トルコ占領下のアフリーン市が砲撃を受け、病院などが被弾、18人が死亡、トルコが報復砲撃を強化(2021年6月12日)

アレッポ県では、ANHA(6月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける「傭兵」(シリア国民軍)がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアキーバ村、バイナ村、フライビカ村を砲撃した。

https://youtu.be/IOrH1xPU6z0

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一方、トルコの占領下にあるアフリーン市に何者かが迫撃砲弾多数を打ち込んだ。

https://www.youtube.com/watch?v=M4ubb1glxjw

https://www.youtube.com/watch?v=pZ13SigeRtY


ANHAによると、砲撃はシリア政府の支配下にあるヌッブル市、ザフラー町一帯から日没直前に行われ、西オートストラード、トルコ軍特殊部隊が駐留するファイサル・カッドゥール学校、スィヤーサ通り、アフリーン病院、アフリーン市とマーラーティー村を結ぶ街道に砲弾多数が着弾し、7人が死亡、14人が負傷した。

シリア人権監視団は、シリア軍がアレッポ市北東のズィヤーラ村とイッビーン村の拠点複数カ所から砲撃を行ったとしたうえで、女性5人、子供2人、男性医師1人を含む民間人14人、シリア国民軍の司令官1人を含む戦闘員4人の計18人が死亡、少なくとも23人が負傷したと発表、病院などを狙った攻撃を「虐殺」と形容した。

シリア人権監視団が6月13日に発表したところによると、その後死者は21人となった。

内訳は、民間人17人(女性5人、子供4人、医師1人、医療スタッフ1人)、戦闘員3人(スライマーン・シャー師団司令官1人)、警官(いわゆる自由警察)1人。

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これに対して、トルコ軍とシリア国民軍は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による攻撃と断じ、アキーバ村、バイナ村、フライビカ村に加えて、ズィヤーラ村、スムーカ村、ハルバル村、ワフシーヤ村、アルカミーヤ村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、ダイル・ジャマール村、アウダ国内避難民(IDPs)キャンプ(ズィヤーラ村近郊)一帯に対しても砲撃を行った。

この砲撃により、アキーバ村で12歳の子供が負傷した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍が打ったロケット弾、迫撃砲弾は180発以上に及んだ。

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しかし、シリア民主軍の広報センターのファルハード・シャーミー・センター長は報道声明を出し、一部メディアがシリア民主軍による攻撃だと伝えたことに関して、迫撃砲が発射された地域にシリア民主軍の部隊は駐留していなかったとして関与を否定、すべての報道機関に信頼できる報道を行うよう呼びかけた。

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また、ラタキア県のフマイミーム航空基地に設置されているロシア当事者和解調整センターも報道声明を出し、「シリア政府軍はアレッポ県北部のアフリーン市の住宅街を砲撃していない。アフリーン市内ではなく、同市周辺から急進的な勢力によって砲撃が行われた」と発表した。

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このほか、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、し「総合治安警察」部隊の士官(少尉)1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021、June 13, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県では「人民諸派」がシリア民主軍の車輌を爆破、アレッポ県マンビジュ市では親政府の部族が住民に武器を配給しているとの情報(2021年6月12日)

ハサカ県では、SANA(6月12日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある県東部のウンム・フジャイラ村で、「人民諸派」が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌を狙って即席爆弾を爆発させ、兵士1人を殺害、1人を負傷させた。

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シリア人権監視団は、信頼できる複数の消息筋の話として、シリア政府支持者らが、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のマンビジュ市や同市一帯の住民に対して武器を配給していると発表した。

同監視団によると、バニー・サアディー部族、ブースルターン部族、ブーブナー部族が、1,000人以上の住民を集め、爆弾、カラシニコフ銃などを提供、教練を行っているという。

マンビジュ市は、5月31日と6月1日の抗議デモ発生で緊張状態が続いている。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県ハッラーブ・ジール村に違法に航空基地を設置し、駐留する米軍部隊の装甲車、貨物車輌の車列がイラクに向かう(2021年6月12日)

ハサカ県では、SANA(6月12日付)がヤアルビーヤ町近郊の(西)スワイディーヤ村の複数の住民の話として伝えたところによると、ハッラーブ・ジール村に違法に航空基地を設置し、駐留する米軍部隊の装甲車、貨物車輌の車列が、同じく違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラク領内に移動した。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

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アレッポ城で大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝う祝典が続く(2021年6月12日)

アレッポ県では、SANA(6月12日付)によると、アレッポ市のアレッポ城内で、観光省がアレッポ県の協力を得て「慈愛と忠誠」と銘打った祝典を開催し、前日に続いて大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝った。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で22人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で67人(2021年6月12日)

保健省は政府支配地域で新たに22人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、6月12日現在の同地での感染者数は計24,789人、うち死亡したのは1,808人、回復したのは21,668人となった。

SANA(6月12日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月12日に新たに67人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、124人が完治し、1人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡6人、ハーリム郡24人、アリーハー郡5人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡9人、バーブ郡0人、アフリーン郡11人、アアザーズ郡12人。

これにより、同地での感染者数は計24,676人、うち回復したのは21,354人、死亡したのは692人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1597675747103977/

AFP, June 12, 2021、ACU, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県に対するシリア軍・ロシア軍の攻撃で2人死亡(2021年6月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカフルラーター村を砲撃、砲弾が民間の車輌を直撃し、乗っていた男性1人が死亡、3人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、マアッルザーフ町にあるトルコ軍拠点の外壁に対して攻撃を加える一方、バイニーン村近郊の森林地帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるムアスラーン村にある親ロシア民兵(シリア軍第5軍団)の拠点を砲撃し、複数の負傷者が出た。

また「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるカフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市およびその一帯を砲撃した。

これに対して、ロシア軍戦闘機は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方東部のマンタフ村、サルジャ村、ルイワハ村、バイニーン村に対して爆撃を行い、マンタフ村で女性1人が死亡、1人が負傷、サルジャ村で7人が負傷した。

なお、SANA(6月12日付)は、トルコ軍とその支援を受ける「傭兵」(「決戦」作戦司令室)が、シリア政府支配地と反体制派支配地の境界に位置するタッル・マンスール村とその周辺を砲撃し、農地に被害が出たと伝えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村、ナーウール・ジューリーン村、アイン・ハマーム村、アイン・スライムー村、バラカ村、バフサ村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるキンサッバー町一帯を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるインヒル市で住民1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県17件、ラタキア県8件、アレッポ県4件、ハマー県9件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は17件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 12, 2021、ANHA, June 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 12, 2021、Reuters, June 12, 2021、SANA, June 12, 2021、SOHR, June 12, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民276人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は674,197人に(2021年6月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月12日付)を公開し、6月11日に難民276人(うち女性83人、子供141人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民276人(うち女性83人、子供141人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は674,197人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者278,949人(うち女性83,843人、子ども141,990人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,755,749人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は903,477人(うち女性271,119人、子供460,481人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は88,554人(うち女性32,794人、子供31,973人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,357,150人(うち女性415,353人、子供675,739人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 12, 2021をもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュを狙って大規模な爆撃を実施(2021年6月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がビシュリー山一帯の砂漠地帯、マヤーディーン市近郊の砂漠地帯(ファイダト・ブン・ムワイニア地区)で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って大規模な爆撃を実施した。

一方、地上では、シリア軍と親政権民兵がダーイシュの残党を掃討するため、4日連続となる大規模な治安維持活動を行った。

これに対して、ダーイシュは、シリア軍第25師団の兵員輸送者を襲撃し、兵士2人を殺害、13人を負傷させた。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプでダイル・ザウル県出身のIDPsの男性1人が殺害される(2021年6月11日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第4区で、ダイル・ザウル県出身の国内避難民(IDPs)の男性1人が、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる武装した男性にサイレンサー付きの銃で撃たれて死亡した。

フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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トルコが違法に通行所を設置している国境沿いのカフルルースィーン村に近いIDPsキャンプ内で抗議デモが発生、ザーウィヤ山地方での戦闘を収束させるよう求める(2021年6月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコが違法に通行所を設置している国境沿いのカフルルースィーン村に近い国内避難民(IDPs)キャンプ内で抗議デモが発生し、参加したIDPsや住民らは、6月5日から激化しているザーウィヤ山地方での戦闘を収束させるよう、トルコとその支援を受けるシリア民主軍に訴えた。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県とアレッポ県各所を砲撃(2021年6月11日)

ラッカ県では、ANHA(6月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊一帯、マアラク村、アイン・イーサー国内避難民(IDPs)キャンプを砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(6月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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マンビジュ市で6月10日に発生した爆弾テロで重傷を負っていた救急隊員1人が死亡(2021年6月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で6月10日に発生した救急車を狙った爆弾テロで重傷を負っていた救急隊員1人が死亡した。

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ハサカ県では、SANA(6月11日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるアリーシャ町の近郊にあるアリーシャ国内避難民(IDPs)キャンプを拡張するとして、シリア民主軍が周辺の農地を接収、住民を追放した。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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ハマー市の国立競技場で大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝う大規模な祝祭が催される(2021年6月11日)

ハマー県では、SANA(6月11日付)によると、ハマー市の国立競技場で大統領選挙の成功とアサド大統領の再選を祝う大規模な祝祭が催された。

祝祭はシリアの若者たちによって構成される団体「私たちが支援する建設」が企画したもの。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で24人、北・東シリア自治局支配地域で54人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で27人(2021年6月11日)

保健省は政府支配地域で新たに24人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、6月11日現在の同地での感染者数は計24,767人、うち死亡したのは1,806人、回復したのは21,663人となった。

SANA(6月11日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに54人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、
5人が死亡したと発表した。

これにより、6月11日現在の同地での感染者数は計18,247人、うち死亡したのは749人、回復したのは1,841人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性54人、女性19人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市11人、カーミシュリー市8人、マーリキーヤ(ダイリーク)市10人、フール・キャンプ3人、ラッカ県のラッカ市18人、タブカ市4人。

ANHA(6月11日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月11日に新たに27人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、25人が完治し、1人が死亡したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡2人、バーブ郡18人、アフリーン郡6人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計24,609人、うち回復したのは21,230人、死亡したのは688人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1597034397168112/

AFP, June 11, 2021、ACU, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県で「決戦」司令室とシリア軍の砲撃戦続く(2021年6月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるハザーリーン村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、バーラ村一帯、カフル・ウワイド村、バイニーン村、フライフィル村を砲撃した。

一方、6月10日のロシア軍とシリア軍の激しい爆撃と砲撃によって負傷していたシャームの鷹旅団(国民解放戦線所属)の戦闘員1人が死亡した。

死亡した戦闘員は、イブリーン村に対するシリア軍の砲撃で重傷を負っていた。

これにより、6月10日の戦闘による死者は13人となった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県12件、ラタキア県12件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を32件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 11, 2021、ANHA, June 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2021、Reuters, June 11, 2021、SANA, June 11, 2021、SOHR, June 11, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民321人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は673,921人に(2021年6月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月11日付)を公開し、6月10日に難民321人(うち女性96人、子供163人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民321人(うち女性96人、子供163人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は673,921人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者278,673人(うち女性83,760人、子ども141,849人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,755,749人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は903,201人(うち女性271,036人、子供460,340人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は88,554人(うち女性32,794人、子供31,973人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,357,150人(うち女性415,353人、子供675,739人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2021をもとに作成。

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北・東シリア自治局は総会で統治体制の改編に向け「社会契約および基本検証を改編するための委員会の枠組み」を承認(2021年6月10日)

北・東シリア自治局はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/smensyria/)を通じて、総会(第38回総会、定数150人)を開催したと発表した。

同アカウントによると、総会には、ビーリーファーン・ハーリド執行評議会共同議長、アミーナ・ウースィー共同副議長らが出席、ヤースィル・スライマーン総会共同副議長は、北・東シリア自治局の「社会契約および基本検証を改編するための委員会の枠組み」について、メンバー多数の賛成により、承認した。

設置される委員会には、支配地域のすべての諸人民、諸集団の代表、すべての政党、団体、市民社会組織、テクノクラートの代表が参加するという。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1619256608264270

AFP, June 19, 2021、ANHA, June 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2021、Reuters, June 19, 2021、SANA, June 19, 2021、SOHR, June 19, 2021などをもとに作成。

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男子重量挙げのマアン・アスアド選手が東京オリンピックへのシリア代表としての出場権を獲得、参加を予定しているシリア人選手は4人に(2021年6月10日)

国際ウエイトリフティング連盟(IWF)は、世界ランキングを発表、上位26人のなかに含まれていたシリアの男子重量挙げのマアン・アスアド選手が東京オリンピックのシリア代表としての出場権を獲得した。

シリアのウエイトリフティング連盟のハサナイン・シャイフ会長によると、アスアド選手は昨年4月にウズベキスタンの首都タシケントで開催されたアジア選手権で、109キロ級スナッチ、ネッティング、トータルで3つの銀メダルを獲得している。

アスアド選手は、女子卓球選手のヒンド・ザーザー選手、男子棒高跳びのマジドッディーン・ガザール選手、男子乗馬選手のアフマド・ハムシュー氏とともに東京オリンピックに参加する予定。

SANA(6月10日付)が伝えた。



AFP, June 10, 2021、ANHA, June 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2021、Reuters, June 10, 2021、SANA, June 10, 2021、SOHR, June 10, 2021などをもとに作成。

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リフアト・アサド元副大統領がアサド大統領再選を祝う祝電を送る(2021年6月10日)

リフアト・アサド元副大統領の次男で弁護士のドゥライド・アサド氏は、フェイスブックでの公式アカウント(https://www.facebook.com/Doureidalassad)を通じて、バッシャール・アサド大統領の再選を祝して父リフアト氏が送った祝電(5月28日付)を転載した。

祝電の内容は以下の通り:

父であり指導者であるリフアト・アリー・スライマーン・アサド博士が、甥であるバッシャール・ハーフィズ・アサド大統領の再選を祝して送った祝電。

シリア・アラブ共和国大統領バッシャール・ハーフィズ・アサド閣下、あなたにアッラーの恵みがありますように。
慈愛とともに挨拶申し上げます。
アッラーを讃えつつ、あなたに約束したように、あなたを寛大な恋人として見ることなどもはやできない。しかし、我らが偉大な人民の信任を得て、シリア・アラブ大統領に再選されたことを祝して心からお祝いの言葉を贈りたい。我々の愛する国が苛まれているこの困難な状況下で、自らの任務を遂行し成功されることを願っている。あなた以外にこの状況を打破できる者を私は知らない。
私の心と両親が育んできた愛を込めて。あなたが崇高なる者の目によって守られ、アッラーがあなたにさらなる健康を与えますように。
あなたの叔父リフアト・アサド
2021年5月28日金曜日

https://www.facebook.com/Doureidalassad/posts/1475243369500873

AFP, June 10, 2021、ANHA, June 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2021、Reuters, June 10, 2021、SANA, June 10, 2021、SOHR, June 10, 2021などをもとに作成。

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シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で爆弾が爆発、マンビジュ軍事評議会は治安紊乱に警戒するよう住民に呼びかける(2021年6月10日)

アレッポ県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会の広報センターが、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市のサブア・バフラート交差点、アレッポ市に向かう街道に面するファトフ・モスクの近くで地雷が爆発したと発表した。

その後、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は声明を出し、爆発がリモート爆弾によるもので、救急車輌を狙って爆破されたとしたうえで、住民4人と救急隊員3人が負傷し、救急車1台とオートバイ1台が大破したことを明らかにした。

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これを受けて、マンビジュ軍事評議会の総司令部は声明を出し、5月31日と6月1日の抗議デモの犠牲者に改めて弔意を示すとともに、負傷者の回復を願うと表明、彼らに対する法的・道義的義務を果たし、住民に寄り添うと強調した。

そのうえで、事態を別の方向に導き、治安と安定に打撃を与えようとしている者がいると指摘、住民に対して、彼らの誘いに乗らず、冷静かつ慎重に行動するよう呼びかけた。

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一方、マンビジュ民政評議会(正式名マンビジュ市および同市郊外民主民政評議会)は世論抜けの声明を出し、5月31日と6月1日の抗議デモに対処するために実施した措置について、その内容を改めて明らかにした。

声明によると、マンビジュ民政評議会は、「自衛義務」(徴兵)法を停止し、その改正に向けて取り組むことを決定するとともに、デモ排除時に逮捕した住民を釈放、8人のメンバーから構成される中立的な事実調査・再発防止委員会を設置した。

AFP, June 10, 2021、ANHA, June 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2021、Reuters, June 10, 2021、SANA, June 10, 2021、SOHR, June 10, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃し、シリア軍兵士3人が負傷、シリア国民軍はトルコ占領地の治安維持のため諜報機関を新設(2021年6月10日)

アレッポ県では、ANHA(6月10日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまたマンナグ航空基地に対しても砲撃を行い、シリア軍兵士3人が負傷した。

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シャルク・スーリヤー(6月10日付)は、複数の消息筋の話として、シリア国民軍がトルコの支援を受けて、トルコ占領下のいわゆる「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域での治安紊乱を画策するテロ細胞を摘発することを目的とした新たな諜報機関を設置したと伝えた。

AFP, June 10, 2021、ANHA, June 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2021、Reuters, June 10, 2021、SANA, June 10, 2021、al-Sharq Suriya, June 10, 2021、SOHR, June 10, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で20人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で67人(2021年6月10日)

保健省は政府支配地域で新たに20人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者5人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、6月10日現在の同地での感染者数は計24,743人、うち死亡したのは1,804人、回復したのは21,658人となった。

SANA(6月10日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で6月10日に新たに67人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、59人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡8人、ハーリム郡10人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡4人、バーブ郡15人、アフリーン郡13人、アアザーズ郡14人。

これにより、同地での感染者数は計24,582人、うち回復したのは21,205人、死亡したのは685人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1596240207247531/

AFP, June 10, 2021、ACU, June 10, 2021、ANHA, June 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2021、Reuters, June 10, 2021、SANA, June 10, 2021、SOHR, June 10, 2021などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍がイドリブ県への攻撃を激化、シャーム解放機構の軍事部門公式報道官の殺害に成功、民間人4人も犠牲に(2021年6月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)、ザマーン・ワスル(6月10日付)などによると、ロシア軍戦闘機が早朝、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカフル・ウワイド村、ファッティーラ村、マウザラ村、ハルーバ村、フライフィル村、マジュダリヤー村、カンダ村、サーン村に対して12回以上の爆撃を行った。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、シリア軍もザーウィヤ山地方のバイニーン村、バーラ村、サーン村一帯に対して迫撃砲・ロケット弾40発以上、地対地ミサイル20発以上を打ち込んで攻撃を行った。

シリア人権監視団によると、シリア軍の攻撃は、トルコ軍が「決戦」作戦司令室支配下のザーウィヤ山地方やイドリブ市一帯の各所に設置されている基地や拠点から、シリア政府支配下の県南部(カフルナブル市など)やサラーキブ市一帯を砲撃したことを受けて行われた。

シリア軍の反撃を受けて、トルコ軍は県南部、サラーキブ市一帯に対する砲撃を激化、シリア軍もバーラ村に設置されているトルコ軍の拠点一帯を狙って砲撃を行った。

一連の攻撃に関して、SANA(6月10日付)は、「ヌスラ戦線(シャーム解放機構)が率いるテロ組織」がカフルナブル市やサラーキブ市を迫撃砲やロケット弾で攻撃、住宅などに物的被害が出たと伝えた。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシャーム解放機構とシャームの鷹旅団の戦闘員8人と住民4人の合わせて12人が死亡、少なくとも11人が負傷した。

死亡した戦闘員8人のなかには、シャーム解放機構の軍事部門公式報道官のアブー・ハーリド・シャーミー氏、メディア関係局のアブー・マスアブ・ヒムスィー氏とアブー・ターミル・ヒムスィー氏が含まれている。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)によると、シャーミー報道官は、トルコの記者を含む報道関係者とともに現場を視察中に戦闘に巻き込まれ、イブリーン村に対するシリア軍の砲撃によって負傷した民間人を搬送しようとしていたところを狙われて、死亡した。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(6月10日付)も、シャーミー報道官の死亡を伝え、弔意を示した。

アブー・マスアブ・ヒムスィー氏もこのシャーミー報道官とともに死亡した。

アブー・ターミル・ヒムスィー氏を含む戦闘員6人は、負傷者を収容するために民間の車輌で現場に向かおうとしていたところをシリア軍の地対地ミサイルの攻撃を受け死亡した。

一方、住民4人のうち2人が子供、1人が女性。

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ザーウィヤ山地方では、6月6日にロシア軍兵士1人が死亡して以降、シリア軍と「決戦」作戦司令室の戦闘がにわかに激化しており、ザマーン・ワスル(6月10日付)によると、住民が連日数千人単位でより安全な「決戦」作戦支配地域への避難を続けている。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカルクール村近郊の土塁に乗り上げていたトルコ軍の重機1輌と車1台に向かって地対地ミサイルを発射した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県16件、ラタキア県11件、アレッポ県0件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を15件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 10, 2021、ANHA, June 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 10, 2021、Reuters, June 10, 2021、SANA, June 10, 2021、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 10, 2021、SOHR, June 10, 2021、Zaman al-Wasl, June 10, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民316人と国内避難民(IDPs)232人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は673,600人、2019年以降帰還したIDPsは88,554人に(2021年6月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月10日付)を公開し、6月9日に難民316人(うち女性95人、子供161人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民316人(うち女性95人、子供161人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は673,600人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者278,352人(うち女性83,664人、子ども141,686人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,755,749人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は902,880人(うち女性270,940人、子供460,177人)となった。

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一方、国内避難民232人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは232人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は88,554人(うち女性32,794人、子供31,973人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,357,150人(うち女性415,353人、子供675,739人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 10, 2021をもとに作成。

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アサド大統領がダマスカス郊外県アドラー市の工業都市にある工業施設複数カ所を視察(2021年6月9日)

アサド大統領はダマスカス郊外県アドラー市の工業都市にある工業施設複数カ所を視察し、経営者らと会見、生産強化やシリアの工業が直面する困難への対処法などについて意見を交わした。

視察には、ズィヤード・サッバーグ工業大臣、ダマスカス県・ダマスカス郊外県工業会議所のサーミル・ディブス議長が同行した。

https://youtu.be/3oenCtSccNQ

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アサド大統領は記者らの取材に応じ、以下の通り述べた。

アドラーの工業都市を訪問し、シリアのエリート実業家と面談できて非常に光栄だ。この都市は、数年前までシリア・アラブ軍とテロリストが直接対峙していた接触線上に位置していた。テロリストに対する銃撃が行われていた戦場だった。だが、持ちこたえた。今日の訪問は、経済が今後の優先事項であること、シリアの生産部門全般が直面している困難を克服する方法を確認するのが目的だ。今日ここで目にしたものを私は、「素晴らしい」という一言以外では表現できない。「素晴らしい」というのは、誇張ではない。この地域が戦時中に身を置いてきた状況、シリア経済全般が置かれている状況を踏まえたものだ。シリアの生産部門を注視しているので驚いてはいない。だが、訪問は、現場の詳しい状況や事実を見るために重要であるだけではない。こうした訪問は、職場の責任者、工業部門の工場主、そして労働者から与えられる士気をさらに高めることができるので、誰にとっても重要なのだ。同時に、不屈の精神で持ちこたえたシリア工業の真の能力を見ることができる。事実、我々には、困難を克服する可能性がある。制裁を克服し、その影響を軽減し、シリアでさらなる雇用機会を創出する可能性がある。

私が担当者や労働者から感じ取った愛国的な精神は、シリアにおいて多くのメッセージを与えてくれる。これらの施設を目にしてまず頭のなかに自然に浮かんだのは、困難な状況下でも雇用機会を創出し、経済を支援するために愛国的に資金をなげうってくれた人と、最初に逃げてしまった人の比較だ。戦争の兆候が現れたとき、彼らは自分たちの国で集めた資金を持って移住した。当時、シリアの市民は、暗いトンネルのなかに入り込んでしまっていた。安全、経済、生活…の暗いトンネルのなかに。支援の手を差し伸べてくれる兄弟がたくさんいるはずだと考えていた。こうした比較がまず頭のなかに浮かんだ。

事実、私が見たものには多くのメッセージがある。可能性、能力、資源を持つ人々へのメッセージだ。しかし、彼らは勇気を欠いている。率先して動き、労働と生産を始めるようとするイニシアチブの精神を欠いている。国外からもたらされ、不満や悪意をもったメッセージ、あるいは依存心や怠慢に彩られた国内からのメッセージに対する別のメッセージもある。それは、多くの希望と信頼を担ったメッセージだ。こうした状況でも工業部門が存続するだけでなく、不屈の精神で持ちこたえることができたことへの信頼だ。もちろん損失もあった。工業部門は損害を被ったことは事実であり、それは不可避だった。だが、操業を続け、持ちこたえることができた施設もあった。発展を遂げた施設もあった。ゼロから創業できた施設もあった。その理由は意志だ。つまり、今回の訪問によって我々が得たもっとも重要なメッセージは、祖国を建設したいという意志が充分に備わっていれば、建設することができる、というものだ。もちろん、いかなる状況においても、工業には資本は必要で、物的能力が必要だ。だが、戦時下、そして制裁下においては、資本だけでは充分ではない。我々には資本が必要だが、強い意志、愛国的感覚も必要だ。これら三つを今回の訪問において私が会ったすべての人々から感じ取ることができた。シリア国内のさまざまな地域で多くの投資家を工業建設・操業、投資、そして生産施設に向ける基礎は存在すると確信している。事実、シリア社会、そしてシリアという祖国は、経済、そして祖国全般を立て直すにあたってこれらの人々に頼ることができる。国家は必ず彼らに寄り添うだろう。なぜなら、彼らは支援に値する存在であり、彼らは今も戦争の最前線、労働の最前線に立っているからだ。今日、この戦線は、労働の最前線、そして経済戦争の最前線となっている。シリアの市民は、彼らを注視し、彼らに多くを期待している。国家は彼らとともに、こうした共同の取り組みが、経済における数字、雇用機会に反映され、祖国に繁栄がもたらされることをめざす。

SANA(6月9日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4286945998015866

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4287348697975596

AFP, June 9, 2021、ANHA, June 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2021、Reuters, June 9, 2021、SANA, June 9, 2021、SOHR, June 9, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機4機がシリア領内の砂漠地帯各所でダーイシュを狙って40回あまりの爆撃を実施(2021年6月9日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機4機がシリア領内の砂漠地帯各所で、ダーイシュ(イスラーム国)を狙って40回あまりの爆撃を実施した。

AFP, June 9, 2021、ANHA, June 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2021、Reuters, June 9, 2021、SANA, June 9, 2021、SOHR, June 9, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ブサイラ市上空を旋回中の米軍ヘリコプター1機に向けて男性が重火器を発射(2021年6月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるブサイラ市上空を旋回中の米軍ヘリコプター1機に向けて、男性1人が重火器を発射した。

これを受けて、米軍ヘリコプター4機が飛来し、男性の捜索活動を行った。

AFP, June 9, 2021、ANHA, June 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2021、Reuters, June 9, 2021、SANA, June 9, 2021、SOHR, June 9, 2021などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の使節団がフランス国民議会外交委員会にオンラインで出席(2021年6月9日)

北・東シリア自治局の使節団がフランス国民議会外交委員会にオンラインで出席し、支配地域の政治・経済・社会情勢について演説を行った。

使節団は、執行評議会のハムダーン・アブド執行評議会共同副議長、ラッカ民政評議会のライラー・ムスタファー共同議長、ロジャヴァ大学のクーリースターン・サイドゥー渉外関係局長、アブドゥッサラーム・ムスタファー北・東シリア自治局欧州代表、ハーリド・イーサー同フランス代表から構成されている。

AFP, June 9, 2021、ANHA, June 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2021、Reuters, June 9, 2021、SANA, June 9, 2021、SOHR, June 9, 2021などをもとに作成。

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外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り6月8日のイスラエル軍の越境ミサイル攻撃を非難(2021年6月9日)

外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、6月8日のイスラエル軍戦闘機によるシリア中南部へのミサイル攻撃について報告、イスラエルに兵力引き離しにかかる諸決議を遵守させるよう要請した。

声明ではまた、イスラエル軍による侵犯行為が、シリア国民に対するテロ集団のテロ攻撃、違法な越境(クロスボーダー)人道支援を定めた国連安保理決議第2165号の延長を主唱する米国をはじめとする一部諸外国のプロパガンダ活動に合わせて行われたとして、これを批判した。

SANA(6月9日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3012154695738304

AFP, June 9, 2021、ANHA, June 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2021、Reuters, June 9, 2021、SANA, June 9, 2021、SOHR, June 9, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアフリーン市でシリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団と東部軍の戦闘員どうしが交戦(2021年6月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団と東部軍の戦闘員どうしが交戦した。

AFP, June 9, 2021、ANHA, June 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2021、Reuters, June 9, 2021、SANA, June 9, 2021、SOHR, June 9, 2021などをもとに作成。

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