサド政権がパレスチナ問題を政局として利用することを拒否する姿勢を示した。

AFP, February 10, 2012、Akhbar al-Sharq, February 10, 2012、al-Hayat, February 11, 2012、Kull-na Shuraka’, February 10, 2012, February 12, 2012、Naharnet.com, February 10, 2012、NNA, February 10, 2012、Reuters, February 10, 2012、SANA, February 10, 2012、SNN, February 10, 2012などをもとに作成。

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自由シリア軍メンバーを名のる人物がダマスカス郊外県からメッセージを発信し「さらなる武器支援」を要請、国連の潘事務総長が国連・アラブ連盟による合同監視団を派遣する構想を提起(2012年2月9日)

国内の暴力

ヒムス県では、複数の活動家・目撃者によると、ヒムス市で軍・治安部隊による掃討作戦が続き、地元調整諸委員会によると110人余りが殺害されたという。

al-Hayat, February 10, 2012
al-Hayat, February 10, 2012

掃討作戦はバーブ・アムル地区、ハーリディーヤ地区、インシャーアート地区、バイヤーダ地区、ジャウラト・シヤーフ地区で激しく行われ、住民らによると、市内は間断のない砲撃が続く「実戦」の様相を呈し、ライフラインが遮断され、「焼け焦げた遺体」が散乱、家々が破壊されている、という。

一方、シリアの日刊紙『ワタン』(2月9日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区でアル=カーイダと関係がある様々な国籍の武装集団多数を当局が逮捕し、米イスラエル製ロケット弾などを大量に応酬したと報じた。

逮捕された戦闘員の国籍は同報道によると、レバノン人、リビア人、アフガニスタン人など。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家・目撃者によると、マダーヤー町、ザバダーニー市を軍・治安部隊の戦車・装甲車など約350輌が包囲し、掃討作戦を続けているという。

シリア人権監視団によると、ザバダーニー市では市民2人が殺害された。

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SANA, February 9, 2012
SANA, February 9, 2012
SANA, February 9, 2012
SANA, February 9, 2012

イドリブ県では、複数の活動家・目撃者によると、マアッラト・ヌウマーン市で軍・治安部隊による掃討作戦による死者が出た。

シリア人権監視団によると、同市では女の子1人が殺害された。

一方、SANA(2月9日付)によると、武装テロ集団がイドリブ県内の鉄橋を破壊した。死傷者はなかった。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、離反兵が軍・治安部隊を要撃し、7人の兵士を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市で激しい発砲があり、女子供を含む数十人が負傷した。

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地元調整諸委員会によると、全国の死者数は150人近くにのぼったという。

アサド政権の動き

『ダマス・ポスト』(2月9日付)によると、アサド大統領は、政府使節団をモスクワに派遣し、反体制勢力との対話を行う用意があるとの意思を表明した。

同報道によるとこの意思表明は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談時になされ、ファールーク・シャルア副大統領を反体制勢力との対話の責任者に任じた。

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SANA(2月9日付)によると、タルトゥース県シャイフ・バドル市で、外国の干渉拒否、ロシア・中国の姿勢支持、アサド政権支持を訴えるデモが行われた。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(2月10日付)が伝えたところによると、自由シリア軍のムハンマド・イマームを名のる人物がダマスカス郊外県から米国に向けてインターネットを通じてメッセージを発し、外国軍の派遣ではなく、「さらなる武器支援」を要請した。

同メッセージは、ワシントンで開催された中東専門家や特派員の会合に宛てて発信されたもの。

イマーム氏はそのなかで「我々は世界でもっとも残忍な殺人装置の一つと戦っている」としたうえで、離反兵が「軽火器で戦車に応戦している」と述べ武器の不足を認めた。

また「ヒズブッラーとイランの戦闘員がシリア人の弾圧を教練している…。ダマスカス近郊にはヒズブッラーが運営する訓練キャンプがある」と述べ、ヒズブッラーとイランの弾圧を断定した。

イマーム氏によると、離反兵(脱走兵)の数は40,000人を越え、グータ地方(ダマスカス郊外県)、ダルアー県には約20,000人の人々が武装したいと考えているが、武装している離反兵の数は数百人に過ぎないという。

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『フィナンシャル・タイムズ』(2月9日付)は、自由シリア軍のアフマド・アスアド大佐とシリア革命最高軍事評議会のムスタファー・シャイフ准将の不和を解消するため、シリア国民評議会が仲裁に乗り出した、と報じた。

自由シリア軍、シリア革命最高軍事評議会はいずれもトルコに避難している士官らが指導し、国内での反体制活動を指導していると主張している在外組織。

一方、シリア国民評議会も在外有識者やイスラーム主義者の寄り合い所帯。

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シリアのドゥルーズ派の首領の一人ムンタハー・アトラシュ女史は記者会見を開き、アサド政権に対する反乱をアラブ山地方の住民に呼びかけた。

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自由シリア軍(リヤード・アスアド大佐)とシリア革命最高軍事評議会(ムスタファー・シャイフ准将)の共同声明が『クッルナー・シュラカー』(2月10日付)で発表され、後者が前者の国内活動を情報面、兵站面などで支援することに合意し、近く正式な声明を出すことを明らかにした。

アラブ連盟の動き

『ハヤート』(2月10日付)が、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長に近い消息筋として伝えたところによると、2月12日に開催予定のアラブ連盟緊急外相会合では、在外の反体制政治同盟の一つであるシリア国民評議会を「シリア国民の正当な代表」とみなすか否かが審議される予定。

国連の動き

国連の潘基文事務総長は記者会見で、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長から、国連の支援のもとに連盟監視団をシリアに戻したい旨7日に通達されたと発表し、国連とアラブ連盟による合同監視団を派遣する構想を提起した。

潘事務総長はまた、ヒムス市でのシリア軍による攻撃を「恐るべき蛮行」と非難する一方、ロシアと中国の安保理決議に対して「悲惨な失敗」と形容、「シリア国民に対する戦争をエスカレートさせる」との西側寄りの中立性を欠いた見解を示した。

そのうえで「内戦、宗派対立に向かう危険」があるとしたうえで、「受け入れられない段階に達した現状に対して大胆且つ断固たる措置」を講じる必要を訴え、外部介入を唱導した。

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フランス外務省はアラブ連盟監視団の活動再開に関して、「自由な移動と必要な連絡が行われねばならない」と述べ条件をつけつつも、支持する意思を示した。

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スーザン・ライス米国連大使は、潘事務総長の提案に対して、「検討する」と述べた。

一方、米国防相報道官は、シリア情勢に関して、軍事介入を念頭に置かず、「外交的方法を優先している」と改めて述べた。

レバノンの動き

MTV(2月9日付)は、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区で爆弾3発が爆発したと報じた。

バーブ・タッバーナ地区はスンナ派(反アサド政権、親3月14日勢力)が多く居住しており、アラウィー派(親アサド政権、親3月8日勢力)が多く住む隣接するジャバル・ムフスィン地区との対立が絶えない。

諸外国の動き

『ハヤート』(2月10日付)によると、西側諸国が現在検討中のシリアの友連絡グループは、国連を通じた「外交的オプション、平和的解決」が息詰まるなかで、「民間人保護」のための「別の選択肢」を検討しているという。

この「別の選択肢」のなかには、フランスが昨年末に提示した人道回廊の設置、ないしは緩衝地帯を対トルコ国境地帯(のシリア領内)に設置するといった案が含まれているが、反体制勢力への軍事支援は含まれていないという。

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西側によるシリアの友連絡グループ構想に関して、ロシア外務省報道官は「国際法の観点から違法」との立場を示した。

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英国のデビッド・キャメロン首相は記者団に対して、アサド政権が「いかなる代償を払ってでも」国民を殺戮しようと計画していると非難した。

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ABC(2月9日付)が伝えたところによると、スイスの最高裁判所は、スイスの銀行が資産凍結していたハーフィズ・マフルーフ准将(総合情報部内務課ダマスカス班長、アサド大統領のいとこ)の資産3,000,000ユーロ(約4,000,000米ドル)の凍結を解除する決定を下した。

マフルーフ准将の代理人によると、この資産は、マフルーフ准将がスイスの制裁対象になる前に売買契約した不動産の代金を支払うための資金の一部だという。

同報道によると、スイスの銀行が資産凍結したシリア政府高官らの資金の総額は50,000,000スイス・フラン(約60,000,000米ドル)。

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イラン大統領府のウェブサイトによると、マフムード・アフマディーネジャード大統領はイラン訪問中の共和国ムフティーのバドルッディーン・ハッスーン師と会談し、「イスラーム抵抗運動を破壊し、シオニスト体制を救済するため米国とその同盟者たちは地域で新たな戦争を起こそうとしている…。しかし我々は彼らに結束と知恵をもって対抗できると確信する」と述べ、アサド政権への支持を伝えた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣はスパイ容疑によるシリア人ら2人の逮捕を受けるかたちで、シリア大使館の外交官4人を追放したと発表した。

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SANA(2月9日付)によると、ムハンマド・アリー・サアディー弁護士を団長とするイラク部族使節団がシリア訪問を訪問し、ムハンマド・シャッアール内務大臣、アドナーン・マフムード情報大臣と相次いで会談し、両国関係の強化を確認した。

また使節団は、シリアに対する外国の介入を拒否する姿勢を示した、という。

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リビア外務省は、在トリポリ・シリア常駐代表に対して72時間以内にリビアを出国するよう要請した。

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中国外交部報道官は、民主的変革諸勢力国民調整諸委員会の使節団が北京を訪問し、外務次官と会談、シリア情勢について意見を交わしたと発表した。

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ロシアのアナトーリー・アントノフ国防次官はロシアのテレビでのインタビューで、「我々の専門家は同地域(シリア)の様々な軍事拠点や工場におり、我々の見解では、それは国際的軍事協力という文脈において非常に大きな将来的意味を持っている」と述べ、シリアとの軍事的な協力関係の維持・強化の意思を示した。

ABC, February 9, 2012、AFP, February 9, 2012、Akhbar al-Sharq, February 9, 2012, February 10, 2012、Damas Post, February 9, 2012、The Financial Times, February 9, 2012、al-Hayat, February 10, 2012, February 12, 2012、Kull-na Shuraka’, February 9, 2012,
February 10, 2012、Naharnet.com, February 9, 2012、Reuters, February 9, 2012、SANA,
February 9, 2012、al-Waṭan, February 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

プーチン首相がアサド政権打倒に固執する西側諸国や一部アラブ諸国を「無謀」と非難する一方、英外相は自国が「シリアの友」グループにおいて主導的役割を果たす意向を示す(2012年2月8日)

国内の暴力

ヒムス県では、複数の活動家・住民が伝えたところによると、ヒムス市内の反体制勢力が占拠しているとされる複数地区を奪還するための、軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われ、ロケット弾や迫撃砲による間断のない攻撃が続き、シリア人権監視団によると、少なくとも70人が死亡した。

al-Hayat, February 9, 2012
al-Hayat, February 9, 2012

掃討作戦にはヘリコプター、戦闘機も投入されたというが、その真偽は定かでない。

掃討作戦が行われたのは、インシャーアート地区、バーブ・アムル地区など。

一方、ロイター通信(2月8日付)によると、軍・治安部隊はガンターウィー家、トゥルカーウィー家、ザーミル家の家族少なくとも20人を殺害した。

同報道によると殺害されたのはほとんどが子供だという。

これに対して、SANA(2月8日付)やシリア・アラブ・テレビ(2月8日付)は、バーブ・アムル地区、ナーズィヒーン地区、ハーリディーヤ地区、バイヤーダ地区などに対する迫撃は「武装テロ集団」によるものだと報じた。

同報道によると、「武装テロ集団」は市内のバアス大学を標的として攻撃を行ったという。

またバイヤーダ地区では「武装テロ集団」が車爆弾を爆発させ、市民、治安知事部隊兵士多数を死傷させたと報じたほか、市内の石油精製所が迫撃砲の攻撃を受け、火災が発生したと伝えた。

さらに、バーブ・アムル地区で米国製およびイスラエル製の武器・弾薬を大量に押収したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家・住民によると、ザバダーニー市に戦車・装甲車約150輌が侵入し、掃討作戦を展開した。

シリア人権監視団によると、カフィール・ヤーブース村で治安維持部隊と武装テロ集団が交戦し、前者の士官1人、兵士3人が死亡し、士官1人が捕捉された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市で治安部隊の発砲により青年1人が殺害された。

SANA(2月8日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市で治安維持部隊と武装テロ集団が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町で中尉1人を含む兵士18人が離反し、軍・治安部隊と交戦、市民1人が死亡した。

アサド政権の動き

『クッルナー・シュラカー』(2月8日付)は、アサド大統領の子供が脅迫を受け、通学できないでいる、と報じた。

反体制勢力の動き

『ガーディアン』(2月8日付)は、英米の専門家の分析として、最近のアサド政権による対トルコ、レバノン、イラク、ヨルダン国境の警備強化により、離反兵が重火器などの武器のシリアへの密輸が困難になっていると報じた。

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ダマスカス県の著名なシャイフ5人(カリーム・ラージフ、サーリヤ・アブドゥルカリーム・リファーイー、ウサーマ・アブドゥルカリーム・リファーイー、ムハンマド・ラーティブ・ナーブルスィー、ムハンマド・ヒシャーム・ブルハーニー)は国軍の将兵に向けて共同声明を出し、市内での攻撃を停止するよう呼びかけた。

その他のシリアでの動き

Kull-na Shuraka', February 8, 2012
Kull-na Shuraka’, February 8, 2012

シリア人映画監督のファーイズ・カザク(ラタキア出身)はチュニジアの『ウラービヤー』(2月8日付)に対して、シリア情勢に関して、「アラブ諸国の革命は混沌だ…。私はいかなる判断も下さない…。話題に上っているいかなる革命も革命だとは考えていない…。革命は生活に関する新たな哲学をもたらすからだ」と述べ、批判的な姿勢を示した。

レバノンの動き

3月14日勢力事務局は、レバノン国軍による北部県対シリア国境地帯への展開に関して「異常な展開」と述べ、ナジーブ・ミーカーティー内閣を「失敗内閣」と非難した。

諸外国の動き

ロシアの複数の通信社によると、ロシアのウラジーミル・プーチン首相は、シリア国民が「自身で自らの運命…アサド大統領の運命を決めるべきだ」と述べ、体制打倒に固執する西側諸国や一部アラブ諸国を「無謀」だと非難した。

一方、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリア訪問後の記者会見もまた「シリア人が自らの運命を決する」と述べ、アサド大統領の退任について議論したことを否定した。

またラブロフ外務大臣は、「国民対話がシリア人自身の合意の結果となり、すべてその内容はすべての国民に受け入れられるべきもの」としたうえで、「国際社会が国民対話の結果を予め限定してはならない」と西側の動きを非難した。

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シリアのシャームFM(2月8日付)は、シリア国内で身柄拘束されたトルコ人士官49人の引き渡しをめぐる交渉がシリア・トルコ間で開始されたと報じた。

同報道によると、トルコ人士官は「違法にシリア国内で活動を行って」おり、シリア政府は釈放の条件として、自由シリア軍メンバーの引き渡し、シリア領内への武装集団潜入の規制、および軍事教練の停止を求めるとともに、イランを引き渡し合意の承認として立てることを要求している、という。

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリアの危機を収束させるため、イスラーム諸国、アラブ諸国、西側諸国による拡大国際会議の開催をめざすとの方針を宣言した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談でアサド大統領が改革と弾圧停止を改めて確認したことに関して、「我々をバカにした策略」に過ぎないと非難した。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相は、ラブロフ外務大臣のシリア訪問に関して「(よい結果がもたらされるとは)ほとんど信用してない」と述べた。

またウィリアム・ヘイグ外務大臣は、「シリア国内外の反体制勢力への支援を増加させる」と述べ、英国が「シリアの友」からなる「調整グループ」において主導的役割を果たす意向を示した。

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AFP(2月8日付)によると、イラン外務省報道官は、シリアで誘拐されていたイラン人観光客22人のうち11人がトルコ国境で釈放された、と発表した。

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シリア危機を煽る急先鋒のカタールの首都ドーハでシリア人など約3,000人が集まり、アサド政権の打倒と自由シリア軍の支持を訴えるデモを行った。

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UNICEFは、2011年3月の反体制運動発生以降、シリア国内で400人の子供が殺害されたと発表した。

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国境なき医師団は声明を出し、シリアのアサド政権による「慈悲なき弾圧」を非難した。

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ジャズィーラなどに頻繁に出演しているユースフ・カラダーウィー師らアラブ諸国のイスラーム教宗教関係者107人が連名でファトワーを出し、自由シリア軍への支援を呼びかけた。

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ヨルダン・ムスリム同胞団はヨルダン政府に対してシリア大使を追放するよう呼びかけた。

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『ハヤート』(2月9日付)は、信頼できる消息筋の話として、中国がシリア国民評議会の指導部に連絡し、中国への訪問を求めるかたちで会談を申し出たと報じた。

これに対して、シリア国民評議会側は、この申し出を(政権との)仲介とは無関係だとみなすとの姿勢を示すとともに、安保理での拒否権発動に関する説明を求めたという。

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ナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官は、安保理に対してシリアでの弾圧を「人道に対する罪」として国際刑事裁判所に提訴するよう呼びかけた。

AFP, February 8, 2012、Akhbar al-Sharq, February 8, 2012, February 11, 2012、The Guardian, February 8, 2012、al-Hayat, February 9, 2012、Kull-na Shuraka’, February 8, 2012、Naharnet.com, February 8, 2012、Reuters, February 8, 2012、SANA, February 8, 2012などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外相がシリアを訪問しアサド大統領を含む政府高官と面会、英仏を含む欧州5か国は相次いで駐ダマスカス大使の召還を発表(2012年2月7日)

アサド政権の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣がシリアを訪問し、アサド大統領、ファールーク・シャルア副大統領、ワリード・ムアッリム外務大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官と会談した。

シリアを訪問したのはラブロフ外務大臣、ミハイル・フラトコフ対外情報庁長官、ミハイル・ボグダノフ外務次官。

SANA, February 7, 2012
SANA, February 7, 2012

ロシアの複数の通信社が伝えたところによると、会談で、アサド大統領は、アラブ連盟のシリア国内での任務拡大を受け入れるとともに、新憲法の信任投票の日程を確定する用意があるとの意思を示した。

また国内でのすべての当事者による暴力停止に向け、すべての政治勢力との対話を行う意思があることを確認した、という。

SANA(2月7日付)によると、アサド大統領は、「政府、反体制勢力、無所属活動家の代表が参加するかたちでの国民対話の実施を計画している」ことを改めて確認した。

一方、ラブロフ外務大臣は、安保理でのロシアの姿勢に関して、「シリア情勢への現実的でバランスのとれた評価、国際法と自決権の尊重に根ざしている」とし、外国の介入に反対し、国内での対話を支持すると改めて述べたという。

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SANA, February 7, 2012
SANA, February 7, 2012

SANA(2月7日付)は、安保理でのロシアおよび中国の姿勢を支持する市民が沿道でラブロフ外務大臣の訪問を歓迎したと報じた。

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アスマー・アフラス大統領夫人の事務所は『タイムズ』(2月7日付)に対してメッセージを送り、アサド政権の施政を支持していること初めて明らかにした。

同メッセージには、「大統領はシリアの大統領であり、一部のシリア人のための大統領ではありません。ファーストレディーはこの役割を支持します…。最近、彼女はまた対話を奨励することに関心を示しています。彼女は常に、耳を傾け、暴力の犠牲者の家族のために悼んでいます」と記された。

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SANA(2月7日付)は、シリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会が憲法草案の準備を完了したと報じた。

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Elaph.com(2月7日付)は、アノニマス(ハッカー集団)がブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官のメールなど大統領執務室のメール約100通を入手したと報じた。

反体制勢力の動き

在外の反体制政治同盟のシリア国民評議会と自由シリア軍は共同声明を出し、シリア人ビジネスマンに対して、「自衛活動」と「都市部保護」のための資金提供を呼びかけた。

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変革解放人民戦線のカドリー・ジャミール代表は声明をだし、安保理でのロシアと中国の拒否権発動に関して、外国の介入の試みを阻止する動きとして高く評価した。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・アムル地区などで軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が続き、少なくとも19人が死亡した。

同監視団およびシリア国民評議会によると、軍・治安部隊は同市のハーリディーヤ地区、バイヤーダ地区に対する掃討作戦も計画中だという。

一方、SANA(2月7日付)によると、ヒムス市バイヤーダ地区で武装テロ集団が市民や治安部隊を襲撃し、多数を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、地元調整諸委員会によると、ザバダーニー市に対して軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われた。

一方、SANA(2月7日付)によると、ザバダーニー市郊外で武装テロ集団と治安維持部隊が交戦し、テロリスト多数が殺害された。

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ダルアー県では、SANA(2月7日付)によると、武装テロ集団が市民を襲撃、3人を殺害した。

諸外国の動き

英国、フランス、スペイン、イタリア、ベルギーは相次いで駐ダマスカス大使の召還を発表した。

またGCC議長府は声明を出し、GCC諸国がシリアに駐在する大使の撤収を決定するとともに、各国のシリア大使に即刻出国するよう要請したと発表した。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表付報道官は、『ハヤート』(2月8日付)に対して、フランスのニコラ・サルコジ大統領が提案した「シリアの友連絡グループ発足構想はまだ具体化していない」としながらも、国際社会がアラブ連盟のイニシアチブを支援することが重要だとの立場を示した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はロイター通信(2月7日付)の取材に応え、国連安保理でのロシアと中国の拒否権発動に関して、「ロシアであれそれ以外の国であれ、拒否権発動は受け入れられない」と述べた。

しかし「私は彼ら(ロシア、中国)を責めないが、シリアの反体制勢力は、アラブ連盟が彼らか「リビア・シナリオ」のいずれかを支持すると幻想していた。しかし、リビア・シナリオが現状において不適切だ」と述べ、シリアの反体制勢力の過剰な期待にもクギをさした。

さらに、シリアへの監視団の派遣の是非については、「もし別の派遣団を送るのであれば、人数、装備をさらに拡充しなければならない。別途承認がいる」と述べた。

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SANA(2月7日付)によると、シリア・イラク合同運輸委員会は、イラクによるシリアの港湾施設への支援に関して合意し、両国間の海路での輸出入を活性化させることを決定した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、トルコが近く西側諸国らとともに、アサド政権に対抗し、「シリア国民を支持するための」新たなイニシアチブを立ち上げると発表した。

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サウジアラビア紙『ワタン』(2月7日付)は、GCC諸国が近くシリア国民評議会をシリア国民の正当な代表として承認するだろうと報じた。

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イラン外務省報道官は、定例記者会見を開き、シリア情勢に関して、「我々はシリアの内政に決して介入しない。テヘランは他国の介入がシリアの安定と治安にとって危機をなすと考えている」と述べた。

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ドイツ外務省筋によると、ギド・ウェスターウェレ外務大臣はラドワーン・ルトフィー大使を呼び出し、ドイツ国内のシリア人反体制活動家に対するシリア政府のスパイ活動に対して改めて抗議した。

またドイツ当局は、ベルリン市内で「マフムード」を名のる47歳のシリア人男性と、「アクラム」を名のるレバノン出身のドイツ人をスパイ容疑で逮捕、送検したと発表した。

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米ホワイトハウス報道官は、アサド政権への弾圧に対抗するため「人道支援」を行うことを検討していると発表した。

同報道官は、一部議員の提案している反体制勢力の武器支援については「今のところ選択肢として検討していない」と述べたが、「人道支援」という曖昧な表現は武器・兵站支援を暗示しているものと思われる。

レバノンの動き

al-Manar, February 7, 2012
al-Manar, February 7, 2012

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は預言者聖誕祭に合わせてテレビ演説を行い、イランの核開発をめぐる西側の制裁やイスラエルによる空爆の可能性やシリア情勢などについて語った。

シリア情勢に関して、ナスルッラー書記長は、ヒズブッラーの戦闘員がシリア国内での反体制運動弾圧にあたっているとの一部報道を否定した。

また「いくつかの武装衝突はあるが、シリアの大部分は安定を享受している…。外国の勢力に関して言うなら、世界のすべての大国がシリアにおける政権転覆をめざしているなどと言えようか?…彼ら(西側)は改革が遅れすぎたと言うが、シリアで戦争が起きようとしているのになぜ遅れすぎたと言えるのか?宗派主義戦争が起きているというのは事実ではない。なぜなら武装集団によって殺害されているほとんどの人がスンナ派だからだ…。シリアを救うものは真の対話であり、米国に期待して賭けることは、さらなる殺戮と内乱を招くだけだ」と述べた。

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ナハールネット(2月7日付)などによると、シリア軍は数日前から、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方フナイディル村とヒムス県ブワイト村間にさらなる地雷を敷設している、と報じた。

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NNA(2月7日付)は、レバノン当局がシリア領内に武器を密輸しようとしたレバノン人2人を拘束したと報じた。

AFP, February 7, 2012、Akhbar al-Sharq, February 7, 2012, February 8, 2012、Elaph.com, February 7, 2012、al-Hayat, February 8, 2012、Kull-na Shuraka’, February 7, 2012, February 8, 2012、al-Manar, February 7, 2012、Naharnet.com, February 7, 2012、NNA, February 7, 2012、Reuters, February 7, 2012、SANA, February 7, 2012、The Times, February 7, 2012、al-Watan (Riyad), February 7, 2012、などをもとに作成。

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ヒムス市で軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が継続するなか、オバマ米大統領は「軍事的介入なしに(シリアの危機を)解決することが非常に大切だ」と語る(2012年2月6日)

国内での暴力

複数の反体制活動家・目撃者などによると、ヒムス県ヒムス市のバーブ・アムル地区など複数の地区で、軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が継続された。

SANA, February 6, 2012
SANA, February 6, 2012

現地で取材をしていたBBC記者によると、300発以上の迫撃砲が早朝からバーブ・アムル地区に降り注いだ。

シリア人権監視団によると、この攻撃により、29人がバーブ・アムル地区、カラム・ザイトゥーン地区、カラム・シャーミー地区、ハーリディーヤ地区、インシャーアート地区、バーブ・スィバーア地区で死亡した。

また掃討作戦はラスタン市に対しても続けられ、シリア人権監視団によると、5人の市民が死亡した。

しかしシリア・アラブ・テレビ(2月6日付)など、シリアの主要メディアは、武装テロ集団がハーリディーヤ地区にしかけた爆弾が爆発し多数の死者が出たと報じた。

またバーブ・アムル地区では同じく武装テロ集団が、石油・パイプラインを爆破し、火災が発生したと報じた。

またSANA(2月6日付)によると、ヒムス市では武装テロ集団が労働者の乗ったバスを襲撃し、1人を殺害した。

また同市内各地で建物を爆破するなど破壊行為を続けたという。

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ダマスカス郊外県では、政府との間に「停戦」が成立していたザバダーニー市でも、軍・治安部隊が戦車などで包囲し、激しい砲撃を加えたという。

またマダーヤー町周辺でも大規模な掃討作戦が行われた。さらにスィルガーヤー町では子供1人を含む2人が殺害された。

シリア人権監視団によると、戦車・装甲車約200輌がザバダーニー市、マダーヤー町を包囲しているという。

一方、SANA(2月6日付)によると、武装テロ集団がザバダーニー市内の建物を攻撃し、市民生活を妨害、関係当局が摘発のための追跡を行った。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市で市民1人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ市近くの農場に迫撃砲が着弾し、女性2人、子供1人を含む4人が死亡した。

またバーラ村では、シリア人権監視団によると、離反兵が軍・治安部隊を襲撃し准将1人、大尉1人、中尉1人を殺害し、19人の兵士を捕捉した。

一方、SANA(2月6日付)によると、バーラ村で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、3人を殺害した。

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複数の活動家によると、ヒムス市などでの軍・治安部隊による掃討作戦で73人が死亡した。

アサド政権の動き

Kull-na Shuraka’, February 6, 2012
Kull-na Shuraka’, February 6, 2012

『クッルナー・シュラカー』(2月6日付)は、ヒムス県、ダマスカス郊外県、イドリブ県で掃討作戦を行っている軍・治安部隊の部隊と指揮官に関する詳細情報を発表した。

同報道によると、弾圧を行っている主な部隊と指揮官は以下の通り。

1. 第4師団:アリー・アンマール少将が指揮官。実質的な指揮権はマーヒル・アサド大佐が握り、ザバダーニー市、ヒムス市、イドリブ県の掃討作戦を行う。

2. 第549部隊(闘争連隊):ガッサーン・アサド少将が指揮官。ダマスカス県の防衛を担当し、空軍情報部(ジャミール・ハサン少将)のムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市の掃討作戦を行う。

3. 第90(歩兵・機構)旅団:ズハイル・アサド准将が指揮官。10,000人の兵士からなり、対イスラエル戦線の防衛を担当する一方、ダーライヤー市、カフルバトナー町、ハラスター市、ドゥーマー市で掃討作戦を行う。

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『クッルナー・シュラカー』(2月6日付)は、1月31日に死亡したと報じたマナーフ・トゥラース准将に関して、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市の検問所の静止を無視して車で通過しようとして射殺されたと伝えた。

反体制勢力の動き

トルコで避難生活を送るムスタファー・シャイフ准将がシリア革命最高軍事評議会なる新たな離反兵の組織の発足を宣言した。

同声明によると、評議会は、シリア解放を目的としている。

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自由シリア軍は声明を出し、シリア革命最高軍事評議会の発足宣言に関して、「自由シリア軍に属していない…。誰も代表していない」との声明を発表し、離反兵の間でも権力闘争が生じていることが明らかになった。

自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐はこの声明のなかで、「こうした評議会の発足、そしてそのタイミングは政府に奉仕するものだ」と批判した。

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シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官は声明を出し、「ロシアと中国とイランが野蛮な虐殺の直接のパートナー」と非難した。

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、国連安保理での対シリア決議案に対するロシアと中国の拒否権発動を「シリア国民への平手打ち」と非難するとともに、レバノンの政府に国境地域での偵察活動ではなく、シリア人避難民を支援するよう求めた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシアと中国による安保理での拒否権発動に対する西側諸国の批判に関して、「西側の一部の国の発言は恥ずべきもので、半ばヒステリーだ…。ヒステリックな発言はシリアでの暴力が複数の当事者によって行われていることを隠そうとするものだ」と反論し、「過激な武装集団」による暴力の存在を改めて指摘した。

在サウジアラビア・ロシア大使は、記者会見を行い、シリア国内での暴力が、アサド政権以前に反体制勢力によって行使されていると述べた。

またロシアと中国の安保理での拒否権発動を批判する国々に関して、「我々にはシリアの危機を解決するための提案がある。しかし残念なことに、安保理における我々の友人たちは、それに耳を傾けようとはしない」と批判した。

さらにGCC諸国の強硬な姿勢に関して、シリアでの内戦を望んでいるのかと問い、批判した。

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米政府はダマスカスの米大使館の一時閉鎖を決定した。

バラク・オバマ米大統領はNBC(2月6日付)に対して、「軍事的介入なしに(シリアの危機を)解決することが非常に大切だ」と述べ、「制裁とさらなる圧力を継続」する必要があるとし、「転換を見るまで」バッシングを続ける意思を示した。

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フランスのニコラ・サルコジ大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相は共同記者会見を開き、国連安保理での対シリア決議案に対するロシアと中国の拒否権発動に関して、「ドイツとフランスはシリア国民を失望させない。今起きていることが「スキャンダル」だとしても、我々は…国際社会の活動に対する妨害を受け入れる準備はしていない」と述べた。

フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長と会談した。

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スイスの財務大臣は、シリア政府関係者など34人を新たに制裁リストに加えたと発表した。

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国連総会のアブドゥルアズィーズ・ナスル議長は、シリア問題をめぐる国連の無力に対して大いなる懸念を表明するとともに、アサド大統領に対して「国民に耳を傾ける」よう呼びかけた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は11日に予定されていた緊急閣僚級会合を12日に延期すると発表した。

延期はGCC諸国の要請を受けたもの。

AFP, February 6, 2012、Akhbar al-Sharq, February 6, 2012, February 7, 2012、al-Hayat, February 7, 2012, February 8, 2012、Kull-na Shuraka’, February 6, 2012、Naharnet.com, February 6, 2012、Reuters, February 6, 2012、SANA, February 6, 2012などをもとに作成。

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軍・治安部隊がシリア各地で離反兵への掃討作戦を強化するなか、西側諸国や一部アラブ諸国の首脳がロシア・中国による拒否権発動を激しく批判(2012年2月5日)

国内の暴力

国連安保理を通じた西側諸国および一部アラブ諸国のアサド政権へのバッシングが露中の拒否権発動で阻止されたことを受けるかたちで、シリア各地で軍・治安部隊が市民を巻き込んだ離反兵への掃討作戦が激化させた。

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イドリブ県ではAFP(2月6日付)、トルコのNTV(2月6日付)などは、対トルコ国境沿いのアイン・バイダ村とヒルバト・ジャウズ村に対して軍・治安部隊が大規模な掃討作戦を行い、迫撃砲などで攻撃を加え、村は「パニック」に陥っていると報じた。

NTV(2月6日付)によると、迫撃砲がトルコ領内ギュヴェッチ村に着弾したという。

シリア人権監視団によると、ザーウィヤ山地方のイフスィム村で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦し、兵士6人が死亡、21人が負傷した。

またフィルユーン村でも同様の戦闘で兵士5人が、サラーキブ市近郊でも兵士2人が死亡した。

アブディーター村では、離反兵が軍の車輌を襲撃し、兵士1人を殺害した。

一方、マストゥーマ村では軍・治安部隊と離反兵の戦闘に市民が巻き込まれ、女の子1人が死亡した。

さらにマアッルシューリーン村では市民1人が殺害された。

他方、SANA(2月5日付)によると、武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のカラム・ザイトゥーン地区、バーブ・アムル地区、クスール地区などで軍・治安部隊による大規模掃討作戦が続けられた。

ラスタン市では、軍・治安部隊が大規模な掃討作戦を継続、市民3人を殺害した。

市内では離反兵の応戦も行われており、シリア人権監視団によると、離反兵が市内の軍・治安部隊の検問所を襲撃、そのほとんどを破壊し、多くの兵士を死傷させた。

一方、SANA(2月5日付)によると、武装テロ集団がヒムス県タルビーサ市のガス・パイプラインを破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市の発砲で子供1人が殺害された。

またシリア革命総合委員会によると、軍・治安部隊がマダーヤー町に対して掃討作戦を開始した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。

一方、SANA(2月5日付)によると、武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月5日付)によると、ブーカマール市で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、子供2人が死亡した。

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地元調整諸委員会は3月の反体制運動開始からの死者数が7,339人に達したと発表した。

アサド政権の動き

SANA(2月5日付)によると、バッシャール・アサド大統領は宗教関係省が主催した預言者聖誕祭の祝典に出席した。

祝典には、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師、ムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣などイスラーム教スンナ派の宗教関係者が多数参列した。

SANA, February 5, 2012
SANA, February 5, 2012

 

SANA, February 5, 2012
SANA, February 5, 2012

 

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SANA(2月5日付)によると、各地でロシアと中国の拒否権発動支持、アサド政権の改革支持を訴える大規模な集会が実施された。

集会が開かれたのはダマスカス県サブウ・バフラート広場、スワイダー県スワイダー市、タルトゥース県タルトゥース市など。

反体制勢力の動き

地元調整諸委員会は「尊厳の不服従」と銘打って反体制ゼネストを呼びかけた。

SANA, February 5, 2012
SANA, February 5, 2012
SANA, February 5, 2012
SANA, February 5, 2012

ゼネストは、①2日間のゼネストを通じた市民的不服従、②経済的不服従の開始と配給協会の設置、③ダマスカスとアレッポでの不服従の準備、という3段階からなるという。

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シリア国民評議会は声明を出し、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して、「制裁なしの殺人許可」と厳しく非難し、そのうえで国連総会の場で、国際社会の支持を獲得し、シリア国民を支援するための国際的連絡グループの結成をめざすとの新方針を示した。

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シリア・ムスリム同胞団は、ロシアと中国がアサド政権の殺戮に関与していると非難し、両国製品のボイコットを呼びかけた。

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シリア国家建設潮流は声明を出し、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して、いかなる正当性もない、と厳しく非難した。

レバノンの動き

『ラアユ』(2月5日付)はヒズブッラーに近い消息筋の話として、「ヒズブッラーはたとえそれがイスラエルとの戦争を意味しようと、アサド政権の崩壊を許さないだろう」と報じた。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して、「昨日安保理で起きたことは、吐き気がする」と述べた。

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フランスのニコラ・サルコジ大統領は、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して、安保理メンバー13カ国の支持にもかかわらず否決されたと激しい遺憾の意を示し、「フランスは降参しない…。欧州・アラブのパートナーと対話を続け、アラブ連盟イニシアチブの実施を国際社会が支持するための「シリア国民の友達」グループを発足する」と述べた。

一方、アラン・ジュペ外務大臣も「国際社会を麻痺させる」と非難した。

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シリア国内の反体制運動を煽動するカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して、「殺人の権利を与える」と批判した。

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在外反体制活動家に活動拠点を提供し、反体制運動を煽っているトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して「冷戦の思考に依然としてとらわれている」と非難し、「ロシアと中国は現実を考慮せず、西側に対抗するために決議案を支持しなかった」と述べた。

またブレント・アリンジュ副首相は、レバノン政府がアサド政権を「一言」も批判していない、と不快感を示した。

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チュニジアのハマーディー・ジバーリー首相は、チュニスのシリア大使館を一時閉鎖すると発表、国際社会に対して、シリア大使を追放するよう呼びかけた。

これに対して、SANA(2月5日付)によると、チュニスのシリア大使館前でチュニジア人数百人がデモを行い、ジバーリー首相による大使館の一時閉鎖の決定に抗議した。

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国連の潘基文事務総長は、国連安保理での対シリア決議案に対するロシア・中国の拒否権発動に関して、「国連の役割を損なう」として大いなる懸念を表明した。

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ヨルダン・ムスリム同胞団のハマーム・サイード・アラブ最高監督者はロシア・中国製品のボイコットを呼びかけた。

AFP, Fabruary 5, 2012、Akhbar al-Sharq, February 5, 2012、al-Hayat, Fabruary 6, 2012、Kull-na Shuraka’, February 5, 2012、Naharnet.com, February 5, 2012、al-Ra’y, February 5, 2012、Reuters, Fabruary 5, 2012、SANA, February 5, 2012などをもとに作成。

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国連安保理対シリア決議案がロシアと中国の拒否権発動によって否決される一方、ヒムス市で実施された軍・治安部隊による大規模な掃討作戦により200人以上の市民が死亡(2012年2月4日)

国内の暴力:ヒムス市掃討など

シリアの複数の反体制勢力筋は、住民からの情報として、ヒムス県ヒムス市で3日晩から4日にかけて、軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われ、200人以上の市民が殺害されたと発表した。

al-Hayat, February 5, 2012
al-Hayat, February 5, 2012
al-Hayat, February 5, 2012
al-Hayat, February 5, 2012

情報を発信しているのは、シリア人権監視団、シリア革命総合委員会、シリア国民評議会など西側諸国に滞在する反体制活動家が主導する人権団体や政治同盟で、発表する死者数は237人から260人と若干のズレがある。

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一方、シリアのアドナーン・マフムード情報大臣は、この事件が安保理での議論に影響を及ぼすことを狙ったものだと指摘した。

マフムード情報大臣は、「武装テロ集団がヒムス市の複数の街区に無差別に砲撃を行った…。一部煽動メディアが映像として流した遺体は、武装テロ集団が誘拐・殺害した一般市民で、その遺体が彼らが言うところの(軍・治安部隊による)砲撃の犠牲者だと見せかけるために撮影されたものだ。これは安保理での交渉にあたる一部の国の姿勢に影響を与え、武装テロ集団の犯罪や攻撃を隠蔽しようとするものだ」と述べた。

SANA(2月4日付)は、情報省筋が、ヒムス県ヒムス市への軍の砲撃に関する一部衛星放送の報道内容が偽りであり、報道が武装テロ集団とイスタンブール評議会(シリア国民評議会)の反体制キャンペーンの一環をなしていると述べたと報じた。

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シリア人権監視団によると、ヒムス県以外でも、ダマスカス郊外県ダーラーヤーで、会葬者に治安部隊が発砲し、12人が殺害された。

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一方、SANA(2月4日付)によると、ヒムス県カルアト・ヒスン市では、武装テロ集団の襲撃により治安維持部隊兵士3人が殺害された。

また同報道によると、イドリブ県では武装テロ集団の襲撃により治安維持部隊士官(大尉)1人が殺害された。

国連の動き

国連安保理での対シリア決議案は、ロシアと中国の拒否権発動によって否決された。

両国による拒否権発動は、ミュンヘンでの会談で、ヒラリー・クリントン米国務長官に対してロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が求めた修正提案が満たされなかったため。

修正提案の内容の骨子は以下の通り。

1. シリア国内での暴力に関して、反体制勢力とアサド政権の双方の責任を等しく追求する。
2. 「シリア軍の都市部からの撤退」と合わせて、「武装集団」の都市部からの撤退を明記する。
3. アラブ連盟外相会合での決議(アサド大統領の権限の副大統領への移譲、挙国一致内閣の発足など)の「行程表に従った」実施を求めるとする文言を、「行程表に配慮する」と修正する。

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AFP(2月4日付)などは、安保理での対シリア決議をめぐる米露の外相会談で、クリントン校務長官は2月5日の安保理での採決への意思を伝えたが、これに対してラブロフ外務大臣は決議案の採決が安保理に「スキャンダル」をもたらすと応え、拒否の姿勢を示したと報じた。

またヴィタリー・チュルキン露国連代表大使は、決議案を提出・支持した国に関して、シリアの危機の平和的解決への「機会を奪う」と批判し、自国と中国の拒否権発動を正当化した。

SANA, February 4, 2012
SANA, February 4, 2012

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シリアのバッシャール・ジャアファリー代表大使はロシアと中国の拒否権発動を歓迎する一方、ヒムス市での市民殺害が政府による虐殺ではないと断じ、事件と合わせて行われた安保理の採決を「合理的でない」と非難した。

また安保理決議の共同作成・提出に参画した一部のアラブ諸国が、シリアの問題を国際問題化しようとしている、と批判した。

反体制勢力の動き

在外の反体制政治同盟、シリア国民評議会のアフマド・ラマダーン広報局長は『ハヤート』(2月5日付)に対して、共和国護衛隊、第4師団、第5師団などが、ヒムス県ヒムス市、同ラスタン市、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県郊外、アレッポ県郊外に対する大規模な掃討作戦を計画している、と発表した。

ラマダーン氏はまた、「ロシアとイランがこの計画の詳細を熟知しており、我々は…ロシアが今やこの作戦に関与・参加しているとみなしている」と非難した。

また湾岸諸国が近く、シリア国民評議会をシリア国民の正当な代表として承認するだろうとの見方を示した。

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シリア国民評議会は声明を出し、国際社会に対して、「沈黙を破り、これ以上耐えることができないシリアでの流血停止のために行動する」よう呼びかけた。

Youtube
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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、ヒムスでの事件を「恐るべき虐殺」と強く非難し、国連とアラブ連盟に関して法的・人道的責任者を調査し、国際刑事裁判所に提訴するよう呼びかけた。

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アラビーヤ(2月4日付)は、カースィム・サアドッディーン空軍大佐が離反し、シリア自由解放軍への参加を宣言したと報じた。

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ヒムス市で反体制運動をビデオに収め、AFP、ジャズィーラ、CNNなどに配信していた「ウマル・スーリー」氏(本名マズハル・タイヤーラ氏、24歳)が2月4日にヒムス市内で殺害された。

反体制勢力による在外シリア大使館襲撃

クウェートのシリア大使館前では、在留シリア人ら数十人が反体制デモを行ったが、当局によって強制排除され、多数が逮捕された。

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サウジアラビアのジェッダ市でも、在留シリア人数十人が「ヒムス虐殺」に抗議するデモを行ったが、警官の到着とともに解散した。

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カイロでは、シリア大使館職員によると、反体制活動家数十人が大使館内に侵入し、設備のを破壊・放火した。

SANA, February 4, 2012
SANA, February 4, 2012
SANA, February 4, 2012
SANA, February 4, 2012

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ロンドンでは活動家約150人が金曜日の夜からシリア大使館前に集まり、抗議行動を行い、警察当局に5人が逮捕された。

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アテネでは活動家約50人がシリア大使館を襲撃し、壁に落書きをし、当局はシリア人12人とイラク人1人を逮捕した。

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ベルリンでは活動家約20人がシリア大使館を襲撃し、設備の一部を破損した。

アサド政権の動き

SANA(2月4日付)は、ダマスカス県サブウ・バフラート広場で、安保理でのロシア・中国による拒否権発動を支持する大規模集会が行われたと報じた。

レバノンの動き

LBC(2月4日付)などによると、レバノン国軍は、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方ラーミー村で、シリア領内から潜入し、同地方を拠点としているとされる自由シリア軍兵士の大規模捜索活動を行った。

これに関して、ムスタクバル潮流のムフスィン・マルアビー議員は、「ミシェル・スライマーン大統領、ナジーブ・ミーカーティー首相、そしてジャーン・カフワジー国軍司令官に対するシリアの命令」によるものと断じた。

しかし『ハヤート』(2月5日付)によると、この捜索活動で自由シリア軍兵士は見つからなかった。

諸外国の動き

サウジアラビアのアブドゥッラー国王は声明を出し、シリア、エジプト、イエメン、リビアでの反体制運動による犠牲者を追悼し、2012年のジャンダリーヤ音楽祭を中止すると発表した。

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バラク・オバマ米大統領は、「(アサド大統領が)即時に去るべきだ…。国民に対する殺戮と犯罪を今止めるべきだ」と述べた。

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チュニジア大統領府は声明を出し、ヒムス市での事件に抗議するかたちで、在チュニス・シリア大使の追放、シリア現政府の承認撤回などを準備していることを明らかにした。

AFP, February 4, 2012、Akhbar al-Sharq, February 4, 2012、Alarabia.net, February 4, 2012、al-Hayat, February 5, 2012, February 9, 2012、Kull-na Shuraka’, February 4, 2012、LBC,
February 4, 2012、Naharnet.com, February 4, 2012、Reuters, February 4, 2012、SANA,
February 4, 2012。

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各地で反体制・親体制デモが散発するなか、ガティロフ外務次官が修正された対シリア安保理決議案に関し「現状において支持できない」と表明(2012年2月3日)

国内の暴力と反体制・親体制デモ

シリア革命総合調整委員会、地元調整諸委員会などによると、各地で反体制デモが発生し、軍・治安部隊によって少なくとも33人が殺害された。

SNN, February 3, 2012
SNN, February 3, 2012

これらの反体制勢力によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハサカ県(カーミシュリー市)、ヒムス県、イドリブ県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ラタキア県でデモが発生したという。

これは、ハマー虐殺(1982年2月3日に掃討作戦開始)30周年に合わせて、シリア国民評議会、シリア革命総合委員会、地元調整諸委員会は共同声明を出し、「ハマーよ、済まない、我々を許してくれ」と銘打った反体制デモを呼びかけたことを受けた動きだと思われるが、デモの規模、継続時間などの事実確認はできず、ジャスィーラなどが煽動放送を通じて情報発信を続けたことなどから、反体制派のプロパガンダとみなすこともできる。

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シリア人権監視団によると、ダルアー県カフルシャムス町とナワー市で軍・治安部隊と離反兵が交戦し、前者の士官1人を含む8人が殺害された。

またジャースィム市でも、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、前者の兵士1人が殺害された。

なお、シリア革命総合委員会によると、ダルアー県での死者数は4人。

一方、SANA(2月3日付)によると、ジャースィム市で武装テロ集団が敷設した地雷が爆発し、ジャースィム小学校の壁が破壊された。

またナワー市では、武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、後者の兵士5人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バサーミス村で軍・治安部隊によって青年1人が射殺された。

またバルユーン村では2月1日に逮捕されていた青年の遺体が発見された。

なお、シリア革命総合委員会によると、イドリブ県での死者数は2人。

一方、SANA(2月3日付)によると、カフルタハーリーム町では武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、子供2人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団にようと、ダーライヤー市で軍・治安部隊によって、市民2人が殺害された。

またランクース市でも、未明に市民2人が殺害された。

なお、シリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県での死者数は5人。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市南部で発生した反体制デモに、治安部隊が発砲し、1人が死亡した。

一方、SANA(2月3日付)によると、ダール・カビーラ村で治安維持部隊と武装テロ集団が交戦し、後者のメンバー3人を殺害した。

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ダマスカス県では、ダマスカス県および郊外県調整(委員会)報道官のウサーマ・シャーミー氏によると、複数カ所で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、カフルスーサ区では1,500人が参加したという。

またマイダーン地区、マッザ区、アサーリー地区、カダム区でも比較的大規模なデモが発生し、インターネット上にビデオ映像が配信されたが、『ハヤート』(2月4日付)はデモの発生の事実確認ができない、と付言した。

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アレッポ県では、軍を離反したマアムーン・クルズィー大尉を名のる人物が「アレッポ自由人大隊」の発足を宣言し、自由シリア軍の傘下でアレッポ市および郊外での活動を行うことを明らかにした。

シリア革命総合委員会によると、同県で市民3人が殺害された。

一方、「アフバール・シャルク」(2月3日付)は、アフリーン市で反体制デモを行った反体制活動家たちが、PKK系のクルド民族主義政党、民主統一党のメンバーによって攻撃を受け、40人が負傷したと報じた。

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ラッカ県では、シリア革命総合委員会によると市民1人が殺害された。

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ハマー県では、シリア革命総合委員会によると、市民2人が殺害された。

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SANA, February 3, 2012
SANA, February 3, 2012

SANA(2月3日付)によると、スワイダー県クライヤー町で、アサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える大規模集会が開かれた。

アサド政権の動き

AKI(2月3日付)は、バアス党が指導する連立与党の進歩国民戦線加盟政党のなかに、政党法に基づき結成が相次ぐ新党との連携を強めようとするバアス党との政治同盟の維持を疑問視し、バアス党との関係を再検討しようとする動きがある、と報じた。

同報道によると、バアス党と新党との連携関係においてもっとも顕著なのが、シリア共産主義者統一国民会議代表のカドリー・ジャミール氏やアリー・ハイダル氏が率いるシリア民族社会党(ハイダル派)の台頭で、カドリー氏はシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会のメンバーを務める一方、次期首相候補の筆頭と噂されている。

なお進歩国民戦線には、シリア共産党バクダーシュ派、同ファイサル派、シリア民族社会党マハーイリー派など、こうした新党を「反主流派」とみなす政党が参加している。

反体制勢力の動き

AKI(2月3日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会が、ロシアのシリア情勢への対応に抗議し、予定していたロシア訪問を延期すると在ダマスカス・ロシア大使に通達した、と報じた。

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自由のためのシリア芸術家創作家連合は声明を出し、ロシア国民に対して、「殺人許可の拒否権」に抗し、対シリア国連安保理決議を採択させるよう呼びかけた。

ロシアの動き

ロシアのインテルファクス(2月3日付)は、修正された対シリア安保理決議案に関して、ゲンナジイ・ガティロフ外務次官が、モスクワが表明した懸念を考慮したかたちでの修正にもかかわらず、ロシアは安保理決議案を支持できないと述べた、と報じた。

同通信社によると、ガティロフ外務次官は「(決議案を)受け取った。我々の懸念が…考慮されている。しかし我々にとってこれでは不充分で、現状において支持できない」と述べたという。

AFP, February 3, 2012、AKI, February 3, 2012、Akhbar al-Sharq, February 3, 2012、Alarabia.net, February 3, 2012、al-Hayat, February 4, 2012、Kull-na Shuraka’, February 3, 2012、Reuters, February 3, 2012、SANA, February 3, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ロシアを除く安保理メンバー14か国のコンセンサスに基づく対シリア修正決議案が完成、その内容は西側諸国や一部アラブ諸国による圧力が事実上無力化されたもの(2012年2月2日)

国連の動き

対シリア決議案に関する国連安保理の非公式会合が続き、ロシアの要求に応じるかたちで、アサド政権への制裁や政権交代、外国の軍事干渉の根拠となる可能性のある文言が修正され、『ハヤート』(2月3日付)によると、安保理メンバー14カ国(ロシアを除く)のコンセンサスに基づく決議案が完成した。

修正決議案は、アラブ連盟の行程表への安保理の支持に関して、「歓迎する」とするか「全面支持する」とするかなど、若干の文言の最終調整が行われるとのこと。

ロシアに近い安保理メンバーの大使によると、中国もこの修正決議案に賛成している、という。

『ハヤート』(2月3日付)によると、修正決議案における主な修正カ所は以下の通り。

1. 「アラブ連盟のイニシアチブ」という文言を「民主的多元的政治体制をもたらすため…、シリア政府とすべての反体制勢力との間の真剣な政治的対話開始など、政治的転換を促すためアラブ連盟が行った決定」に変更。
2. 「挙国一致内閣発足、大統領権限の副大統領への完全なる移譲、自由で透明性のある選挙の実施」といった具体的なプロセスに関する文言を削除。
3. 11月のアラブ連盟による対シリア制裁への同調を求める文言を削除。
4. 「アラブ連盟との協議のためのモスクワでの会合をロシアが提案した」との文言を付記。
5. 「現下のシリアの政治的危機を外国の軍事的介入なしに平和的に解決することへの意思を確認する」との文言を付記。
6. 「シリア政府が改革を宣言したが、その実施に進展が見られていないことへの遺憾の意を示す」との文言の付記。

修正内容は、西側諸国や一部アラブ諸国による圧力を事実上無力化したものとなっている。

国内の暴力

シリア人権監視団によると、ダルアー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県で軍・治安部隊による掃討作戦が続いたが、国連を通じた西側のアサド政権バッシングの不調を受け、反体制勢力や一部衛星放送による宣伝・煽動も低調だった。

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ダルアー県では、シリア人権監視団、地元調整諸委員会によると、ジーザ町に軍・治安部隊が侵入し、多数の市民が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市で10人の兵士が離反し、軍・治安部隊と交戦した。

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シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市で軍・治安部隊が反体制活動家のナースィル・ムハンマド・サイード・サギール氏を身柄拘束したのち処刑し、自宅前に遺体を曝した、と発表した。

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一方、ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハーフィズ・アサド前政権によるハマー市でのシリア・ムスリム同胞団掃討作戦(ハマー虐殺)開始(1982年2月3日)30周年を翌日に控え、ハマー市でゼネストが行われた。

アサド政権の動き

『クッルナー・シュラカー』(2月2日付)は、ダマスカス県内で灯油を購入するため長蛇の列を作る市民の写真を公開した。

Kull-na Shurakā’, February 2, 2012
Kull-na Shuraka’, February 2, 2012
Kull-na Shurakā’, February 2, 2012
Kull-na Shuraka’, February 2, 2012

アラブ連盟の動き

アラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長がカイロで記者会見を開き、監視団の活動に「満足」しているとの所見を述べる一方、「一部のメディアが真実をゆがめた」と指摘、ジャズィーラやアラビーヤによる煽動放送を暗に批判した。

レバノンの動き

NNA(2月2日付)は、ダマスカス・ベイルート街道に位置する対シリア国境のマスナア市で、4人の銃をもった男たちが、シリア人ビジネスマンのムハンマド・ジャービー氏を誘拐したと報じた。

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NNA(2月2日付)は、シリアのダマスカス郊外県とレバノンのベカーア県が治安・軍事分科会を開催し、両県の国境監視、武器密輸などについて意見を交わしたと報じた。

諸外国の動き

SANA, February 2, 2012
SANA, February 2, 2012

ロシアの複数の通信社が伝えたところによると、ロシアのアナトリー・アントノフ国防次官は、「今日まで、武器売却に関していかなる制限もない」と述べ、シリアへの武器供与を継続するとのロシアの意思を改めて示した。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は、アサド大統領が退任した場合、同大統領とその家族を受け入れる用意がある、と述べた。

AFP, February 2, 2012、Akhbar al-Sharq, February 2, 2012、al-Hayat, February 3, 2012、Kull-na Shuraka’, February 2, 2012、Naharnet.com, February 2, 2012、NNA, February 2, 2012、Reuters, February 2, 2012、SANA, February 2, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

カタールのブン・ジャースィム首相が安保理諸国代表らと相次いで会談し、西側諸国と一部アラブ諸国による対シリア安保理決議案への支持を改めて求める(2012年2月1日)

国連の動き

アサド政権バッシングの急先鋒であるカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、ニューヨークで安保理諸国代表らと相次いで会談し、西側諸国と一部アラブ諸国による対シリア安保理決議案への支持を求めた。

また同首相は、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長と会談し、政権との対話を求めるロシアの提案の受理の可能性を探った。

アラブ外交筋は、ロシアだけでなく中国の棄権を避けるため、中国とロシアの孤立化を避けるべく配慮を続けている、という。

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安保理は大使級の非公式会合を行い、対シリア安保理決議案に関する審議を続けた。

『ハヤート』(2月2日付)によると、焦点は、アラブ連盟外相会合決議支持にロシアが同意する「見返り」として、アサド政権との対話をシリア国民評議会に同意させられるか否かに集中したという。

これに関して、ガルユーン事務局長は『ハヤート』(2月3日付掲載予定のインタビュー)に対して、「ロシアが決議案を通過させ、拒否権を行使しない用意があるのなら、政府との交渉の関を持ってもよい」と述べた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連代表大使は、安保理決議案に関して、「安保理の権限は政権交代を呼びかけるものではない。特定の国家にレシピを提示することが安保理の任務ではない」と消極的な評価を行った。

複数の消息筋によると、ロシアは決議案が「別の措置」という文言が武力行使の可能性を完全に排除していないことに異議を唱えているという。

ロシアのインテルファクス(2月1日付)は、ロシアのゲンナジイ・ガティロフ外務次官が、安保理決議案に関して、「シリアへの制裁や、力の行使を許すような文言を依然として含んでいる」ため、受け入れることができないと述べた、と伝えた。

国内の暴力

ロンドンを拠点とするシリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ダルアー県なで軍・治安部隊と離反兵の戦闘で、兵士15人、離反兵6人、民間人38人など約60人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が「奪還」したダマスカス郊外県のザマルカー町、アルバイン市、ランクース市などでは離反兵などの掃討作戦が続いている。

またバラダー渓谷で、兵士約30人が離反、軍・治安部隊との戦闘で女性1人を含む民間人21人が死亡した。

一方、SANA(2月1日付)は、バスィーマ地方での武装テロ集団との交戦で、ラージフ・マフムード准将、マーリン・アフマド曹長ら4人が戦死、6人が負傷したと報じた。

またアルバイン市などで武装テロ集団メンバーを逮捕、大量の武器弾薬を押収したという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、離反兵との衝突で軍・治安部隊兵士15人が殺害された。また少なくとも民間人8人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ガーリヤ村東部で軍・治安部隊の掃討作戦で、市民5人が殺害された。

またナワー市、ムサイフラ町、ダーイル町、ヒルバト・ガザーラ町などでも軍・治安部隊の掃討作戦が行われた。

一方、SANA(2月1日付)は、ダルアー市郊外で武装テロ集団の襲撃を受けた軍・治安部隊が11人のテロリストを殺害したと報じた。しかしこの戦闘で大尉1人が戦死、軍・治安部隊2人が負傷したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市で市民1人が狙撃兵に射殺された。

またラーミー村で兵士20人が離反したという。

このほかイブリーン村で離反兵が軍・治安部隊の車輌を爆破した。死者数は不明だという。

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SANA(2月1日付)によると、ハマー県ガーブ地方で治安維持部隊が武装テロ集団の襲撃を受け、兵士1人が戦死した。

アサド政権の動き

レバノンのタウヒード潮流のウィアーム・ワッハーブ代表(ドゥルーズ派)がダマスカスを訪問し、アサド大統領と会談した。

Kull-na Shurakā’, February 1, 2012
Kull-na Shuraka’, February 1, 2012

『ナハールネット』(2月1日付)によると、3時間にわたる会談で、アサド大統領はレバノンの国内の安定に強い関心をよせ、そのことがシリア領内に良いインパクトを与えることを強調した。

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Elaph.com(2月1日付)は、ダマスカスの複数の消息筋から得た情報とした、大統領の弟マーヒル・アサド大佐と義兄アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)の家族が脅迫を受け、両氏の子供たちが通うバシャーイル学校(マッザ区)の警備が強化されたと報じた。

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SANA(2月1日付)によると、アレッポ県アレッポ市マルジャ広場でアサド政権の改革支持、内政干渉拒否を訴える集会が開催された。

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「アフバール・シャルク」(2月1日付)は、政府がシャッビーハに弾圧の報酬を偽札で支払っていることが発覚したと報じた。

またSANA(2月1日付)は、シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ総裁が「大量の偽札が違法なルートで国内市場に入っており、国民経済に打撃を与えようとしている」と警鐘を鳴らした。

反体制勢力の動き

Akhbar al-Sharq, February 1, 2012
Akhbar al-Sharq, February 1, 2012

『クッルナー・シュラカー』(2月1日付)は、ロシアによるアサド政権と反体制勢力の対話提案への反体制勢力各勢力の反応を報じた。

それによると、シリア国民評議会、民主変革諸勢力国民調整委員会、シリア国家建設潮流はアサド大統領退任前の政府との対話を原則拒否しているという。

またシリア・クルド国民評議会は、対話によって一部の反体制勢力がシリアの将来を独断的に決定することへの懸念を示し、クルド問題への対処の必要を強調した。

レバノンの動き

3月14日勢力はシリア国民評議会の公開書簡に対する回答を書簡で発表し、「シリアにおける民主的変革は同国発展の歴史的な機会となり、レバノンの独立を保障する」と述べ、支持を表明した。

諸外国の動き

イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師がシリア情勢に関して初の声明を出し、米国による「干渉」に警鐘を鳴らすとともに、アサド政権の改革を支持するよう呼びかけた。

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「アフバール・シャルク」(2月1日付)は、国連人権高等弁務官事務所の高官がヨルダン政府からのシリア人避難民を受け入れるためのキャンプ設営などに関する同意を待っていると述べたと報じた。

AFP, February 1, 2012、Akhbar al-Sharq, February 1, 2012、Elaph.com, February 1, 2012、al-Hayat, February 2, 2012、Kull-na Shuraka’, February 1, 2012、Naharnet, February
1, 2012、Reuters, February 1, 2012、SANA, February 1, 2012などをもとに作成。

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安保理で西側および一部アラブ諸国が共同で提出した対シリア制裁決議案が審議されるなか、シリア当局は「(シリアの)主権を侵害したあからさまな内政干渉」を非難(2012年1月31日)

SANA, January 31, 2012
SANA, January 31, 2012

国連の動き

西側および一部アラブ諸国が共同で提出した対シリア制裁決議案が安保理で審議された。

『ハヤート』(2月1日付)が入手した対シリア安保理決議案の骨子は以下の通り。

1. アラブ連盟イニシアチブ(行程表)への完全なる支持の表明。
2. 挙国一致内閣の発足。
3. 大統領権限の副大統領への移譲と、同副大統領による移行期間における挙国一致内閣への強力。
4. アラブ連盟の監視下での自由で透明性のある選挙の実施。
5. 国連加盟国への安保理によるアラブ連盟の対シリア経済決議と同様の措置の奨励。
6. シリア政府が15日以内に決議に従わない場合、アラブ連盟と協議のもと追加措置を検討。
7. シリア政府による人権侵害への非難。
8. シリア政府への暴力停止の呼びかけ。
9. 武装集団を含むすべての当事者による暴力停止の要求。
10. 人権侵害の責任者への制裁。
11. シリア政府への政治犯釈放、軍の都市部からの撤退、アラブ連盟監視団など地域・国際機関の自由な活動保障の要求。

審議には、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣(アラブ連盟シリア問題閣僚委員会委員長)、ヒラリー・クリントン米国務長官、ウィリアム・ヘイグ英外務大臣、アラン・ジュペ外務大臣らが出席した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は『ハヤート』(2月1日付)に対して、安保理会合で各国代表らに回付した自身の書簡が、「アラブ連盟の決議を支持する安保理声明を採択することで、アサド政権と反体制勢力の双方に圧力をかけようとしている連盟を支援すること」、「暴力の停止と治安措置に基づく問題解決の拒否の必要の強調」を骨子としていると語った。

またアラビー事務総長はカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣(シリア問題閣僚委員会議長)とともにロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使、中国の李保东国連大使と会談した。

アラビー事務総長によると、いずれの大使との会談も、決議案に関して「開放的」に対話が行われたという。

また事務局長によると、ロシアが決議案を支持するか否かは「アラブ連盟の行程表をどのように受け入れるか」、すななわち1月22日の連盟外相会合の決議の「政治的解決の達成と治安措置に基づく解決の拒否」という考え方をど捉えるかにかかっているという。

一方、シリアの反対勢力に関しては、「安保理に問題が付託されれば、魔法の杖になる」という「幻想」に陥らないよう警鐘をならした。

そのうえで、「アラブ連盟がめざしているのが、政治プロセスを通じた政治的・国民的和解への到達であり、それによってシリア国民の意思を実現することにある」と述べた。

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『ハヤート』(2月1日付)によると、中国、インド、パキスタンは、アラブ連盟との対立を望ましいとは考えておらず、安保理決議案に関して比較的柔軟だという。

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『ハヤート』(2月1日付Iによると、ロシアのチェルキン代表は、安保理での審議に先立って、「(目標を)明確に設定しないかたちでの政治的移行プロセス」をじっくり支持していく必要があると語り、対リビア安保理決議で「西側に欺かれた」ことを教訓に慎重な姿勢をとっている。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、「弾圧にもかかわらず、恐怖に基づくアサド現政権はいずれ終わり、シリア国民が自らの運命を描きだすだろう…。国際社会は意見対立を払拭し、シリア国民を支持するという明確なメッセージを送る時が来た」と述べ、アラブ連盟のイニシアチブへの支持を表明した。

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SANA(1月31日付)によると、国連安保理会合で、シリアのバッシャール・ジャアファリー常駐代表は、シリアがアラブ連盟の行動計画(11月1日にシリア政府と連盟閣僚委員会が合意)および連盟監視団派遣に関する議定書を逸脱したいかなる決議をも拒否すると述べたうえで、1月22日の連盟外相会合の決議(副大統領への権限移譲、挙国一致内閣発足などが骨子)をシリアの「主権を侵害したあからさまな内政干渉」だと非難、連盟憲章に違反しており無効だと訴えた。

またシリアが監視団の活動延長に合意したにもかかわらず、アラビー事務総長とカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣が問題を国連に付託しようとしたことを「驚くべき矛盾」と非難した。

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国連の潘基文事務総長は、訪問先のアンマンでの記者会見で、安保理での対シリア決議案に関して、「安保理会合が国際社会の要請に応じたかたちで早急に成果を得ることを望む」と述べ、バランスを欠く西側諸国依りの姿勢を改めて明示した。

国内の暴力

複数の目撃者・活動家によると、軍・治安部隊は、離反兵(自由シリア軍)が撤退したダマスカス郊外県グータ地方東部(ランクース市など)や、ヒムス県(ヒムス市、ラスタン市など)、イドリブ県(サラーキブ市)など各地で大規模な治安回復作戦を継続し、住宅地に向かって激しい「砲撃」を加え、数十人が死傷したという。

またダルアー県では、複数の活動家によると、デモ参加者の葬儀に参列した数千人が反体制デモを行ったという。

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ヒムス県では、SANA(1月31日付)によると、ヒムス市バーブ・アムル地区で精油所に原油を送るための石油パイプラインを武装テロ集団が爆破した。

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『クッルナー・シュラカー』(1月31日付)は、ムスタファー・トゥラース元国防大臣の次男でアサド大統領の友人の一人であるマナーフ・トゥラース准将が殺害されたと報じた。

事実関係に関しての詳細は報じられていない。

SANA, January 31, 2012
SANA, January 31, 2012

アサド政権の動き

SANA(1月31日付)は、アサド大統領がダマスカス県にある殉教者ユースフ・アズマ病院を訪問し、軍・治安部隊の負傷者を見舞ったと報じた。

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『シリア・ステップス』(1月31日付)は、バアス党高官の話として、2月に予定されていたバアス党第11回シリア地域大会が治安状況を理由に延期される見込みだと報じた。

反体制勢力の動き

トルコで避難生活を送る自由シリア軍の司令官リヤード・アスアド大佐は、AFP(1月31日付)の電話取材に対して、軍・治安部隊の大規模掃討作戦に関して「悪党の戦争」と非難する一方、「国土の50%はもはや体制の支配下にない」と誇張した。

しかし「このことは自由シリア軍がいずれかの地域を完全に制圧したことを意味してない」と付言し、その勢力が自らのプロパガンダほど強力でないことを暗に認めた。

一方、自由シリア軍が、イドリブ県のジスル・シュグール市やマアッラト・ヌウマーン市などにある軍・治安部隊の検問所や車輌を標的としていると述べた。

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国連安保理会合に合わせてニューヨークを訪れたシリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は、ロシアのチェルキン代表と会談した。

このほか、ジェフリー・フェルトマン米国務次官補とも会談した。

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民主的変革諸勢力国民調整員会在外事務局のハイサム・マンナーア代表は、『ハヤート』(2月1日付)に対して、「ロシア的な解決策は5月であれば受け入れられたが、今は遅すぎるし、実質的でなく、受け入れられない」と述べた。

また、「安保理で採決されることはないだろう。なぜなら今日(31日)に採決してしまえば、彼ら(西側)の計略は破綻するから」と述べるとともに、「ロシアはシリア政府にアラブ連盟のイニシアチブを強いることができる唯一の当事者」と位置づけたうえで、「アラブとロシアの対話を求める」と述べ、国連主導ではなく、アラブ連盟主導による問題解決への支持を表明した。

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シリア・ムスリム同胞団のリヤード・シャカファ最高監督者は、トルコのアナトリア通信(1月31日付)に対して、ロシアが提案しているアサド政権との対話を拒否するとの意思を明示した。

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パリで亡命生活をしているアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は書簡を発表し、米英仏独、および国連事務総長に対して、「シリア救済のための国際的・軍事的連合の結成」を呼びかけるとともに、アサド大統領が「犯罪行為を通じて国を宗派主義的内戦へと追いやり、アラウィー派の国家を作ろうとしている」と警鐘を鳴らした。

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シリア革命調整連合は、「住宅地区保護地元青年諸委員会」の発足を呼びかけた。

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シリア国民評議会は、地元調整諸委員会など反体制勢力とともに、「アサドの専制体制による野蛮な虐殺への犠牲に対する怒りと追悼の日」と宣言し、モスクや教会に服喪を呼びかけた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、オーストラリアのABCチャンネル(1月31日付)に対して、「アサド大統領が政権にとどまることを危機解決の条件としたことなど一度も行ったことはない。我々は解決策がシリア的なものでなければならず、シリアのすべての当事者・集団が対話のテーブルに着いて、誰が去り、誰が来るのかを決めるために合意せねばならないと言ってきた」と述べ、対話に応じようとしない反体制勢力の姿勢を「正しくなく挑発的でよい結果をもたらさない」と批判した。

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ジェームズ・クラッパー米国家情報長官は、アサド政権の崩壊は必然的だと述べた。

しかし同長官は、アサド政権による「シリアの支配が続くとは思わない…。個人的には、時間の問題だと思う。しかし問題なのは長い時間がかかるかもしれないということだ」と付言し、同政権を打倒することが容易でないことを暗に認めた。

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サウジアラビア紙『マディーナ』(1月31日付)は、サルマーン・アンズィーを名のるサウジ人ハッカーがアサド大統領や主要各省のE-mailアカウントをハッキングし、大統領および関係者のスキャンダルを入手したと脅迫している、と報じた。

一国の長であるアサド大統領自身がE-mailで高官と連絡をとり合っているとは到底考えられない。

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アラブ連盟監視団を脱退したアルジェリア人のアンワル・マーリク氏はパリで記者会見を行い、「アースィフ・シャウカトが「監視カメラがなかったら、15分ですべてを終わらせる用意がある」と言った」と述べた。

むろん、シャウカト中将がこのような発言したという証拠はない。

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シリア・パレスチナ国民委員会は、パレスチナ解放軍(ターリク・ハドラー司令官)がシリアの反体制運動弾圧に参加している、と発表した。

AFP, January 31, 2012、Akhbar al-Sharq, January 31, 2012, February 5, 2012、AKI, January 31, 2012、al-Hayat, February 1, 2012、al-Madina, January 31, 2012、Kull-na Shuraka’, January 31, 2012、Reuters, January
31, 2012、SANA, January 31, 2012、Syria Steps, January 31, 2012などをもとに作成。

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軍・治安部隊が自由シリア軍が制圧していたとされるダマスカス郊外県の各都市を奪還、一方アラブ連盟事務総長はロシアと中国に対し同連盟の行程表を支持するよう求める(2012年1月30日)

国内の暴力

『ハヤート』(1月31日付)は、数日前から自由シリア軍を名のる離反兵が制圧(占拠)していたとされるダマスカス郊外グータ地方東部の県各都市を、軍・治安部隊が奪還したと報じた。

SANA, January 30, 2012
SANA, January 30, 2012
SANA, January 30, 2012
SANA, January 30, 2012

軍・治安部隊が奪還した(ないしは現在も包囲中である)のは、サクバー市、ランクース市、ムウダミーヤト・シャーム市、ハムーリーヤ市、カフルバトナー町、アルバイン市、ドゥーマー市、ハラスター市など。

シリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県は、戦車、装甲車などを動員した軍・治安部隊の侵入により「被災地区」と化している、という。

シリア人権監視団によると、軍部隊は6日間にわたる包囲のち、ランクース市に侵入し…、離反兵は同市から撤退した」。

ダマスカス県およびダマスカス郊外県革命調整連合の報道官によると、「自由シリア軍は所持している武器で戦車に応戦することはできない。しかし戦車はメインストリートに侵入しただけだ。しかも、自由シリア軍の攻撃でそこから出られなくなっている」と述べた。

AFP(1月30日付)がシリア軍兵士の話として伝えたところによると、ハラスター市、ドゥーマー市、サクバー市につながる道はすべて閉鎖されている。

一方、SANA(1月30日付)によると、内務省は声明を出し、過去3日にわたってドゥーマー市、ハラスター市、サクバー市、ハムーリーヤ氏、カフルバトナー町で武装テロ集団に対する掃討作戦を実行したと発表した。

同声明によると、関係機関は米国・イスラエル製の武器で攻撃を行う武装テロ集団を整髪し、多数のテロリストを逮捕したほか、同集団が使用していた隠れ家を発見、大量の武器、弾薬、爆発物を押収した。

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ヒムス県では、シリア革命総合委員会によると、ヒムス市バーブ・アムル地区などでも軍・治安部隊と離反兵の激しい戦闘があり、各地での犠牲者数は50人にのぼった。

またシリア人権監視団によると、ヒムス市で医師が暗殺されるなど17人が死亡した。

一方、SANA(1月30日付)によると、タッルカラフ地方でヒムス県とタルトゥース県バーニヤース市を結ぶガス・パイプラインが武装テロ集団によって爆破され、460,000立方メートルのガスが焼失した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、フラーク市で治安部隊のバスが離反兵に襲撃され、6人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アウラム・ジャウズ村・カフルナブル市付近で軍・治安部隊と離反兵が激しい戦闘を行った。

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『クッルナー・シュラカー』(1月30日付)によると、ハサカ県ダルバースィーヤ市でロシアのアサド政権支持に反対するデモが発生した。

アサド政権の動き

SANA(1月30日付)は、ラッカ県および近隣アラブ諸国の部族代表が大会を開き、シリアに対する陰謀、テロ行為、経済制裁に抗議したと報じた。

反体制勢力の動き

Akhbar al-Sharq, January 30, 2012
Akhbar al-Sharq, January 30, 2012

シリア人権擁護連盟は、自由シリア軍の初代司令官フサイン・ハルムーシュ大佐が先週処刑されたと発表した。

同連盟の声明および『クッルナー・シュラカー』(1月28日付)がインターネットサイトから得た情報によると、ハルムーシュ大佐はダマスカス県マッザ航空基地の空軍情報部調査課での裁判で有罪判決を受け、処刑された、という。

しかし自由シリア将校運動(フサイン・ハルムーシュ大佐ら離反兵が当初名のっていた組織名)は、この発表に関して「大佐の処刑に関する事実確認がとれていない」との声明を出した。

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ダマスカス郊外県での軍・治安部隊の攻勢が強まるなか、トルコで避難生活を送る自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐はジャズィーラ(1月30日付)の電話取材に応じ、「バッシャール・アサド大隊」の士気は衰退を始め、政府から悪党たちは去り始めた」と述べ、そのことがダマスカス郊外県に対する軍・治安部隊の「無差別攻撃」をもたらした、とのコメントをした。

またシリア革命広報局メンバーを名のるアラーッディーン・ユースフ氏もジャズィーラ(1月30日付)に対して、同様の発言を行った。

一方、自由シリア軍のリヤード・ヌアイミー大佐(トルコ在住)はAFP(1月30日付)に対して、「自由シリア軍からの情報・報告によると、ダマスカス県8キロの地点でも大規模な離反と戦闘が行い、そのことはダマスカスに戦闘が近づいたことを示している」と述べた。

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フェイスブックによると、リヤード・トゥルク弁護士と並ぶシリア人民民主党の重鎮アフマド・ファーイズ・ファウワーズ氏が、民主的変革諸勢力国民調整委員会からの脱会を宣言した。

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『クッルナー・シュラカー』(1月30日付)は、ダルアー県ムフティーでウマリー・モスクのイマームでもあるアフマド・スィヤースィナ氏がヨルダンに避難し、反体制運動に加わったと報じた。

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シリア人権擁護連盟は声明を出し、2011年3月からの反体制運動発生から1月23日までの犠牲者数が6,729人に上ったと発表した。

同声明によると、このうち456人が子供、316人が女性、724人が離反兵だという。

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シリア・クルド民主変革運動、民主改革党、団結党、および無所属の活動家が新たな政治同盟、シリア選択潮流を発足した。

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国内で反体制活動を行う人民意思党のカドリー・ジャミール党首は声明を出し、アサド政権と反体制勢力の対話を提案したロシアの動きを歓迎した。

レバノンの動き

3月14日勢力の指導者の一人でレバノン・カターイブ党最高党首のアミーン・ジュマイイル前大統領は記者会見を開き、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長を含む複数のシリア人高官と接触し、レバノン内戦中などにシリア国内で失踪したレバノン人に関する情報を収集していることを明らかにした。

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3月14日勢力に属するレバノン軍団は、ナジーブ・ミーカーティー内閣に対して、最近シリアで失踪したレバノン人の行方を調査するよう求めた。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のアフマド・ベンフッリー事務副長は、2月5日にシリア問題に関する閣僚委員会(ハマド・ブン・ジャースィム・カタール首相兼外務大臣が議長)が開催され、国連安保理の審議に出席予定のハマド首相兼外務大臣とナビール・アラビー事務総長の任務内容と、連盟監視団の今後の活動について審議すると発表した。

アラビー事務総長はカイロで、ロシアと中国に対して、西側および一部アラブ諸国が共同作成した決議案とアラブ連盟の行程表を支持するよう求めた。

アラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長は『ハヤート』(1月30日付)の電話取材に応じ、「シリアの反体制勢力には満足できない。彼らは我々に活動して欲しいと思っていない。なぜならこの問題を安保理に付託し、体制を崩壊させようしているからだ」と批判した。

その一方で、シリア政府が最近の治安状況の悪化を、「あらゆる暴力の停止」を求める連盟議定書の文言を乱用した結果だと非難した。

一方、監視団の活動に関しては、「我々は誠実さと透明性をもって活動した」と述べた。

諸外国の動き

ロシア外務省は、アサド政権と反体制勢力の双方に対して、事態収拾のための「非公式対話」を呼びかけ、アサド政権が前向きな姿勢を示していると発表した。

しかし、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は、ロシアがアサド政権と反体制勢力の「非公式対話」の実施を呼びかけてていることに関して、アサド大統領が退任するまではいかなる対話をも拒否するとの姿勢を示した。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、アサド政権による攻撃を改めて厳しく批判するとともに、安保理に対して「国際社会がこのような行為を平和と安全を脅かすものとみなしていることをシリア政府に明確に理解させるべく行動しなければならない」と述べた。

またスーザン・ライス米国連大使は、米国が「アラブ連盟の行程表を完全に支持し、承認する」と述べた。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、アフリカ連合サミットに出席するために訪問中のアジスアベバで、シリアの危機は、政治的対話を通じて解決されるべきと述べるとともに、政治改革には時間が必要だと述べ、憲法改正などアサド政権が一連の改革プログラムを約束していると強調、それをそれを支持するとの姿勢を示した。

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フランス外務省報道官は、アラン・ジュペ外務大臣がシリア問題に関する決議案の審議のための安保理会合に出席するために米国に発ったと発表するとともに、「シリアの政府は去らねばならない」と改めて表明した。

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イスラーム諸国会議機構のエクメレッディン・イフサンオール事務局長は、AFP(1月30日付)に対して、国連安保理がシリアの民間人保護のための責任を果たし、流血停止のための措置を講じるべきだと述べた。

AFP, January 30, 2012、Akhbar al-Sharq, January 30, 2012、AKI, January 30, 2012、BBC, January 30, 2012、al-Hayat, January 31, 2012、Kull-na Shuraka’, January 28, 2012、January 30, 2012, February 1, 2012、Naharnet.com, January 30, 2012、Reuters, January 30, 2012、SANA, January 30, 2012、などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア・クルド国民大会がエルビル市で開催、「自由シリア青年」を名のる集団が声明を出しシーア派宗徒に反体制運動に参加するよう呼びかけ(2012年1月29日)

国内の暴力

シリア人権監視団およびシリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県、ダルアー県、ヒムス県、ハマー県などの各地で軍・治安部隊と離反兵が交戦し、民間人および双方に60人以上の死者が出た。

Ugarit News Network, January 29, 2012
Ugarit News Network, January 29, 2012

シリア人権監視団によると、イドリブ県、ダルアー県、ヒムス県、ダマスカス郊外県、ハマー県、ダマスカス県ジャウバル区で民間人26人が死亡、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ハマー県、ヒムス県で離反兵9人が死亡、イドリブ県、ダマスカス郊外県で軍兵士26人が死亡、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県で治安部隊兵士5人が死亡したという。

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ダマスカス郊外県グータ東部では、複数の活動家によると、約2,000人の兵士、戦車・装甲車約50輌が、自由シリア軍を名のる離反兵が占拠するサクバー市、ハムーリーヤ市、カフルバトナー町、ランクーサ市の解放のために動員され、各市を包囲し、一部都市ではライフラインが遮断され、モスクが野戦病院化するなど、「市街戦」の様相を呈している、という。

自由シリア軍のマーヒル・ヌアイミー少佐によると、「体制の激しい攻撃は前例がないほど」と述べる一方、ジスリーン町、アイン・タルマー村、ハムーリーヤ市、サクバー市、ハラスター市、ドゥーマー市、フタイタト・トゥルクマーン市で軍兵士の離反が相次いでいると述べた。

また『クッルナー・シュラカー』(1月29日付)は、アドラー中央刑務所で27日から連日連夜、反体制運動に参加して逮捕された政治犯の釈放を求めるデモが発生していると報じた。

一方、SANA(1月29日付)によると、サフナーヤー市近郊で武装テロ集団が軍部隊に対して爆弾攻撃を行い、中尉2人を含む兵士6人が死亡した。

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ヒムス県では、『ハヤート』(1月30日付)などによると、ラスタン市では前日に引き続き、軍・治安部隊と離反兵との間で激しい戦闘が続いた。

またNNA(1月29日付)は、地元住民などの話として、タッルカラフ地方の対レバノン国境に架かるジャアファリーヤ橋で、レバノン人2人、シリア人1人が殺害され、シリア人2人が負傷したと報じた。

一方、OTV(1月29日付)は、「イラク人に率いられたレバノン人9人からなる武装集団がシリアに潜入し…、待ち伏せしていたシリア軍の攻撃により、メンバー4人が殺害され、複数が負傷した」と報じた。

他方、SANA(1月29日付)は、武装テロ集団がヒムス市農業局に勤務する技師アマル・イーサー女史の車を襲撃し、暗殺したと報じた。

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イドリブ県では、SANA(1月29日付)によると、バルユーン・カムサフラ街道で、武装テロ集団が治安維持部隊に爆弾攻撃を行い、准将1人と兵士1人が負傷した。

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アレッポ県では、複数の反体制活動家によると、アレッポ市東部、とりわけマルジャ地区で厳戒態勢が強化され、地区ごとに検問所が設置された。

アサド政権の動き

シリア暴力テロ犠牲者遺族監視団は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長による監視団活動停止の発表に関して、「イスタンブール評議会(シリア国民評議会)と武装集団にシリアに対する犯罪行為激化の青信号を出した」に等しいと厳しく非難した。

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SANA(1月29日付)によると、政党問題員会は会合を開き、自由シリア党、祖国シリア党の2党の公認申請を受理することを決定した。

反体制運動の動き

シリア・クルド国民大会がイラクのクルディスタン自治政府の支援のもと、エルビル市で2日にわたって開催された。

同大会には西側諸国など25カ国で暮らすシリア・クルド人活動家約210人が出席し、国内外のシリア・クルド人の運動の統合と反体制デモ支持について議論した。

しかし、現下のシリア国内の危機的状況への対処の仕方、シリア国内のクルド人の将来の処遇に関して、改めて意見の相違が露呈した。

AFP(1月30日付)によると、同大会書記長のジャワード・ムッラー氏は、国際社会の内政干渉に関して、「サッダーム・フセインの体制は外国の介入なしに倒れなかったという経験があるなか、外国の介入は唯一の解決策」と述べ、西側諸国と一部アラブ諸国が進める介入の試みへの支持を表明した。

また「シリアにクルド政府が発足するのは必然だ」と述べつつも、クルド民族主義勢力がこの点に関してコンセンサスに達していないことを認め、アサド政権打倒後に国民投票を行う必要があるとの立場を示した。

シリア国内で活動するクルド民族主義反体制組織の一つ、シリア・クルド民主党(パールティー)のアブドゥルハキーム・バッシャール書記長は、「外国の介入は時期尚早だ。国際社会が政治、経済、情報、外交において圧力をかけることでコンセンサスに達したとしても、国民的な解決の方がよい」と述べ、慎重な慎重な姿勢を示した。

またハキーム書記長は、「シリアのクルド人民は国民投票を通じて何をめざすのか、そして自決権利をどう行使するかを決し、自治と分権主義のいずれを採用するかを決めるだろう」と述べた。

一方、シリア国内で活動するシリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長は、アサド政権打倒後のシリアでの「クルディスタン地域」設置の是非に関して、「状況が異なっているので、イラクのクルド人と同じようなもの(自治政府)が作られることはないだろう」と述べた。

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シリア変革大会(アンタリア)は声明を出し、アラブ連盟監視団の活動停止に関して、停止ではなく撤収すべきだとの意思を示した。

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『クッルナー・シュラカー』(1月29日付)は、シリア軍の匿名消息筋の話として、アサド政権による弾圧命令を拒否した上級士官の一団が近く「シリア国民軍」の創設を発表する、と報じた。

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『ミスリー・ヤウム』(1月29日付)は、自由シリア軍がダマスカス国際空港(ダマスカス郊外県)からシリア国外に避難しようとしていたアスマー・アフラス大統領夫人、大統領の3人の子供、アニーサ・マフルーフ氏(大統領の母)らを阻止したと報じた。

しかし、自由シリア軍はこうした作戦を行ったとの声明は出していない。

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「自由シリア青年」を名のるシーア派の活動家(と思われる集団)が声明を出し、シーア派宗徒に反体制運動に参加するよう呼びかけた。

レバノンの動き

ベイルートのロシア大使館前で、アサド政権を支持するシリア人、レバノン人多数が集会を開き、西側および一部アラブ諸国のアサド・バッシングに異議を唱えるロシアに謝意を示した。

諸外国の動き

イタルタス通信(1月29日付)は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が、「彼らがこのような方法で有益な任務に対処したのか理由が知りたい…。私が彼らの立場だったら、監視団の増員を支持していた」と述べ、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長による監視団活動停止の発表に疑義を呈した。

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フランスの国連代表は国際社会にシリア人の保護に責任を果たすべく「安保理から」国際社会が動くべきだとの声明を発表、各国代表に配布した。

AFP, January 29, 2012, January 30, 2012、Akhbar al-Sharq, January 29, 2012、al-Hayat, January 30, 2012,January 31, 2012、Kull-na Shuraka’,January 29, 2012, February
1, 2012、al-Misriya al-Yawm, January 29, 2012、Naharnet.com, January 29, 2012、Reuters, January 29, 2012、SANA, January 29, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

西側諸国および一部アラブ諸国が共同で作成した安保理決議案が提出、クルド民族主義政党および民主統一党がアサド政権との合意のもとハサカ県の暫定自治開始を宣言する見込み(2012年1月28日)

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、一部アラブ諸国外相との協議の結果、連盟監視団の活動を停止し、今後の活動に関して2月5日(日曜日)の閣僚委員会会合で審議することを明らかにした。

この決定に関して、アラビー事務総長は、シリアにおける情勢悪化に伴う決定だと述べた。

国内の暴力

複数の反体制勢力筋によると、ダマスカス郊外県各地で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。

同筋によると、サクバー市、ジスリーン町、カフルバトナー町は離反兵が制圧(占拠)し、武装した戦闘員が警備にあたっている、という。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、グータ地方東部で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦し、民間人6人、軍・治安部隊兵士16人、離反兵3人が死亡した。

また軍・治安部隊は、離反兵が制圧(占拠)しているとされるカフルバトナー町、サクバー市、ハムーリーヤ市、ジスリーン町、アルバイン市に戦車・装甲車などで突入し、掃討作戦を行ったという。

一方、ハラスター市でも、治安部隊が設置した検問所で青年1人が銃殺された。

これに対して、SANA(1月28日付)は、アドラー市・ドゥーマー市館で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、曹長1人を含む7人を殺害されたと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、フーラ地方で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦し、軍・治安部隊兵士が少なくとも5人死亡した。

またラスタン市でも同様の戦闘があり、離反兵3人が死亡したという。

さらに複数の活動家によると、ハマー市内で頭を撃たれた遺体17体が発見された。

しかし、SANA(1月28日付)によると、ヒムス市郊外で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市郊外で治安部隊の発砲により市民1人が殺害されたという。

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イドリブ県では、SANA(1月28日付)によると、イドリブ・アリーハー街道で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。

SANA, January 28, 2012
SANA, January 28, 2012

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市で治安部隊の「迫撃」により子供1人が死亡した。

一方、SANA(1月28日付)によると、クーリーヤ市南部の石油パイプラインに対して、武装テロ集団が破壊工作を行い、火災が発生し、約2,000バレルの石油が焼失した。

アサド政権の動き

ムハンマド・シャッアール内務大臣は、国内での掃討作戦に関して、「ならず者と法律違反者の粛清」を行っていると述べた。

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SANA(1月28日付)は、シリア政府が活動期間延長に合意したにもかかわらず、アラブ連盟が監視団の活動中止を決定したことは遺憾であり奇妙だ、とのシリア政府高官の談話を伝えるとともに、この決定が、GCC諸国の監視団撤収決定に同調した動きで、シリア国内の暴力の継続が理由ではなく、シリア内政への外国の干渉を促すための布石だと非難した。

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『クッルナー・シュラカー』(1月28日付)は、PKK系のクルド民族主義政党、民主統一党が12月の統一地方選挙で選出された県議会および地方議会の開会後に、アサド政権との合意のもと、ハサカ県の暫定自治開始を宣言する見込みである、と報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、ブルハーン・ガルユーン事務局長ら使節団がニューヨークに向かい、安保理で民間人保護を保障するよう求めることを明らかにした。

また同声明で評議会は、「自由を求めるシリア国民の殺戮に参与するイラン政府」を批判する一方、世界中のロシア大使館でシリアの体制指示停止を求めるデモを行うよう呼びかけた。

さらに、サウジアラビア、カタールなどのGCC諸国がシリア国民を支援し、流血を止めようとしていると評価し、謝意を示した。

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シリア国民評議会執行委員会のアフマド・ラマダーン氏は『ハヤート』(1月29日付)に対して、「増加し、減少することのない殺戮行為を隠蔽するより、撤収する方がよい」と述べ、アラブ連盟監視団の活動停止への歓迎の意を示した。

国連の動き

西側諸国および一部アラブ諸国が共同で作成した安保理決議案をモロッコ(2011年にレバノンに代わって非常任理事国に選出)が安保理に提出した。

『ハヤート』(1月29日付)によると、同決議案は、シリア政府にあらゆる攻撃と人権侵害への禁止を求めるとともに、武装集団を含むすべての当事者に暴力停止を求めている。

アラブ連盟が11月に決定した経済制裁に関しては、すべての加盟国に同様の措置を講じるよう奨励している。

また、大統領権限の副大統領への権限移譲と挙国一致内閣発足を求めた連盟の行程表についてもこれを「強く支持」し、その実施をシリアに求めているが、強制力は伴っていない。

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ロシアの国連代表は、決議案に関して対話する用意があるとしつつ、その内容に関して「越えてはならない我々のレッドラインを越えている」と非難し、アサド政権への制裁、武器禁輸、体制転換をも拒否するとの意思を示した。

諸外国の動き

イスタンブールで、GCC外相とアフメト・ダウトオール外相が会談し、シリア政府に対して連盟の行程表を受諾し、殺戮を停止するよう求めた。

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SANA(1月28日付)は、ヒムス県のジャンダル発電所で働くイラン人技術者7人が武装テロ集団に誘拐されたことをイラン高官が確認したと報じた。7人はレバノン北部に連れ去られた、という。

また同報道によると、アレッポ・ハマー街道でイラン人巡礼者11人が武装テロ集団に誘拐されたと報じた。

AFP, January 28, 2012、Akhbar al-Sharq, January 28, 2012、al-Hayat, January 29, 2012、Kull-na Shuraka’, January 28, 2012、Reuters, January
28, 2012、SANA, January 28, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ヒムス県、ハマー県、アレッポ県、ダマスカス郊外県、ダルアー県などで大規模な掃討作戦が発生し「過去3日間で暴力が著しくエスカレート」(2021年1月27日)

国内の暴力

シリア革命総合委員会によると、ヒムス県、ハマー県、アレッポ県、ダマスカス郊外県、ダルアー県などで、軍・治安部隊が反体制抗議運動の掃討を目的とする大規模な弾圧を行い、84人が殺害されたという。

SNN, January 27, 2012
SNN, January 27, 2012
SNN, January 27, 2012
SNN, January 27, 2012

シリア人権監視団、地元調整諸委員会など、複数の活動家によると、弾圧は、迫撃砲などが使用された「市街戦」の様相を呈し、また軍・治安部隊が包囲するなか、各地で反体制デモが行われたという。

また別の活動家によると、弾圧は「シャッビーハ」が行っており、そのさまは「離反兵に殺害されたメンバーへの単なる復讐」の様相を帯びていたという。

一方、シリア公式筋は、ヒムス県、ダマスカス県、ダイル・ザウル県などでの武装テロ集団による犯罪行為を大々的に報道した、国際社会に訴えようとする反体制勢力とは別の思惑、すなわち弾圧の正当化という思惑のもと被害を誇張した。

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もっとも暴力が激しかったのは、ヒムス県ヒムス市で、軍・治安部隊が26日夜からバーブ・アムル地区、カラム・ザイトゥーン地区などで大規模な掃討作戦を行い、一家族29人(うち子供8人)が殺害されたという。

一方、SANA(1月27日付)によると、ヒムス市マイダーン地区で武装テロ集団が発砲し、治安維持部隊兵士1人が殺害され、14人が負傷した。

タルビーサ市では、地元調整諸委員会によると、26日夜から大規模な反体制デモが発生し、軍・治安部隊が迫撃砲などを用いて弾圧を試みた。

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ダマスカス郊外県では、地元調整諸委員会によると、ザマルカー町などで金曜礼拝後に反体制デモが発生し、武装部隊が実弾を用いて強制排除したという。

またハラスター市、アルバイン市、ドゥーマー市などでは、軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

ドゥーマー調整委員会によると、自由シリア軍がドゥーマー市に突入したほか、ハラスター市、ダマスカス県カーブーン区を「包囲」、またランクース市を襲撃したという。

一方、SANA(1月27日付)によると、カタナー市で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が2発爆発し、複数の市民と兵士が負傷した。

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ダマスカス県では、地元調整諸委員会によると、マイダーン地区、カーブーン区で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、武装部隊が実弾を用いて強制排除したという。

SANA(1月27日付)によると、マイダーン地区で、武装テロ集団が仕掛けた爆弾の爆発や発砲によって、子供1人が死亡、複数が負傷した。

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SANA, January 27, 2012
SANA, January 27, 2012

ダルアー県では、『ハヤート』(1月28日付)によると、軍・治安部隊の増援部隊が派遣され、各地で離反兵と戦闘し多数を逮捕した。

またSANA(1月27日付)によると、ムザイリーブ町で軍・治安部隊の兵員輸送バス2輌が武装テロ集団のロケット弾攻撃を受け、6人の兵士が殺害された。

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ハマー県では、地元調整諸委員会によると、共和国護衛隊、第4師団がハマー市に突入した。

同市では反体制デモの開始とともに、各地区で爆発音や発砲音が鳴り響いたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市にある軍・治安部隊の検問所に車爆弾が突撃し、爆発、6人の兵士が死亡した。

一方、SANA(1月27日付)によると、ジスル・シュグール地方で、関係当局がトルコからの武装テロ集団の潜入を阻止した。

またザーウィヤ山では、レバノンのジャディーダ・チャンネルの特派員の家が武装テロ集団によって破壊されたという。

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アレッポ県では、地元調整諸委員会によると、アレッポ市のマルジャ地区で反体制デモが発生し12人が殺害された。またフィルドゥース地区でもデモが発生し、治安部隊(対テロ部隊約150人)の強制排除の際に複数人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月27日付)によると、ブーカマール市で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民と治安維持軍兵士合わせて6人が死亡した。

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反体制活動家はフェイスブックなどを通じて「自衛の金曜日」と銘打った反体制デモを呼びかけていた。

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『クッルナー・シュラカー』(1月27日付)によると、ハサカ県ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、カーミシュリー市、カフターニーヤ市、ダイリーク市で、クルド人青年らが中心となって反体制デモが行われた。

アサド政権の動き

シリア・アラブ・テレビ(1月27日付)は、自由シリア軍ファールーク大隊の声明(イラン人兵士逮捕に関する声明)に関して、「誘拐犯はイランのパスポートを所持していたことをもってイラン人兵士だと述べているが、この物言いは(シリアで滞在する)700万人のイラン人がイランのパスポートを持っていることを踏まえると嘲笑に値する」と批判した。また出入国スタンプに関しては、シリア・イラン間においてすでに廃止されていると付言した。

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ダマスカスのエジプト大使館が主催したフスニー・ムバーラク大統領退任1周年の祝典に、ムハンマド・リヤード・フサイン・イスマト文化大臣、アドナーン・ハサン・マフムード情報大臣、ハッサーン・サーリー国務大臣、ファイサル・ミクダード外務次官が出席した。

またこの祝典にはアラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長も出席した。

反体制勢力の動き

SANA, January 27, 2012
SANA, January 27, 2012

カイロ市カーデン・シティ地区にあるシリア大使館に在外シリア人とエジプト人青年活動家数十人が不法侵入し、エジプト警察部隊と大使館の警備員が空砲などで対抗し排除した。

侵入した若者たちはエジプト人の若者とともに、タハリール広場でエジプトの軍政打倒を求めるデモに参加していたが、その後シリア大使館に向かい、投石を行い、大使館の正門や壁のガラスなどを破壊した。

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シリア国民評議会のバスマ・カドマーニー報道官は自由シリア軍との関係に関して、「評議会は武器拡充の支援は行わない。なぜなら個人的動機に基づく攻撃に反対しているからだ。しかし、評議会は自由シリア軍が活動を続けられるよう資金を供与したり、出資者を探すだろう。額は決まっていないが」と述べた。

また執行委員会メンバーのアフマド・ラマダーン氏は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣とのカイロでの会談で、評議会使節団に対して、サウジアラビアが近く、評議会を「シリア国民の正当な代表」として承認するだろうと述べたことを明らかにした。

一方、ムハンマド・ナッジャール渉外局長は、『ハヤート』(1月28日付)に対して、評議会がトルコとカタールに逮捕されているイラン人5人の釈放のためのアサド政権との交渉を委ねていると述べた。

AFP(1月27日付)は、パリでシリア国民評議会の新指導部の選挙が始まったと報じた。これはブルハーン・ガルユーン事務局長の任期が2月15日に修了するのを受けた動き。

アラブ連盟(監視団)の動き

アラブ連盟監視団のダービー団長は、声明を出し、GCC諸国が監視団を撤収させた「過去3日間で暴力が著しくエスカレートした」と発表した。

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アラブ連盟監視団のアドナーン・ハディール作業部長は、撤収したGCC諸国の監視団に代わって、30人のメンバーが来週にも監視団に合流すると発表した。

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ロイター通信(1月27日付)は、アラブ連盟監視団がダマスカス郊外県の高官らと会見した際、ハラスター市、アルバイン市への視察を治安上の理由に控えるよう進言されたと報じた。

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UPI(1月27日付)は、IAEAの前事務強調のムハンマド・バラーダイー(エルバラダイ)氏がシリア問題をめぐる連名特使への就任を辞退したと報じた。

同人事は1月22日のアラブ連盟閣僚委員会会合で提案された。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流は声明を出し、シリア国民評議会の公開書簡に関して「評議会の勇敢な措置はレバノン・シリア関係の新たな章への道を切り開くだろう」と支持を表明した。

諸外国の動き

ロシアのゲンナジイ・ガティロフ外務次官は、「シリアの政治的正常化をめぐる決議はいかなる前提条件も伴わずに決せられねばならない。我々はアサド大統領の退任を求める安保理決議を支持することはできない」と述べ、西側と一部アラブ諸国が準備している安保理決議案を拒否する姿勢を示した。

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『ハヤート』(1月28日付)によると、ダマスカスのイラン大使館筋は自由シリア軍ファールーク大隊の声明(イラン人兵士逮捕に関する声明)の内容を否定した。

その一方で、イラン外務省報道官は、シリアでイラン人巡礼者11人が誘拐され、シリア政府に彼らの釈放のために介入するよう要請していると発表した。

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UNICEFは声明を出し、2011年3月以降、シリア国内で384人の子供が殺害されたと発表した。

一方、国連の潘基文事務総長は、シリア情勢に関して、アサド政権に国民の要求を聞き入れるよう求めるとともに、国際社会に対しては統一的立場で対処するよう呼びかけた。

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シリア国民救済ヨルダン委員会の報道官は、ヨルダン人(27人)が逮捕され、拷問を受けて死亡したと発表した。

AFP, January 27, 2012、Akhbar al-Sharq, January 27, 2012、al-Hayat, January 28, 2012、Kull-na Shuraka’, January 27, 2012, January 28, 2012、Naharnet.com,
January 27, 2012、Reuter, January 27, 2012、SANA, January 27, 2012、UPI, January
27, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アラブ社会主義連合民主党が民主的変革諸勢力国民調整委員会からの脱退を表明するなか、サウジアラビアとカタールが反体制勢力への資金提供を合意していたことが判明(2012年1月26日)

国内の暴力

シリア革命総合委員会によると、離反兵が「制圧」(占拠)していると主張するヒムス県各地、ダマスカス郊外県各地で軍・治安部隊が掃討作戦を継続、少なくとも30人が死亡した。

またシリア人権監視団によると民間人43人、軍人12人を含む62人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、ドゥーマー市で軍・治安部隊が大規模な掃討作戦を行い、シリア人権監視団によると、200人以上が逮捕された。

またアルバイン市、ハラスター市でも、住民らによると、夜間銃声が鳴り響いていた、という。

「自由シリア軍のフサイン」を名のる男性はロイター通信(1月26日付)に対して、自由シリア軍がドゥーマー市、ハラスター市の大部分を制圧したと語った。

「アブー・サーイル」を名のる別の脱走兵によると、「軍は迫撃砲、対空砲を装備しているが、我々には手榴弾、ロケット弾しかない」と語った。

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ヒムス県では、ワアル地方で、武装テロ集団がルワイユ・ムハンマド・ナクリー大佐を自宅前で襲撃・殺害した、とSANA(1月26日付)が報じた。

またクサイル市でも引き続き軍・治安部隊による掃討作戦が続き、負傷者が出た。

シリア人権監視団によると、ヒムス市でも市民2人が殺害された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町近郊で離反兵が武装治安部隊を要撃し、曹長1人(スライマーン・アリー曹長)を含む兵士4人を殺害、5人を負傷させた。

しかしSANA(1月26日付)によると、アリー曹長らは武装テロ集団がしかけた爆弾を撤去作業中に爆発に巻き込まれて死亡した、と報じた。

またシリア人権監視団によると、ナワー市で学生が反体制デモを行い、若者1人が治安当局に殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市ジャラージマ地区で狙撃兵が女性を射殺した。

SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012
SANA, January 26, 2012

アサド政権の動き

ダマスカス郊外県のフサイン・マフルーフ県知事はアラブ連盟監視団と会談、当局が武装集団の一部と停戦に向けた対話を始めたと語った。

マフルーフ県知事は「彼らの誤解は解け、最終的には正しい道に戻るだろう」と述べたうえで、当局がザバダーニー市での停戦と同様の措置を各地で準備していることを明らかにした。

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SANA(1月26日付)によると、アサド政権の改革支持を訴える大規模な集会が各地で開催された。

集会が開催されたのはダマスカス県サブウ・バフラート広場、アレッポ県アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)、ラタキア県ラタキア市、タルトゥース県タルトゥース市、ハサカ県ハサカ市、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市、ラッカ県ラッカ市など。

反体制勢力の動き

AKI(1月26日付)は、民主変革諸勢力国民調整委員会の執行委員会筋の話として、同調整委員会が2月半ばに新執行部を選出するとともに、新たな政治綱領と政治プログラムを発表すると報じた。

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アラブ社会主義連合民主党は声明を出し、民主的変革諸勢力国民調整委員会からの脱退を発表した。

脱退の理由として、声明は、委員会の政治的立場、広報活動、そして指導部そのものが民主的でなく、党の方針と「革命の目的」と合致していないといった理由を挙げている。

アラブ社会主義連合民主党は民主的変革諸勢力国民調整委員会の代表であるハサン・アブドゥルアズィーム弁護士が書記長を務める。また左派系の反体制政治同盟のシリア国民民主連合(アブドゥルアズィーム弁護士が代表)における指導党でもある。

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エジプト訪問中のシリア国民評議会運営委員会のメンバーはカイロでカマール・ハサン・アリー在エジプト・スーダン大使と会談し、連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長の声明に関して意見を交換した。

Kull-na Shuraka’, January 26, 2012
Kull-na Shuraka’, January 26, 2012

会談内容に関して、ムハンマド・ヤースィーン渉外局長は『ハヤート』(1月26日付)に対して、「ダービー団長の政府は…スーダンの役割を弱化させ、同国の立場をゆがめようとする」ものだと批判した。

またスーダン大使が「シリア革命への支持を確認した」と付言した。

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「民主化のためのシリア人キリスト教徒」を名のる集団が声明を出し、ハマー市郊外のカフルバフム村でのキリスト教神父バースィリユース・ナッサール氏の殺害に関して、アサド政権の犯行だと断じた。

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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は『ル・フィガロ』(1月26日付)に対して、アサド政権が「先ずアラウィー派が住む都市や村々に爆弾、機関銃を配布した…。先月、重火器の搬入が始まり、丘や山に隠されている…」と述べ、同政権が「宗派主義的内戦を発生させようとしている」と批判した。

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アラビーヤ(1月26日付)は、シリアの反体制シャイフ、アブドゥルジャリール・サイード氏が、ウラマーの使節団を近くカイロのアズハル機構に派遣し、シリア人ウラマー約1,000人が署名した共和国フムティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師の宗教的資格停止を求める書簡を提出すると述べたと報じた。

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Kull-na Shuraka’, January 26, 2012
Kull-na Shuraka’, January 26, 2012

自由シリア軍は声明を出し、ヒムス県ヒムス市でイラン人兵士5人を逮捕したと発表、最高指導者アリー・ハーメネイー師に対して、イラン兵のシリア駐留を認め、即時撤退するよう要求した。

声明によると、5人を逮捕したのはファールーク大隊で、彼らは空軍情報部ヒムス支部で活動しており、出入国スタンプの押されていないイランのパスポートを所持していたという。

またこれとは別に、ヒムス市内のジャンダル発電所で働いているイラン人技術者2人も逮捕したと発表した。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は声明を出し、「シリアでの暴力と殺戮の継続」への懸念を表明するとともに、アサド政権に対して「治安・軍事措置のエスカレートを回避」するよう呼びかけた。

レバノンの動き

進歩社会主義党党首のワリード・ジュンブラート議員は訪問先のモスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア情勢などを協議した。

会談後、ジュンブラート議員は、シリアの危機に関して、政治的解決に達することが重要だと指摘するとともに、アラブ連盟のイニシアチブ以外に解決策はないとの見方を示した。

またロシアの姿勢に関して、「ロシアが正しい人々の声を支持することを希望する」と述べた。

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レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表はシリア国民評議会の公開書簡に対して、レバノン・シリア関係を正しい方向に導こうとしていると高く評価した。

またシリア当局によると北部県アッカール郡のレバノン人漁民の拘束・殺害に関して、レバノンの主権を侵害するこうした事態が再発した場合、国連安保理に問題を付託し、レバノンへの攻撃を回避すべきだ、と述べた。

イスラエルの動き

イスラエルのガビ・アシュケナジ前参謀長はテルアビブ大学で講演し、アサド政権の崩壊やシリアの内戦が、イスラエルを困難な状況に追いやると述べた。

アシュケナジ前参謀長は「ヒズブッラーへの最大の武器供給国がイランだとの誤った評価があるが、実際にはシリアがヒズブッラーに武器を供与している…。シリアにはいかなる実行力のある政府も発足しないだろう。ないしは内戦が生じるかもしれないし、失敗国家となるかもしれない。そうなればイスラエルは困難な挑戦に曝されることになるだろう…。エジプトとは異なり、シリア軍は命をかけている…。彼(アサド大統領)が地域の安定の錨だということを無視できない」と述べた。

さらにシリアが国際社会の「陰謀」に曝されていると付言した。

諸外国の動き

『タイムズ』(1月26日付)は、サウジアラビアとカタールがシリアの反体制勢力の武器購入に対して資金援助を行うことを秘密裏に合意していたと報じた。

同報道はシリアの反体制活動家筋の話として、1月22日のアラブ連盟外相会合や閣僚委員会会合後に、サウジアラビアとカタールはシリアの反体制勢力と、GCC諸国の連盟監視団の撤収とともに、武器供与に対する資金援助を秘密裏に合意したという。

また同報道は、『マナール・マクディスィーヤ』紙からの情報として、米国、イスラエル、フランスがトルコとレバノン領内で、カタールの資金援助のもとに、反体制活動家へのリクルート、教練、武器供与を行っていると指摘した。

さらにカタールはハマド・ブン・ハリーファ首長とハマド・ブン・ジャースィム首長の指導のもと、アラブ諸国で「テロリスト」の教練やネットワーク構築を行っているとされ、シリア国境ではレバノンのサアド・ハリーリー前首相とレバノン軍団代表のサミール・ジャアジャア氏がこれに協力している、という。

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ナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官はシリアでの弾圧の被害者の正確な数を提示することはできないと白状した。

プレイ弁務官は、「我々は5,000人という数字を示してきた…。犠牲者数は現在より大きくなっている」と述べる一方で、「ヒムス市内の地域など一部の地域が完全に閉鎖されている」ため正確な数値を把握できないと付言した。

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国際赤十字委員会のベアトレス・メゲヴァンド・ロゴ(Béatrice Mégevand-Roggo)中近東事業局長はシリア情勢に関して、同委員会の内戦の定義にはいまだあたらないと述べた。

一方、同委員会は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市での赤新月社イドリブ支部長のアブドゥッラッザーク・ジュバイルー氏の殺害事件の調査と真相究明をシリア政府に求めた。

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ロシア外務省報道官は、シリア問題に関して、自国が作成した決議案を依然として支持していると述べるとともに、現在西側諸国と一部アラブ諸国が作成している決議案を受け入れることができない、との意思を示した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ロシアのインテルファクス通信(1月26日付)に対して、トルコ政府が武装反体制勢力と接触してないと述べるとともに、反体制勢力に対して平和的方法で活動するよう呼びかけた。

しかし、トルコが、シリアを脱走したリヤード・アスアド大佐(自由シリア軍司令官)をはじめとする上級士官を保護していることは周知の事実である。

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カナダ政府は、治安機関などに所属する政権関係者22人、政府系銀行4行、石油企業3社を追加制裁の対象としたと発表した。

AFP, January 26, 2012、Akhbar al-Sharq, January 26, 2012、Alarabia.net, January 26, 2012、al-Hayat, January 27, 2012、Kull-na Shuraka’, January 26, 2012, January 27, 2012、Le Figaro, January 26, 2012、Naharnet.com, January 26, 2012、Reuters, January 26, 2012、SANA, January 26, 2012、The Times, January 26, 2012などをもとに作成。

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ハマー市で軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が続くなか、ムアッリム外務大臣が「シリア情勢の真実が明らかになることを望まない一部当事者による障害」にめげずアラブ監視団への「完全なる協力」を行うと明言(2012年1月25日)

国内の暴力

ハマー県では、地元調整諸委員会によると、ハマー市で24日夜から、軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われ、反体制勢力が制圧しているとされているバーブ・カルビー地区、ハミーディーヤ地区、マルアブ地区、ジャラージマ地区などで反体制勢力と交戦した。

シリア革命総合委員会によると、この交戦で少なくとも21人が死亡した。しかし、地元調整諸委員会は各地での弾圧で19人が殺害された発表した。

『ワタン』(1月25日付)によると、「関係当局はハマーを武装集団や悪党から解放し、通常の生活を回復するべく、最終的な決定を行った」という。

一方、SANA(1月25日付)は、ハマー市郊外のカフルバフム村でキリスト教神父のバースィリユース・ナッサール氏が武装テロ集団に暗殺されたと報じた。

しかし地元調整諸委員会は武装テロ集団による犯行を否定し、治安部隊に殺害されたと主張した。

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SANA, January 25, 2012
SANA, January 25, 2012

シリア人権監視団によると、ヒムス県クサイル市でも軍・武装部隊による掃討作戦が行われ、市民2人(女性と子供)が犠牲となった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市で軍・治安部隊と離反形が激しく交戦し、軍の兵員輸送車輌3輌が破壊され、6人が負傷したという。

またイフスィム村では、軍・治安部隊がストライキを解除しようとして発砲した、という。

一方、SANA(1月25日付)は、ハーン・シャイフーン市で、赤新月社イドリブ支部長のアブドゥッラッザーク・ジュバイルー氏が武装テロ集団によって暗殺されたと報じた。

しかし地元調整諸委員会は武装テロ集団による犯行を否定し、治安部隊に殺害されたと主張した。

またSANA(1月25日付)によると、アファーミヤー遺跡で治安維持部隊が武装テロ集団の襲撃を受け、部隊兵士5人が殺害された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われ、ジャラージール町で3人の市民が犠牲となった。

ヤブルード市、フーシュ・アラブ村は戦車で包囲されている、という。

アサド政権の動き

ワリード・ムアッリム外務大臣はダマスカスでアラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長と会談し、「シリア情勢の真実が明らかになることを望まない一部当事者による障害」にめげず、監視団への「完全なる協力」を行うと明言した。

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SANA(1月25日付)は、ダマスカスで宗教関係施設管理者やムフティーらイスラーム教法曹関係者が大会を開き、外国の軍事介入拒否、アラブ軍の介入拒否という姿勢を確認したと報じた。

反体制勢力の動き

シリア国内で反体制運動を行っている国民民主諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表らはダマスカスで記者会見を開き、アラブ連盟のイニシアチブに基づく問題解決への支持を表明し、国連安保理への問題の付託(いわゆる「国際化」)を拒否する姿勢を明示した。

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アラブ言論・表現の自由擁護センター代表のバヒーヤ・マールディーニーの女史は、EUによる制裁において、アサド大統領の姉のブシュラー・アサド女史が対象となっていないと指摘、追加制裁を主唱した。

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トルコで反体制活動を行うシリア変革大会(アンタリア会議)は声明を出し、アラブ連盟外相会合の決議が、大統領のすべての公職からの即時退任を明記しておらず、挙国一致内閣発足への協力を示唆してはいると一定の留保を設けつつも、連盟のイニシアチブを歓迎した。

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ダマスカス国民民主宣言は声明を出し、アラブ連盟外相会議の決議に関して、「注目すべき進展であり、内外において現体制の正統性が失われているなかで、アラブがその正統性を奪う兆候」と評価した。

しかし同評議会は、連盟監視団の撤収と国連安保理への問題の付託を求めている。

一方、レバノン国民宛に公開書簡を発表し、対レバノン関係をめぐるビジョンを明示した。

公開書簡では、レバノン・シリア最高会議が解体され、二国間合意は改訂されるべきだ、と述べ、1990年代のシリアによるレバノン実効支配時代以来の両国間関係を再検討する必要を強調し、「両国の国益を考慮した新たな合意」、「両国の適切な外交関係の樹立」を呼びかけた。

また「レバノンの問題へのシリアの治安・諜報機関の介入」を終わらせ、「武器密輸を摘発」することを約束した。

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反体制活動家のスハイル・アタースィー女史は、大統領権限の副大統領移譲などを骨子とするアラブ連盟外相会合の決議(行程表)に関して、「非常に遅れた」と遺憾の意を明らかにした。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟監視団のアドナーン・ハディール作業部長は、GCC諸国の監視団員55人が撤収、帰国したと発表した。

同作業部長によると、GCCは監視団への資金面での支援は継続し、新規に5,000,000ドルの供与する予定。

レバノンの動き

アドナーン・マンスール外務大臣はシリアのアブドゥルカリーム・アリー大使と会談した。

会談後、アリー大使は、レバノン・シリア間の諸合意に関して、「レバノンにはこれらの合意を履行するより多くの責任がある。なぜなら、シリアに密輸される武器は時にレバノンを経由しているからだ…。シリアはレバノンがこうした活動に勤勉に対処するだろうと考えている」と述べた。

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3月14日勢力事務局は声明を出し、ナジーブ・ミーカーティー内閣がシリアと距離を置こうとしていると非難、「(シリアの)危機の影響からシリアを護るためために活動すべきだ」との意思を示した。

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NNA(1月25日付)は、進歩社会主義党党首のワリード・ジュンブラート議員がロシアへ発ったと報じた。

ロシアではセルゲイ・ラブロフ外務大臣とシリア情勢に関して意見を交わす、という。

諸外国の動き

ニューヨークでは、米仏英独、ポルトガル、サウジアラビア、クウェート、カタール、UAE、ヨルダン、トルコが対シリア国連安保理決議案作成を進めている。

複数の外交筋によると、決議案は、アラブ連盟の行程表の完全履行を求めるとともに、「シリア側が決議採択語15日を経ても行程表を履行しない場合、追加措置をとる」との文言を含むという。

一方、国連の潘基文事務総長は、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣がアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と連名で提出した文書(会談要請とシリア問題の国連への付託要請)を安保理議長に回付した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワでトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談した。

会談後、ラブロフ外務大臣は、シリア国内での暴力停止のための提案は歓迎するとしながらも、安保理での対シリア制裁決議に反対するとの姿勢を改めて示した。

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サウジアラビアのトゥルキ・ファイサル前米大使はCNN(1月25日付)に対して、「もし彼に優先順位や道徳的評価を感じとる最低限の感覚があったなら」退任すべきだ、と述べた。

AFP, January 25, 2012、Akhbar al-Sharq, January 25, 2012、Alarabia.net, January 25, 2012、CNN, January 25, 2012、al-Hayat, January 26, 2012、Kull-na Shuraka’, January 25, 2012、Naharnet.com, January 25, 2012、NNA, January 25, 2012、Reuters, January 25, 2012、SANA, January 25, 2012、al-Watan, January 25, 2012などをもとに作成。

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ムアッリム外務大臣が記者会見を行いアラブ連盟外相会合および閣僚委員会会合に対する政府の立場を説明、またヒムス県およびハマー県で軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われる(2012年1月24日)

アサド政権の動き

ワリード・ムアッリム外務大臣が記者会見を行い、22日のアラブ連盟外相会合および閣僚委員会会合に対するシリア政府の立場を明示した。

SANA, January 24, 2012
SANA, January 24, 2012

記者会見でムアッリム外務大臣は、副大統領への権限移譲や2ヵ月以内の挙国一致内閣発足を骨子とする連盟外相会合の決議に関して、「解決策は連盟決議に示されたようなものではない。我々はそれを断固拒否する。なぜなら、我々の内政へのあからさまな干渉だからだ…。シリア的解決策はシリア国民の利益から発しており、それは何よりも先ず、バッシャール・アサド大統領が宣言した包括的改革プログラムの実施に基づいている…。シリア指導部の立場は、内外でシリアが曝されているものに対して断固且つ協力なものである。シリア政府は断固として、武装テロ集団に対処する」と述べた。

そのうえで現下の危機の解決策に関して「アラブ的解決はもはやなく、今後はシリア的な解決になるだろう」と付言し、治安対策を民衆の要請と位置づけ、その必要を強調した。

またシリア・バッシングを主導するカタールやサウジアラビアを示唆するかたちで、「彼らは…、安保理へ向かうべく行動している…。シリアに対抗するための彼らの計画における新段階とは、国際(問題)化をめざすという動きである。彼らは連盟決議の承認を得るため国連に出向くと言った。このことは連盟の決議、そして連盟が役割を果たせないということを彼らが認めているということだ」と述べた。

さらにこれらの国が民主化や憲法改正に関わるシリア内政について言及することに関しては、「ない袖は降れない状態」として、これらの国々に議会や憲法さえないことを暗に非難した。

一方、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首長がアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長との連名で国連の潘基文事務総長との会談を求めていることに関して、「彼らがニューヨークに行こうと、月に行こうと、それは彼らの問題だ。我々は彼らの旅費を出さない」と述べ、こうした動きを拒否する姿勢を示した。

しかし、アラブ連盟監視団の活動の延長に関しては、「検討すべき問題」と述べ、これを受諾する方向であることを明らかにした。

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SANA(1月24日付)は、アーディル・サファル内閣がインターネット通信調整情報犯罪撲滅法案を閣議承認したと報じた。

反体制勢力の動き

シリア・クルド国民評議会事務局のアフマド・スライマーン氏は『クッルナー・シュラカー』(1月24日付)に対して、同評議会のシリア国民評議会への参加に関するアブドゥルハキーム・バッシャール氏の発言は「事実と真実から遠い」と述べ、否定した。

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シリア人民民主党の重鎮の一人で反体制活動家のジョルジュ・サブラー氏がシリアを出国しフランスに入った。

『リベラシオン』(1月24日付)の取材に対して、サブラー氏は、「シリア国民は国連の保護を受けるに値する」と述べ、国際社会の介入を是とする姿勢を明示した。

またシリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長に関しては、「理想的な男だが、大学教授としてであって、政治家としてでない」と述べ、「他者との共同行動に不慣れだ」と批判した。

同氏は、人民民主党によってフランスに派遣されたという。

人民民主党(旧シリア共産党政治局派)は国内最大の反体制政治同盟シリア国民民主連合加盟政党で、その「精神的指導者」のリヤード・トゥルク弁護士は、ダマスカス国民民主宣言運動を主導、シリア国民民主連合加盟政党のアラブ社会主義連合民主党書記長で民主的変革諸勢力国民調整委員会代表のハサン・アブドゥルアズィーム弁護士と不仲だと言われている。

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地元調整諸委員会は声明を出し、アラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長の発言に関して、「犠牲者と死刑執行人を十把一絡げにしている」と批判した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長はアラビーヤ(1月24日付)の取材に対して、シリア問題への国際社会の介入を求めるため国連安保理に使節団を派遣する用意があると述べた。

国内の暴力

地元調整諸委員会によると、ヒムス県およびハマー県で軍・治安部隊による大規模な掃討作戦が行われ、ヒムス市カラム・ザイトゥーン地区ではビル2棟が倒壊し、18人が死亡した。

またこの18人を含めヒムス県、ハマー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県などで少なくとも43人が殺害された、という(その後、地元調整諸委員会はヒムス市でのビル倒壊の犠牲者数を19人、死者総数を68人と修正した)。

AFP(1月24日付)によると、ダマスカス県内でも厳戒態勢が強化されている、という。また反体制派によると、ダマスカス郊外県のザマルカー、サクバー、ハムーリーヤ、カフルバトナーが自由シリア軍によって解放されたとのことだが、真偽は定かでない。

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SANA(1月24日付)によると、イドリブ県では、農民総連合イドリブ支部のアブドゥッラティーフ・バックール支部長が武装テロ集団に暗殺された。また歯科医ムハンマド・ザカリヤー・ユースフ氏、治安維持部隊も同県で殺害された。

ヒムス県では、アイマン・ハッルーフ弁護士が武装テロ集団に誘拐・殺害された。

アラブ連盟の動き

GCCは声明を出し、連盟監視団から撤収したと発表した。

これを受け、アラブ連盟は常駐代表級会合を急遽開催し、GCC諸国の監視団への物心面での支援が継続されることを確認した。

GCC諸国の決定により、サウジ人監視員22人とそれ以外のGCC諸国の監視員30人が撤収し、監視団は108人となった。

アフマド・ベンフッリー事務次長によると、シリアによる監視団の活動の1ヵ月延長受諾を受け、監視団の増員が行われるだろうと述べた。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣はアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と連名で国連の潘基文事務総長に書簡を送り、シリアの危機収束のためのアラブ連盟の行動計画に関して安保理の支援を求めるための会談を要請した。

レバノンの動き

ムスタクバル・ブロック(ムスタクバル潮流の国会議員)は会合を開き、北部県アッカール郡アリーダ村の漁師3人の身柄拘束を「シリア政府によるレバノンへの主権侵害」と厳しく非難し、ナジーブ・ミーカーティー内閣に対してアラブ連盟の場でこうした行為を停止させるべく行動するよう求めた。

諸外国の動き

ニューヨークでは23日から米英仏独、ポルトガル、グアテマラ、コロンビア、サウジアラビア、カタール、UAE、ヨルダン、モロッコの国連代表が会合を重ね、シリア問題をめぐる決議案の作成を進めている。

この決議案は、国連憲章第7章に依拠していないが、シリアに対してアラブ連盟の行程表を期限付きで遵守させることを求めるものだという。

また国内の暴力に関しては、これまでのアサド政権に対する一方的非難の姿勢を改め、「シリアのすべての当事者に暴力と殺戮行為の停止」を呼びかける内容となっている、という。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アラブ連盟に対して、国連安保理にシリア問題を付託するよう求めた。

AFP, January 24, 2012、Akhbar al-Sharq, January 24, 2012、al-Hayat, January 25, 2012、Kull-na Shuraka’, January 24, 2012、Naharnet, January 24, 2012、Reuters, January 24, 2012、SANA, January 24, 2012などをもとに作成。

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シリア政府がアラブ連盟外相会合の決議が「国民主権への違反、あからさまな内政干渉、連盟憲章代8条への明らかな違反」であるとしこれに対する拒否を表明(2012年1月23日)

アサド政権の動き

SANA(1月23日付)は、シリア高官の話として、シリア政府がアラブ連盟外相会合の決議を「アラブの行動計画を逸脱している」、「包括的改革計画実施に向けたシリアの努力を無視している」と批判し、「国民主権への違反、あからさまな内政干渉、連盟憲章代8条への明らかな違反」と拒否すると報じた。

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またアラブ連盟常駐代表のユースフ・アフマド大使はカイロで、アラブ連盟外相会合の決議に関して、シリア内政に対する外国の干渉を呼び込むため、カタールを筆頭とする一部のアラブ諸国が数ヶ月にわたって行ってきた方法に沿った内容だとしたうえで、反体制勢力が平和的政治解決を拒否することを助長し、危機回避のための国民対話の可能性を奪うものだと痛烈に批判した。

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進歩国民戦線は声明を出し、アラブ連盟の決議を「敵対的な行為」、「国民主権への侵害」と非難した。

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SANA(1月23日付)は、政党問題委員会がアンサール党、民主前衛党の2党の発足を認可したと報じた。

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、大統領権限の副大統領への移行と2ヵ月以内の挙国一致内閣発足などを骨子とするアラブ連盟外相会合の決議に関して、「検討に値する」と姿勢を示した。

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地元調整諸委員会は声明を出し、アラブ連盟外相会合の決議を「体制への新たな猶予であり、新たな時間稼ぎの機会を与え、革命を生き埋めにする体制の狙いを隠蔽する」と拒否した。

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シリア国家建設潮流は声明を出し、大統領権限の副大統領への移譲、20日以内の挙国一致内閣発足などを骨子とするアラブ連盟外相会合の決議に歓迎の意を表明した。

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シリア・クルド国民評議会のアブドゥルハキーム・バッシャール代表は、同評議会とシリア国民評議会が、「国際法・慣習に沿い、シリアの統合を基礎とした、クルド問題をめぐる民主的解決策を案出」することで相互理解に達し、前者が後者に加盟するための政治綱領の修正を行うことで合意したと発表した。

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Kull-na Shuraka’, January 24, 2012
Kull-na Shuraka’, January 24, 2012

シリア国民評議会執行委員会使節団は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と会談し、アラブ連盟監視団の活動に関する「パラレル・レポート」を提出した。

同レポートは約100ページからなり、監視団の活動、民間人への犯罪などが詳細に記されている、という。

国内の暴力

シリア人権監視団は、ヒムス県クサイル市で軍・武装部隊と離反兵が交戦し、少なくとも前者の兵士5人が殺害され、13人が負傷したと発表した。

またダマスカス郊外県のドゥーマー市、タルフィーター村、ジスリーン町で治安部隊が市民8人を、イドリブ県で2人を、ヒムス県で1人を殺害したというが、証拠はない。

一方、ドゥーマー市では、23日早朝に殺害された市民12人の葬儀に15万人が参列したという。

しかしドゥーマー市の人口は11万人強に過ぎない。

このほかダイル・ザウル県のクーリーヤ市、ブーカマール市で治安当局が大規模な摘発を行ったという。

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SANA(1月23日付)によると、ヒムス県クサイル地方で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し3人を殺害、14人を負傷させた。

またダイル・ザウル県ブーカマール市では、武装テロ集団が仕掛けた爆弾を撤去しようとした処理班が爆発に巻き込まれ、1人が死亡した。

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『ザマーン・ワスル』(1月23日付)は、シリア革命総合委員会が1月21日のイドリブ県でのバス爆破事件に関して、搬送されていた逮捕者が「すでに死んでいた」証拠を示したと報じた。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長がカイロで記者会見を開き、監視団派遣以後、アサド政権と反体制勢力の双方で136人が殺害されたことを確認したと述べ、「監視団が到着したときには明らかな暴力があった、しかし現地で活動を開始すると、暴力は次第に減っていった。これは我々の活動が成功した証拠だ」と強調した。

この数値は在外反体制勢力や国際人権団体が発表する誇張された犠牲者数に比べて少ない。

例えばAvaazは1月19日に700人以上と発表している。

またシリア国民評議会によると、過去1ヵ月間の死者数は759人にのぼるという(なお3月以降の死者数は同評議会によると6,000人)。

またダービー団長は、反体制勢力の批判に対して、「反体制勢力に応える義務はない。言いたいように言わせておこう。想像したいように想像させておこう」と述べた。

レバノンの動き

カイロから帰国したアドナーン・マンスール外務大臣は、アラブ連盟外相会合の決議に関して、「アラブ連盟監視団の報告書と無関係」の内容と批判したうえで、「反体制勢力と政府の対話によって危機は収束するだろう」との見方を示した。

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進歩社会主義党党首のワリード・ジュンブラート議員は機関誌『アンバー』(1月23日付)で、マンスール外務大臣の発言を批判、「シリアの危機をめぐって解決策を提示しようとするより、沈黙しているようがよかった」と述べた。

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レバノン・カターイブ党最高党首のアミーン・ジュマイイル元大統領は「シリア危機のカウントダウンが始まった」としつつ、「他の何よりも先ずレバノンのニーズに対処するというのが「レバノン第一」というスローガンの本文だ」と述べ、反アサド政権の姿勢を明示する3月14日勢力の一部の指導者たちとの姿勢の違いを示した。

諸外国の動き

EUが外相会合で、アラブ連盟の決議を支持するとともに、シリア問題を国連安保理に付託することを支持するよう国際社会に求めた。

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ロシア紙『コメルサント』1月23日付は、シリアとロシアが36機の演習用戦闘機ヤク130の購入などの供与で合意(契約総額は550,000,000ドル相当)に達した、と報じた。

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イスラエル紙『マアレヴ』(1月23日付、『クドゥス・アラビー』紙翻訳)は、アサド政権が地域の不安定化とイスラーム主義者による支配を意味しており、「西側は、アサドによる弱い支配の方が、その崩壊よりましだ…ということを理解せねばならない」と報じた。

AFP, January 23, 2012、Akhbar al-Sharq, January 23, 2012, January 24, 2012、al-Hayat, January 24, 2012、Kull-na Shuraka’, January 23, 2012、Naharnet.com, January
23, 2012、al-Quds al-‘Arabi, January 23, 2012、Reuters, January 23, 2012、SANA, January 23, 2012、Zaman al-Wasl, January 23, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アラブ連盟が「副大統領への権限移譲」や「2ヵ月以内の挙国一致内閣発足」を求める決議を発表するなか、サウジアラビア外相は自国のアラブ監視団からの撤退を宣言(2012年1月22日)

アラブ連盟の動き

アラブ連盟はカイロで外相会合を開き、連盟監視団の活動などシリア情勢を審議し、閉幕声明で、副大統領への権限移譲、2ヵ月以内の挙国一致内閣発足の必要があるとアサド大統領に提言する決議を発表した。

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閉幕声明は、政治犯釈放、暴力の停止、アラブ連盟諸機関やメディアの行動の自由の確保、軍・武装部隊の撤退、平和的デモの保障などを求めるとともに、2ヵ月以内に政府と反体制勢力が合意した人物を首班とする挙国一致内閣を発足し、アラブ連盟の行程表の履行、国会選挙および大統領選挙の準備を行うよう提言した。

またそのためにアサド大統領の権限を副大統領に移譲するよう求めた。

またアラブ連盟監視団の活動に関しては、1ヵ月間を延長することを決定した。

なおアラブ連盟外相会合の決議に従うと、政権支持者、地元民であるダルアー県出身者らの間できわめて不人気のファールーク・シャルア副大統領(政務担当)が大統領権限を移譲されることになる。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、会合でアラブ連盟監視団の有効性に疑義を呈し、「(シリアにおける)現状が継続されてはならない。我々はいかなる場合でも、偽証者であってはならないし、シリア国民に対する犯罪を正当化したり隠蔽する者に利用されてはならない」と非難し、「シリア政府がアラブ連盟の打開策をまったく履行しようとしないがゆえ、監視団から撤収する」と宣言した。

また、アラブ連盟の行程表の包括的・迅速な実施の必要をシリアに認めさせるため、イスラーム諸国、ロシア、中国、欧州、米国など国際社会に責任を果たすよう呼びかけた。

シリア問題に関する閣僚委員会メンバーでないサウード・ファイサル外務大臣はその後シリア国民評議会の使節団(ブルハーン・ガルユーン事務局長ら)と会談した。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は会合で、シリアでの流血が依然として続いている状況に対して懸念を表明し、「現在求められているのは、この監視団の活動を包括的に検証したうえで、もたらされた結果を検討し、この結果がこのような状況下での活動継続に値するものか、別の選択を行うことが現実的な要請かを見極めることだ」と述べた。

またハマド・ブン・ハリーファ首長によるアラブ軍派遣案に関しては、「政府側の暴力、反体制勢力に対する暴力の連鎖を停止させるため」であり、「自衛のための反応」と正当化した。

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シリア情勢に関するアラブ連盟閣僚委員会(ハマド・ブン・ジャースィム・カタール首相兼外相が議長、エジプト、オマーン、アルジェリア、スーダンの外相およびアラブ連盟事務局長によって構成)の会合がカイロで開催され、監視団の活動を1ヵ月延長することが決定されるとともに、アラブ軍の派遣が否決された。

会合では連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長が提出した報告書の内容に関して審議が行われた。

『ハヤート』(1月23日付、http://international.daralhayat.com/internationalarticle/353683)によると、報告書における主な提言・指摘内容は以下の通り:

1.監視団の活動の1ヵ月の延長。
2. 監視団の人員を現在の163人(うち10人はすでに帰国)から300人に増員。
3. 監視団の活動妨害などアサド政権による「違反」が見られた。
4. 武装集団が民間人への攻撃を加えた。

カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長が米国で示したアラブ軍派遣案も審議されたが、エジプト、アルジェリア、スーダンが反対し、ナビール・アラビー事務総長が態度を保留としたため否決された。

アラブ連盟本部の周辺では在外シリア人活動家が、会合前にリークされた監視団の活動延長の情報を受け、抗議活動を行った。

アサド政権の動き

SANA(1月22日付)は、シリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会が会合を開き、分科会が作成した憲法改正案の各条項を確認し、その内容をめぐって概ねコンセンサスに達したと報じた。

反体制勢力の動き

『ワシントン・タイムズ』(1月22日付)は、シリアの反体制運動指導者の一人(ズフディー・ジャースィルを名のる在米シリア人医師)の話として、アサド政権が崩壊すれば、米国は、イラク戦争に際してサッダーム・フサイン政権がシリアに搬出されたとされる大量破壊兵器や、ダイル・ザウル県キバルの核疑惑施設に関する疑問への答えを得られるだろう、と報じた。

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AFP(1月22日付)によると、反体制活動家のスハイル・アタースィー女史はウェブサイト「メディアパート」で自身がシリアを出国したと語ったと報じた。

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自由シリア軍は声明を出し、『ル・フィガロ』(1月21日付)の報道を否定し、ジル・ジャキエ氏殺害への関与を否定した。

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映画監督のガッサーン・アブドゥッラー氏がダルアー市からダマスカス県に戻る途中に当局に逮捕された。

同氏は英国籍を持つ。

国内の暴力

シリア人権監視団は自由シリア軍がダマスカス郊外県ドゥーマー市のすべての地区を軍・治安部隊との交戦の末に「制圧」したと発表した。

しかし複数の活動家によると、その直後、同反乱軍は軍・治安部隊による反撃を回避するため「撤退」した。

同監視団によると、事の発端は20日(金曜日)の犠牲者の葬儀(21日)に参列していた会葬者約20,000人に治安部隊が発砲したためで、戦闘は21日から続いており、25人が負傷、うち4人が死亡したという。

シリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県、ダイル・ザウル県、ダルアー県で治安部隊が市民13人を殺害した。

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複数の活動家によると、ダルアー県各地で軍・治安部隊が反体制活動家ら多数を逮捕した。

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複数の活動家によると、ハマー県では、マディーク村に軍・治安部隊が突入した。

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一方、SANA(1月22日付)によると、ダマスカス郊外県タルフィーター・マザーリウ・ランクース地方で電子戦争局長のハサン・アブドゥッラー・イブラーヒーム准将の乗っていた車が職場に向かう途中に武装テロ集団に襲撃され、准将と同乗していたヤームン・ハドゥール中尉が殺害され、複数の士官が負傷した。

またダルアー県郊外の軍の燃料スタンドが武装テロ集団に襲撃され、治安維持部隊兵士1人が殺害された。

ヒムス県でもヒムス市の軍事病院近くで乗り合いバスが武装テロ集団に襲撃され、市民1人が殺害された。

ハマー県ではスーラーン・ハマー街道で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人と民間人1人が殺害された。

レバノンの動き

レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は会合で、連盟監視団の活動継続への支持を表明するとともに、シリアの加盟資格停止や経済制裁に関する決議を解除するための決議を採択するよう求めた。

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1月21日にシリア当局に身柄拘束されたレバノン人2人がレバノン側に引き渡された。またシリア側の発砲で死亡したアフマド・ハマド氏の遺体が遺族に返還された。

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NNA(1月22日付)は、レバノン人1人がシリア・レバノン国境地帯にシリア軍が敷設した地雷に触れて負傷した、と報じた。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、「もし国連が何らかの行動を開始すれば、我々はそれに協力する用意がある」と述べ、シリア問題の国連での審議を支持する立場を表明した。

またアラブ連盟外相会合の決議に関して、「アラブ連盟や地域のイニシアチブが解決策をもたらさなければ…、問題は国際問題になるだろう」と述べた。

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ロシア作家連合はアサド大統領に「世界的覇権に対する抵抗者」賞を授与した。

AFP, January 22, 2012、Akhbar al-Sharq, January 22, 2012、al-Hayat, January 23, 2012、Kull-na Shuraka’, January 22, 2012, January 23, 2012、Naharnet.com,
January 22, 2012、NNA, January 22, 2012、Reuters, January 22, 2012、SANA,
January 22, 2012、The Washington Times, January 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国民評議会事務総長らがアラブ連盟に対し「シリア問題の安保理への付託」を求める、ヒムス市で殺害された仏人記者の死因が「反体制派による誤爆」と報じられる(2012年1月21日)

アラブ連盟をめぐる動き

アラブ連盟監視団の活動状況をめぐって、西側寄りの姿勢を強める在外の反体制政治連合のシリア国民評議会とアラブ連盟、そして同評議会と国内を主な活動拠点とする反体制政治連合の民主的変革諸勢力国民調整諸委員会の意見の相違が露呈した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長以下、運営委員会の使節団がアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長らと会談し、「シリア問題の安保理への付託」を求めた。

ガルユーン事務局長は会談後に記者会見を行い、現状において監視団が客観的な報告書を準備できないと協調し、「我々は事務局長に、報告書が非客観的なら、評議会はその形式、内容を拒否するだろうと告げた」と述べた。

またバスマ・カドマーニー報道官は、会談後の声明で、「我々にとって国際社会の介入とは本件の安保理への付託であり、それ以外の何ものでもない」と述べ、評議会が監視団報告書を国連安保理に付託することを支持するとの立場を改めて明示した。

これに対してアラブ連盟のアフマド・ベンフッリー事務副長は『ハヤート』(1月22日付)に対して、最終決定は閣僚委員会が決するとしつつ、監視団の任務が1ヵ月延長される動きがあり、その場合、監視団に対する財政面、ロジ面、情報面での支援を続けると述べた。

また連盟事務局のアリー・ジャーウィーシュ局長は、多くのアラブ諸国がカタールのハマド・ブン・ハリーファ首長が提案したアラブ軍派遣構想を拒否したと述べた。

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民主的変革諸勢力国民調整諸委員会在外事務局のハイサム・マンナーア代表は、『ハヤート』(1月22日付)の電話取材に対して、「我々には三つの要求がある。監視団メンバーを現在の4倍に増員すること…、シリア国内での移動の自由の保障、事務所の増設」としたうえで、連盟監視団の任務延長を支持する姿勢を示した。

国内の暴力

SANA, January 21, 2012
SANA, January 21, 2012

シリア革命総合委員会は、イドリブ県イドリブ公立病院で遺体60体が発見されたほか、イドリブ市・アリーハー市間で逮捕者を搬送していたバスが爆破され16人が死亡するなど、21日だけで94人が殺害されたと発表した。

しかしイドリブ県でのバス爆破に関して、SANA(1月21日付)は、マストゥーマ村で武装テロ集団が逮捕者を搬送したバスを標的に時限爆弾を爆破させ、逮捕者14人を殺害、逮捕者26人と警察官6人を負傷させたと報じた。

また同報道によると、武装集団は現場にかけつけた救急車輌も襲撃したという。

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シリア人権監視団によると、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市では、軍と離反兵が交戦し、軍の士官4人を含む9人と離反兵1人が死亡した。

また同県カフルナブル市でも同様の戦闘が発生し、治安部隊兵士1人が死亡し、イフスィム村・バーラ村間でも戦闘があったという。

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SANA(1月21日付)は、20日深夜(21日未明)、レバノン領内からヒムス県タッルカラフ地方に潜入しようとした武装テロ集団メンバー3人を治安維持部隊が殺害したと報じた。

同報道によると、武装テロ集団は大量の武器をシリア領内に密輸入しようとしていたという。

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『ル・フィガロ』(1月21日付)は、ヒムス県ヒムス市で1月11日に殺害されたフランス人記者ジル・ジャキエ氏に関して、「アラブ連盟は自由シリア軍が過ちを犯したことを知っている」と報じ、同氏の死が反体制武装集団の誤爆による可能性が高いと報じた。

この報道に対して、自由シリア軍のフランス代表部は「強く否定」しているという。

アサド政権の動き

Kull-na Shuraka’, January 21, 2012
Kull-na Shuraka’, January 21, 2012

サウジの日刊紙『シャルク』(1月21日付)は、オランダで会社を経営するシリア人ビジネスマンのフィダー・ナージフ氏の話として、アスマー・アサド大統領夫人がレバノン人の仲介業者を通じて、欧州に本社を置くバージン・オイル製造会社の株を売却しようとしていると報じた。

同報道によると、アスマー氏は同社株の30%を保有しているという。

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『クッルナー・シュラカー』(1月21日付)は、西側の制裁により、国内の生活必需品の物価が急上昇していると報じた。

同報道によると、鶏肉、羊肉、魚、ジャガイモ、バナナ、コーヒー豆、お茶、タバコ、灯油などの物価が50~100%上昇している。

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SANA(1月21日付)は、アサド大統領の恩赦に基づき釈放された逮捕者の人数が5,255人に達したと報じた。

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『サウラ』(1月21日付)は、「ワシントンの命を受けて個人的な目的のためにアラブ連盟監視団を利用しようとしている」とカタールを批判した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のマーヒル・ヌアイミー大佐は逃亡先のトルコで声明を出し、ダマスカス郊外県ザバダーニー市の民間人を防衛するため「奇襲攻撃」と「要撃」を行うだろうと述べ、テロを予告した。

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カイロ在住の反体制活動家らが中心となり、新たな政治組織「シリア国民民主ブロック」を結成した。

レバノンをめぐる動き

SANA, January 21, 2012
SANA, January 21, 2012

SANA(1月21日付)は、シリア海上警備隊がタルトゥース県ハラーバ村沖のシリア領海内で、密輸を試みていた小型ボートを拿捕、載っていたレバノン人3人の身柄を拘束したと報じた。

同報道は警備隊アリー・ユーヌス大佐の話として、この小型ボートがシリア海上警備隊の停戦命令を無視して逃走しようとしていたところに、別のボート5隻が現れ、発砲してきたという。

身柄拘束されたレバノン人3人のうち2人は負傷しており、うち1人がその後死亡した。

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しかし、AFP(1月21日付)は、レバノン領海でシリア側からレバノンの漁船が発砲を受けて拿捕され、乗員レバノン人3人(ファーディー・ハマド氏、ハーリド・ハマド氏、アフマド・ハマド氏)が身柄を拘束され、うち1人(アフマド氏、16歳)が死亡、1人が重態であると報じた。

MTV(1月21日付)によると、これを受けレバノン・シリア国境が閉鎖されたという。

また身柄拘束された3人が暮らす北部県アッカール郡アリーダ村のアリー・アサド・ハーリド村長は「3人を身柄拘束し、シリアへと連行する前に発砲を受けた」と述べた。

諸外国の動き

SANA(1月21日付)はトルコ国会人権委員会のメンバーが、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)に脱走兵を教練する特別キャンプがあると述べたと報じた。

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米ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官は、「アサド政権がもはや国を完全に支配しておらず、危険の結末へとシリアを追いやる以外に何もしていないことは明白だ」と述べた。

AFP, January 21, 2012、Akhbar al-Sharq, January 21, 2012、Le Figaro, January 21, 2012、al-Hayat, January 22, 2012、Kull-na Shuraka’, January 21, 2012, January 22, 2012、Naharnet.com,
January 21, 2012、Reuters, January 21, 2012、SANA, January 21, 2012、al-Sharq, January 21, 2012、al-Thawra, January 21, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ダマスカス郊外県ザバダーニー市で約12,000人が同市の「解放」を祝うデモに参加、クルド民族主義諸政党が近く反体制勢力の政党連合に合流すると報じられる(2012年1月20日)

国内の主な動き

反体制勢力、アサド政権ともに各地で大規模なデモ・集会が行われたと宣伝する一方、前者は軍・治安部隊による弾圧(少なくともが、後者は武装テロ集団による破壊活動が発生したと発表、非難した。

al-Hayat, January 21, 2012
al-Hayat, January 21, 2012

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ダルアー県では、反体制勢力筋によると、政治治安部のアブドゥッラフマーン・バリーディー曹長が暗殺された。

遺体には拷問の跡が見られる、という。

SANA(1月20日付)は、この事件に関して、曹長が武装テロ集団に自宅で誘拐され、殺害されたと報じた。

しかしシリア人権監視団は、軍から離反し、反体制勢力を支援しようとしたために殺害された可能性が高い、と発表した。

一方、複数の活動家によると、ダルアー市のウマリー・モスク周辺には治安部隊が重点的に展開し、金曜礼拝後のデモが阻止された。

反体制勢力筋によると、治安部隊は各地でモスク周辺を中心に厳戒態勢を強化し、金曜礼拝後の反体制デモを阻止したという。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(1月21日付)によると、軍と自由シリア軍との間で停戦合意が成立したザバダーニー市で、約12,000人が同市の「解放」と軍の撤退を祝うデモを行った。

またドゥーマー市では、シリア人権監視団によると、約15,000人が金曜礼拝後にカビール・モスク広場に集まり、反体制デモを行った。

しかし地元調整諸委員会によると、ダーライヤー市内のモスク周辺には治安部隊が多数展開し、デモを阻止した。

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ヒムス県では、ヒムス市ハーリディーヤ地区で大規模なデモが行われた。

『ハヤート』(1月21日付)によると、同地区は自由シリア軍によって完全に制圧されている、という。

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SANA, January 20, 2012
SANA, January 20, 2012
SANA, January 20, 2012
SANA, January 20, 2012

ダマスカス県では、SANA(1月20日付)によると、サブウ・バフラート広場でアサド政権の改革路線支持、外国の干渉拒否を訴える大規模集会が開かれた。

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イドリブ県では、シリア革命総合委員会によると、19日に誘拐された市民6人の遺体が遺族に引き渡された。

またシリア人権監視団によると、アリーハー市などで反体制デモが行われた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マルジャ地区、ハイヤーン町、ブザーア村で反体制デモが発生した。

一方、SANA(1月20日付)によると、アレッポ市サラーフッディーン地区で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア革命総合委員会によると、ダルバースィーヤ市、アームーダー市で反体制デモが発生した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月20日付)によると、ダイル・ザウル市ナフル通りで、でアサド政権の改革路線支持、外国の干渉拒否を訴える大規模集会があった。

一方、シリア人権監視団によると、ブーカマール市で市民1人が殺害された。

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ラタキア県、タルトゥース県では、市内に治安部隊が多数展開し、反体制デモが阻止された。

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SANA(1月20日付)によると、ハマー県タッルドゥー市では武装テロ集団がサミーラ・ムスタファー・ラスラーン女医に暴行を加えた。

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なおシリア革命総合委員会など反体制勢力によると、ハマー県、ヒムス県、ダマスカス郊外県で軍・治安部隊と自由シリア軍との間で戦闘があり、また各地での弾圧で17人が殺害された、という。

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反体制活動家はフェイスブックなどで「革命の逮捕者の金曜日」を銘打って反体制デモを呼びかけていた。

反体制勢力の動き

ヨルダンに亡命中の反体制活動家のカマール・ルブワーニー氏はロイター通信(1月20日付)に対して、「シリア国民の大多数は宗教的に厳格だが、彼らはイスラーム教が宗教であって、党派だとは考えていない」と述べ、イスラーム主義への傾倒に警鐘をならした。

ルブワーニー氏はまた、宗派マイノリティやエスニック・マイノリティが「スンナ派のリベラリスト」と連携し、アサド政権に対するインティファーダにおけるイスラーム主義者の台頭に対抗すべきだ、と述べた。

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シリア国民評議会は声明を出し、飛行禁止空域と安全地帯設定のための国連決議を採択するよう呼びかけた。

またアラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長に対して、(22日に提出予定)の報告書で、アサド政権の弾圧を「人道に対する罪」と認定するよう求めた。

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AKI(1月20日付)は、シリア・クルド国民評議会(シリア・クルド国民大会)への参加を凍結したクルド民族主義政党が、シリア国民評議会、民主的変革諸勢力国民調整委員会などといった反体制勢力の政党連合に近くオブザーバーとして参加すると報じた。

複数の消息筋によると、シリア・クルド国民評議会への参加凍結後もクルド民族主義勢力は協調を続け、体制打倒という姿勢を維持するという。

加盟資格を凍結されているクルド民族主義政党とシリア・クルド国民評議会への参加を正式に認められていない政党のうち、民主統一党、シリア・クルド左派党、クルド民主党、クルド・シリア民主党は民主的諸勢力国民調整委員会に、シリア・クルド・アーザーディー党とシリア・クルド・イェキーティー党はシリア国民評議会に参加する見込み。

またシリア・クルド進歩民主党と、シリア・クルド民主党パールティ、シリア・クルド民主統一党はダマスカス民主変革宣言に参加する。

一方、シリア・クルド国民評議会は無所属の活動家らに向けて声明を出し、クルド人の統一ブロックを結成するために現在所属している組織を辞めるよう呼びかけた。

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シリア革命総合委員会は、ダルアー県国立博物館の展示品の一部が「治安部隊兵士」に盗まれたと発表した。

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反体制活動家のニダール・ナイーサ氏は『ヒワール・ムタマッディン』(3613号)で、「シリアの反体制活動家へのメッセージ」と題した論説を発表し、そのなかで反体制勢力がフランス委任統治時代の旗を掲揚していることを「不適切」と批判した。

アサド政権の動き

経済学者のムハンマド・カルクーティー氏はアラビーヤ(1月20日付)に対して、シリア中央銀行の外貨不足により、アサド政権は近く公務員への給与支払いができなくなるだろうと予測した。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流のアフマド・ハリーリー事務局長(サアド・ハリーリー代表のいとこ)は『シャルク・アウサト』(1月20日付)に対して、1月11日にアサド大統領がダマスカス県ウマウィーイーン広場の集会に姿を現していた際、ヒズブッラーの護衛隊が大統領を護衛していた、と述べた。

諸外国の動き

フランスのニコラ・サルコジ大統領は在仏各国大使との会合で「私ほどバッシャール・アサドに誠実に手をさしのべてきた人物はいないが…、シリアでのスキャンダルを前に沈黙は続けられない…。抗議運動への野蛮な弾圧は受け入れられない」と述べた。

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米国務省は声明を出し、シリアの治安悪化を理由に在ダマスカス米大使館の閉鎖を検討中だと発表した。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチはアラブ連盟に対する公開書簡を出し、そのなかで監視団の報告書を国連安保理に提出するよう求めた。

AFP, January 20, 2012、Akhbar al-Sharq, January 20, 2012, January 21, 2012、Alarabia.net, January 20, 2012、al-Hayat, January 21, 2012、al-Hiwar al-Mutamaddin, January 20, 2012、Kull-na Shuraka’, January 20, 2012, January 21, 2012、Reuters, January 20, 2012、SANA, January 20, 2012、al-Sharq al-Awsat, January 20, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

軍・治安部隊がハマー市に対して「非常に大規模な治安作戦」を展開するなか、アサド大統領が「シリアへの外国の干渉を拒否し、対話と改革を支持するアラブ人民イニシアチブ使節団」と会談(2012年1月19日)

国内の暴力

ハマー県では、ハマー市で、治安維持部隊のアーディル・ムスタファー准将と治安部隊兵士8人が殺害された。

この事件に関して、SANA(1月19日付)は、「武装テロ集団」の発砲により、同准将と治安維持部隊兵士2人が「戦死」したと報じた。

しかし地元調整諸委員会は、ムスタファー准将が市民への発砲命令を拒否した離反兵に射殺されたと発表した。

また同諸委員会によると、ムスタファー准将は軍事情報局付で、ハマー市内で市民発砲命令など反体制運動弾圧を指揮してきた。

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シリア革命総合委員会によると、軍・治安部隊がハマー市に対して「非常に大規模な治安(回復)作戦」を展開し、民間人5人を殺害した。同市は現在軍・治安部隊によって封鎖されており、各地区で銃声が聞こえている、という。

革命調整諸組織によると、ハマー県ハマー市では軍と離反が激しく交戦市、少なくとも25人が殺害された。

一方、SANA(1月19日付)によると、ムハルダ市で獣医のナビール・サクルージュ氏が武装テロ集団に誘拐され、その遺体が発見された。

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イドリブ県ではシリア人権監視団によると、ザーウィヤ山のバスナクール村での治安部隊の要撃により、4人の反体制活動家が殺害された。

またハントゥーティーン村の離反兵の援護を行っていたファルキヤー村出身の離反兵1人が殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のバーブ・フード地区で市民2人が迫撃砲や狙撃によって死亡した。

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ダルアー県では、複数の活動家によると、ダーイル町で離反兵1人が殺害された。

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アレッポ県では、複数の活動家によると、アレッポ市で大学寮で反体制デモが発生し、治安部隊により強制排除された。

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ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、マヤーディーン市で拷問を跡が残った市民の遺体が発見された。

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SANA(1月19日付)によると、ダマスカス郊外県ダーライヤー市で、武装テロ集団がハサン・ブーシュナーク前市長を狙撃、暗殺した。

またダマスカス郊外県電力課のフィラース・カッダール課長が武装テロ集団に襲撃され殺害された。

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なおシリア革命総合委員会は、治安部隊の発砲で離反兵3人を含む、少なくとも16人が殺害されたと主張している。

また革命調整諸組織によると、またダイル・ザウル県、イドリブ県、ヒムス県の各都市、ダマスカス郊外県キスワ市でも交戦があったという。

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シリア人権監視団は、アラブ連盟監視団派遣後、445人の民間人が殺害されたと発表した。

同監視団によると、加えて治安部隊兵士146人が殺害され、うち27人は離反兵だったという。

(なおこの犠牲者数には1月の自爆テロでの犠牲者は含まれていない)

反体制勢力の動き

自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐(自称)は、声明を出し、自身が「自宅監禁」下に置かれているとのクウェート日刊紙『スィヤーサ』(1月18日付)の報道を否定した。

同声明では自身の階級を「少将」ではなく「大佐」としている。

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シリア・ムスリム同胞団も広報局が声明を出し、クウェート日刊紙『スィヤーサ』(1月18日付)の報道をねつ造と避難し、否定した。

一方、シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はロイター通信(1月19日付)のインタビューに応じ、そのなかで、国連安保理にアサド政権の弾圧に対する「抑止的措置」を講じるようアラブ連盟は圧力をかけるべきだと述べた。

外国の干渉に関しては、「航空禁止空域と安全地帯」の設置を求める一方、軍事干渉には反対との姿勢を示した。

また自由シリア軍を名のる離反兵(脱走兵)の武力行使に関しては、「自衛のみに限定されるべき」と述べた。

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反体制活動家へと転身したイマード・ガルユーン人民議会議員は『デイリー・テレブラフ』(1月19日付)に対して、アサド政権が3ヵ月以内に崩壊するだろうとの見方を示した。

アサド政権の動き

SANA, January 19, 2012
SANA, January 19, 2012

SANA(1月19日付)は、アサド大統領が「シリアへの外国の干渉を拒否し、対話と改革を支持するアラブ人民イニシアチブ使節団」と会談し、「シリア国民は現下の状況を克服し、強力なシリア建設の能力を持っている」と応えたと報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(1月19日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、アサド政権が、ヒズブッラーの拠点であるベイルート郊外(ダーヒヤ)を模した政治的拠点(地盤地域)をダマスカス県南部のマッザ区、オートストラード地区、スーマリーヤ地区、ダマスカス郊外県のラブワ市、ダマスカス国際空港、ムウダミーヤト・シャーム市に建設しようとしている、と報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(1月19日付)は、アサド政権中枢で、アサド大統領の指導力、とりわけ軍事的指導力を疑問視する共和国護衛隊などの軍・治安部隊の高官がアサド大統領を退任させ、弟のマーヒル・アサド大佐(共和国護衛隊)を後任に推すべきだと主張するようになっていると報じた。

同報道によると、アサド大統領退任に向け、マーヒル・アサド大佐、おじのリフアト・アサド前副大統領、マフルーフ家などで調整が行われているという。

(ただし上記報道の真偽は定かではない。)

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スフィヤーン・アッラーウ石油鉱物資源大臣は、西側諸国の経済制裁により国内の石油セクターの損失額が2011年9月以降で2,000,000,000米ドル以上に昇ったことを明らかにした。

アラブ連盟および国際社会の動き

アラブ連盟監視団のアドナーン・ハディール作業部長は、1月22日に開催されるシリア問題閣僚委員会会合と外相会合に関して、監視団の任務延期などに関して依然として何らの指示も受けてないと述べた。

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国際人権団体のAvaazはアラブ連盟監視団派遣後のシリアで746人が殺害され、治安部隊が20以上の反体制デモに攻撃を加えたと発表した。

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アラブ諸国(シリア、エジプト、アルジェリア、サウジアラビア、スーダンなど)の142の人権団体、NGOから構成されるアラブ市民組織連立は共同声明を出し、アラブ連盟に対して監視団をシリアから撤収するよう呼びかけた。

また国連安保理に対して「シリアでの暴力に対処するための決定を下す」よう求めた。

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NATOのバルテレス事務局長は、シリアへの軍事干渉の可能性を改めて否定した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は『Ouest France』(1月19日付)に対して、カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長が提案したシリアへのアラブ軍の派遣に関して、「現下の地域情勢において、我々はこのようなシナリオに動くことはない」と述べた。

そのうえで、アラブ連盟に対して監視団報告書を国連安保理に提出するよう呼びかけた。

AFP, January 19, 2012、Akhbar al-Sharq, January 19, 2012, January 20, 2012、The Daily Telegraph, January 19, 2012、al-Hayat, January 20, 2012、Kull-na Shuraka’, January 19, 2012、Ouest France, January 19, 2012、Reuters, January 19, 2012、SANA, January 19, 2012などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ザバダーニー市で政府軍と離反兵の間に停戦合意が成立、露外相はシリアへの国連主導の軍事介入を拒否する姿勢を改めて表明(2012年1月18日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県ザバダーニー市(人口約40,000人)で、政府軍と離反兵との間に停戦合意が17日に成立、18日から実施された。

ザバダーニー調整(委員会)とザバダーニー地方総合委員会によると、停戦合意は間接交渉を通じてなされ、シリア軍側からは、アサド大統領の義兄のアースィフ・シャウカト副参謀長(中将)が出席した。

両組織によると、停戦合意は、ザバダーニー市の入り口一カ所の以外からの軍の撤退、同市に135輌の装甲車輌を展開するとされる自由シリア軍による市民保護を骨子とする。

自由シリア軍のハムザ・ブン・アブドゥルムトリブ大隊によると、これによりザバダーニー市の治安が自由シリア軍に移譲されたという。

シリア人権監視団によると、この停戦合意を受け、ザバダーニー市では「砲撃」が行われなかった。

自由シリア軍のマーヒル・イスマーイール報道官は、軍が停戦に応じた理由に関して、ロイター通信(1月18日付)に対して、「山岳地帯であるため、攻撃を行えば、装備の違いにもかかわらず、離反兵よりも多くの犠牲者が出るということを軍が知っている」ためと述べた。

また軍の停戦履行に関しては、軍が新たな攻撃作戦を計画しているだろうと述べた。

アンマンに亡命中の反体制活動家のカマール・ルブワーニー氏によると、軍と離反兵の戦闘で、市民1人が死亡、約50人が負傷したほか、正規軍兵士30人と離反兵多数が戦死した。

ザバダーニー市は、数日前から激しい「砲撃」が行われてきたと反体制勢力が繰り返し主張していた。

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シリア人権監視団によると、軍と離反兵の戦闘などで、ヒムス県で5人、イドリブ県で3人が殺害された。

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シリア革命総合委員会によると、ヒムス県、イドリブ県などで少なくとも17人が殺害された。

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SANA(1月18日付)によると、イドリブ県マアッラ地方で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、同部隊のフサイン・アリー・アッバース中尉を殺害した。

またヒムス県ヒムス市で武装テロ集団に誘拐された医師の遺体が発見された。

さらにハマー県ムハルダ市では電気技師のファーティマ・ハリーファ女史が武装テロ集団によって殺害された、という。

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シリア人権監視団によると、イドリブ県ザーウィヤ山で軍と離反兵が交戦し、離反兵1人と民間人6人が殺害された。

アサド政権の動き

シリアの日刊紙『ティシュリーン』(1月18日付)は、カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長がアラブ軍派遣を提案したことを厳しく批判し、カタールがテロリストへの武器支援を行っている疑いがあると主張した。

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AFP(1月18日付)は、シリア・ポンドが2011年3月の反体制運動開始以来51ポンドに下落し、1ドル71ポンドとなったと報じた。

反体制勢力の動き

シリアでもっとも著名で影響力のある反体制活動家の一人、ミシェル・キールー氏は『ル・フィガロ』(1月18日付)に対して、自由シリア軍による武装闘争がシリアを危機に曝し「際限なき混乱」へと陥れると述べた。

キールー氏は「軍として構成されていない数千の兵(離反兵)によって40万の軍(正規軍)を攻撃しようとしている…。国は際限のない混乱に陥るだろう。気が狂っている」と反体制武装集団の行為を批判した。

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反体制活動家でアラブ言論・表現の自由擁護委員会のバヒーヤ・マールディーニー委員長は、アスマー・アフラス大統領夫人、マーヒル・アサド大佐の婦人、ディヤーラー・ハーッジ・アーリフ前社会問題大臣、ラーミー・マフルーフ婦人ら、政権内の女性たちが「国民の財産を海外で預金している」と避難し、西側諸国の制裁リストに加えるよう呼びかけた。

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アラウィー派市民106人がフェイスブック(1月18日)に共同声明を出し、「シリア革命の諸要求」への支持を表明した。

http://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=253277574742238&id=251608528242476

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シリア国民評議会の執行委員会は声明を出し、委員会使節団がカイロを訪問し、アラブ連盟のイニシアチブの進捗状況、監視団の報告書などに関して協議すると発表した。

また別の声明では、評議会使節団がオランダ外相と会談し、同外相よりアサド政権への圧力を強化するとの回答を得たと発表した。

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クウェート日刊紙『スィヤーサ』(1月18日付)は、アフマド・ジュムア氏なる人物の証言をもとに、自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐(自称少将)が避難先のトルコで実質的に「自宅監禁」下に置かれていると報じた。

また同報道は、イランがシリア国民評議会を通じて自由シリア軍への影響力を行使しようとしていると断じた。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のアフマド・ベンフッリー事務副長は、19日に予定されている連盟監視団報告書提出を前に、「我々は現在、節目にいる」と述べた。

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アラブ連盟監視団を辞任したアルジェリア人のアンワル・マーリク氏はオーストリア紙に対して、「口を噤まなければ、クビを切る」と脅されたと述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーは声明を出し、ザバダーニー市にカチューシャ砲で砲撃を行ったとの一部情報に関して、「まったく根拠がない」と否定した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者会見で、「リビアの先例」を引き合いに出し、「安保理決議の悪しき利用という現象が繰り返されることに満足しない」と述べ、改めてシリアへの国連主導の軍事介入を拒否する姿勢を示すとともに、「暴力を停止させた後、すべての当事者が即時対話を開始し、政治的関係正常化」をめざすべきだと明言した。

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国連安保理ではロシアが提出した決議案(修正案)に関して、専門家による審議が2日目に入った。

安保理筋によると、審議における中心的議題は、「シリア問題において安保理が何らかの役割を引き受けることを認めるか否か」で、ロシアとそれを支持する国際社会のマジョリティは「安保理の外に問題をとどめ、実質的な措置を講じることを回避する」べきだとの立場をとっている、という。

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EUは、英国の提案に従い、対シリア制裁第10弾として、治安関係者22人、関係機関8組織(政府系銀行5行、石油企業3社)を制裁リストに追加した。

アラビーヤ(1月23日付)によると、リストにはジハード・サルターン准将、ムハンマド・マアルーフ准将、ムフスィン・マフルーフ准将が名を連ねている、という。

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中国外交部報道官は記者会見で、「シリアでの暴力を完全に停止させられていないしても、治安状況が改善したことは重要だ」と述べ、アラブ連盟監視団の任務を高く評価した。

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デビッド・キャメロン英首相は議会で、イランとヒズブッラーがアサド政権の弾圧を支援している多くの証拠があると証言した。

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米国訪問中のヨルダンのアブドゥッラー国王は『ワシントン・ポスト』(1月18日付)に対して、国際社会による大規模な介入がない限りシリア情勢に変化はないとの見方を示した。

AFP, January 18, 2012、Akhbar al-Sharq, January 18, 2012, January 24, 2012、AKI, January 18, 2012、Alarabia.net, January 23, 2012、al-Hayat, January 19, 2012、Kull-na Shuraka’, January 18, 2012, January 23, 2012、Reuters,
January 18, 2012、SANA, January 18, 2012、al-Siyāsa, January 18, 2012、Tishrin, January 18, 2012、UPI, January 18, 2012、The Washington Post, January 18, 2012などをもとに作成。

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シリアがカタール高官によるアラブ軍派遣の声明に対し「断固たる拒否」の姿勢を表明する一方、シリア・ムスリム同胞団は「弾圧を支援する」イランを強く批判(2012年1月17日)

アサド政権の動き

SANA(1月17日付)は、シリア外務省筋の話として、シリアが「カタール高官によるアラブ軍派遣の声明に驚いている」としたうえで、「こうした呼びかけが事態を悪化させ、連盟の活動を頓挫させ、外国の干渉を誘発する」と「断固たる拒否」の姿勢を示したと伝えた。

Akhbar al-Sharq, January 17, 2012
Akhbar al-Sharq, January 17, 2012

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シリア政府は、議定書に基づきアラブ連盟監視団の増員に合意する用意があると発表した。

反体制勢力の動き

イラン・イスラーム革命防衛隊高官のアラビーヤ(1月17日付)での発言(後述)を受けるかたちでシリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官は声明を出し、イランがシリア国内の弾圧を支援していると断じて強く批判した。

同声明は「バッシャール・アサド体制は父の体制からシリアをアラブ国家からイラン枢軸に従属する国家に変貌させ…、イランの国益に奉仕し、シリア国民の国益を犠牲にしてきた…。テヘランの政府とそれに従う域内の諸勢力は、この革命を弾圧する実質的当事者となり、我々の国の内政に干渉し、体制を政治、情報、経済において支援し、さらに専門家、装備、武器、兵員を派遣することで治安、技術面でも支援してきた…。イラン高官は今日、革命防衛隊が内政干渉の準備ができていると宣言したが…、こうした声明は無視、黙殺の精神をもって(シリア国民に)受けとられざるを得ない」と述べた。

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シリア・ムスリム同胞団のマフムード・ファールーク・タイフール副監督者が『ハヤート』(1月18日付)の単独インタビューに応え、アサド政権が反体制活動を武装闘争や宗派対立にしようとしていると批判するとともに、国際社会の干渉が不可欠だと主張した。

またイランに関しては、治安面、軍事面、兵站面でアサド政権を支持しているとしたうえで、「狙撃兵のほとんどはイラン、ないしはレバノン出身者だ」と断じるとともに、イランの仲介によるアサド政権との和解提案を拒否したことを改めて明らかにした。

さらにヒズブッラーに関しては、前者がアサド大統領に依存し、弾圧と拷問に荷担していると断じた。

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シリア・クルド人国民イニシアチブのウマル・ウースー代表は、アサド大統領の恩赦を「重要なステップ」と評価、「いわゆる反体制勢力が取引材料としてきた逮捕者のカードが失われた」としたうえで、「シリアに陰謀を企てるアラブ諸国当事者の手からもカードが失われるだろう」と述べた。

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シリア国家建設潮流は声明を出し、アサド政権の恩赦を受けるかたちで、すべての逮捕者の氏名をリストで公表するよう求めた。

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空軍情報部の前ヒムス支部のアブドゥルカリーム・ナッバハーン准将はYoutubeなどで声明を出し、自身が軍を離反したことを明らかにするとともに、シャッビーハが反体制活動家らを脅迫するために女性を誘拐していると暴露した。

http://www.youtube.com/watch?v=E5Sb3yXJHOA

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『ザマーン・ワスル』(1月17日付)は、自由シリア軍のファールーク大隊が空軍情報部ヒムス支部付の曹長を拷問し、デモ参加者2人を殺害した自供させたとのビデオ映像が、ファールーク大隊発足以前に撮影された映像で、自由シリア軍を貶めることを目的としているものだと報じた。

国内の暴力

SANA(1月17日付)によると、イドリブ県イドリブ市で武装テロ集団が警察の車輌を襲撃し、治安維持部隊兵士1人が死亡、イドリブ中央刑務所の女性職員2人が負傷した。

またサラーキブ市とイドリブ市を結ぶ街道に武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、4人の市民が死亡、7人が負傷した。

さらにアリーハー市の墓地で武装テロ集団によって殺害されたと見られる市民の遺体4体が発見された。

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シリア革命総合委員会によると、ヒムス県、イドリブ県、ダマスカス県ザバダーニー市などで少なくとも30人が殺害された。

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シリア革命指導評議会なる組織によると、ヒムス県ヒムス市で子供1人、女性1人を含む6人が殺害された。

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シリア人権監視団によると、イドリブ県内のイドリブ市・アレッポ市を結ぶ街道で何ものかがしかけた爆弾が爆発し、マイクロバスに乗っていた民間人8人が死亡した。

また同県ハーン・シャイフーン市やヒムス県などで少なくとも8人が殺害された、という。

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UPI(1月17日付)は、ダマスカス県マイダーン地区で手榴弾が爆発したと報じた。死傷者はなかった。

アラブ連盟の動き

『フィナンシャル・タイムズ』(1月17日付)は、複数のアラブ連盟監視団メンバーの話として、カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長がアラブ連盟を通じたアサド政権への圧力を断念し、自由シリア軍支援など「別の手段」で煽動を継続する方針に転換しようとしていると報じた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は訪問先のバーレーンの首都マナーマで記者会見で、「すべての考え方が議論のために提示される」と述べ、21日の閣僚委員会会合でアラブ軍のシリアへの派遣の是非が審議される可能性があることを示唆した。

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イラクのホシャル・ゼバリ外務大臣は22日に予定されている連盟外相会合でシリアへのアラブ軍の派遣が審議されるだろうと述べた。

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アラブ人権機構のアラー・シブリー事務局長は、アサド大統領に恩赦において、シリアの人権団体が報告した「革命参加者」が釈放されているのであればきわめて重要な進展だ、と述べ、アラブ軍の派遣に関して「実行不可能」と却下した。

レバノンの動き

レバノン・カターイブ党最高党首のアミーン・ジュマイイル元大統領は『サフィール』(1月17日付)に対して、「我々にはシリアの問題に関してどう対処するかで意見の相違があり、これは秘密ではない」と述べ、3月14日勢力内でアサド政権に対する対応に足並みの乱れがあることを認めた。

ジュマイイル元大統領はまた、「我々は変化を支持するが、レバノン自らがシリアの内政に身を乗り入れることには関心がない」と述べた。

諸外国の動き

AFP(1月17日付)は、イスラエル軍消息筋の話として、アサド政権が崩壊した場合、同政権が保有している生物化学兵器(その多くが東欧製)がヒズブッラーなどに拡散することをイスラエルが懸念していると報じた。

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イラン・イスラーム革命防衛隊筋はアラビーヤ(1月17日付)に対して、シリア情勢を国内問題とみなしつつも、シリアが外圧に曝された場合、イランが防共協定に基づきそれを放置しないと述べ、「少なくともシリアにおける我々の同胞は事態は良好で、2ヵ月以内に事は決着するだろうと言っている」と明らかにした。

イランのアーラム・ニュース・ネットワーク(1月17日付)は、イラン外務双方同官がアラブ諸国および諸外国によるシリアへの干渉の呼びかけを拒否し、対話による問題解決を支持するとの姿勢を改めて強調したと報じた。

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『ハヤート』(1月18日付)によると、ロシアが安保理に提出したシリア問題に関する決議案(修正案)に関して、西側外交筋は「決議案で見たいと思っていたことが文言のなかには存在しない」と述べ、失望感を露わにした。

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バラク・オバマ米大統領は米訪問中のアブドゥッラー・ヨルダン国王と会談し、シリア情勢に関して「受け入れられない暴力のレベルに注目し続けている」と述べ、アサド政権への圧力強化への意思を示した。

AFP, January 17, 2012、Akhbar al-Sharq, January 17, 2012、Alarabia.net, January 17, 2012, January 18, 2012、The Financial Times, January 17, 2012、al-Hayat, January 18, 2012、Kull-na Shuraka’, January 17, 2012、Naharnet.com, January
17, 2012、Reuters, January 17, 2012、al-Safir, January 17, 2012、SANA, January 17, 2012、UPI, January 17, 2012、Zamān al-Wasl, January 17, 2012などをもとに作成。

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